吐き止めの筋肉注射と胃の動きを止める薬を飲まされ、処置は完了。
しかし吐き気こそ治まったものの、チリチリと燃えるような胃の痛みは薄まる気配がありません。

「カレーの銘柄は何ですか?」
カーテンを開けて入ってきた別の当直医(アラフォー女子)に訊かれ、あたしは素直に答えました。
「あー、アレはダメです。自殺行為です。ここの病院ではないですが、他にも(救急逝きになった)事例が何件かあります」

殺人レベルの辛さとして有名だということをこのとき初めて知ったあたしは、ジャケ買いした自分の愚かさを恨みました。