アルバム全曲レビュースレ in 邦楽版29th
商業誌/サイトにありがちなオブラートにくるまれているようなレビューではなく、率直なアルバムレビュースレ。 【基本精神】 レビューの数が多いとレビューの精度が上がります。 カブっても気にせずあなたの視点で批評してください。 【ローカルルール】 ◆レビュー中の割り込みレスは控えましょう。 ◆レビューする側は十分に準備をして短期間に投稿を終えてください。 ◆レビューを読む人にとってレビューのレビューは通常のレビューと紛らわしいので禁止。 ◆レビュー以外の長文の投稿はスレのサイズオーバーを招き、本来のレビューの邪魔なので禁止。 ◆反応すると削除依頼が通らなくなるので上記に対するレス禁止。(上記と同類にみなされます) →反応さえしなければ削除依頼が通る可能性は十分にあります。 参照:http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/saku/1117204058/60 →13thスレで削除依頼通りました。 参照:http://music7.2ch.net/test/read.cgi/musicj/1155204694/78-83 ◆上記について何か言いたいことや議論したいことがあれば避難所へ URL:http://jbbs.livedoor.jp/music/16782/ 新レビュー保管サイト http://puu11745.html.xdomain.jp/review/aldom_idx.htm 旧レビュー保管サイト http://www10.plala.or.jp/puusan/review/al_dom/al_domtop.htm http://www10.plala.or.jp/puusan/review/aldom2_idx.htm http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Guitar/3494/index.html 9,至上の人生 ★★★★☆ 彼女のソロ楽曲ってこんなに壮大なものだっけ?と首を傾げるくらい音の広がりが凄い。どっしりとしたバンドサウンドは4分で濃密。朝靄が晴れるような曲。 10,急がば回れ ★★ ヒイズミマサユ機とのデュエット。 色っぽいようなぶっきらぼうな椎名林檎の歌声に対して、取り巻く演奏はシンセサウンドやギターリフのフックが目立つ曲。今作の中では最もアレンジに比重が傾いている曲。浮雲氏の声とは異なり消え入るような落ち着いた声のヒイズミ氏のボーカルもこのサウンドでは浮いているな。 11,ジユーダム ★★★★★ 歌詞を聞かせるために演奏はあくまでも添え物として常に半歩下がる。人間の素直な欲望を詰め込んだような歌詞、それを諦念めいて歌う椎名林檎のボーカルがいい感じ。アウトロのコーラスも気持ちいいですね。 12,目抜き通り ★★★★★ トータス松本とのデュエット。 足元からライトアップされそうなキラキラした歌い出しが◎。この調にジャズのリズムが乗ると一気に夜っぽく優雅ですね。今作を締める感動的な一曲。 13,あの世の門 ★★☆ …嘘です。この曲が最後。 物々しいも優雅な聖歌隊の声とやさぐれた椎名林檎の声の対比が凄まじい。先程は華やかさを見せた弦楽器もこちらでは妙に生々しい音に。間奏以降で見せる躍動感はバレエのように滑らかで演技的。天に召されていくかのようなラストのリフレインで後味が… 総評、★★★★ 椎名林檎の最新アルバム(2021年現在) 7曲のソロと6曲のゲストボーカルとのデュエット曲で構成されている。上手く互いが調和したデュエットもあれば、片方に喰われたデュエットもある。(駆け落ち者と急がば回れ、がそんな感じ) 音楽性の多様化を目論む求心力が強いのはわかるが、1st〜3rdのような椎名林檎の世界観だけを目当てに新アルバムとして買うと多分「…」となるだろう。スペシャル盤のつもりで聴くといい。 back number/逃した魚 1,重なり ★★★ しょっぱなから私怨の渦巻く歌詞にゲンナリするが、それでも演奏の疾走感は抜群で、メロで押さえ込まれた分サビで勢いが発散していく。 2,春を歌にして ★★★☆ さっきの曲を泣きメロにしてより叙情的にねっとりと。情景描写は確かに上手いけど、人によってはこれでお腹いっぱいだろうな。 3,sympathy ★★★ ナヨナヨしたボーカルとやるせない歌詞がマッチした佳作。なんとなくここで自分は察した。多分こう言う詩世界苦手だ!最後まで聴くと少し救いが見える分他よりはまだいいのかも。ギターがザラザラした音像だけど、この曲にならいいか。 4,then ★★☆ 疾走感があるし、ドラムのリズムはしっかりキープできているんだけど、涙声に肉薄する投げやりな歌い方のボーカルがキツいかも。この曲のサウンドで「海へ行こう!」なんて歌ってくれたらなんと気持ちいいことか。全ては歌詞の世界観のせい。 5,海岸通り ★★★ わ〜お。本当に海に来たよ。演奏が開放的なおかげで今作の中ではサウンドに集中できる部類。シンプルなアレンジが功を奏しているね。歌詞は例によって…はぁ。2番終わりの間奏が清涼剤。 6,KNOCK ★★★ これも演奏が良いなって思うんだけど、ボーカルが入ると途端に後ろに下がるのはなぜでしょう。いっそのこと、人の声も楽器として活用するのはどうでしょう?と思えど、おそらくこのバンドは歌詞を聞かせるための曲を作っているのだろうと容易に予想できるからそれはないか。例によって間奏が聴きどころ。アウトロのクレッシェンドもGood job. 7,西藤公園 ★★★☆ 叙情的な歌詞は風景描写にぴったりで、この歌声はまさにそんな世界観にピッタリハマっている。曲自体の完成度やドラマ性はどれも高いはずなのに、評価が今ひとつなのは自分自身が苦手なだけなのかもしれない。それはごめんなさい。 総評、★★☆ back numberの1stEP。全国流通盤としては多分最初だと思う。コンセプトは恐らく「男女の人間模様」故に失恋曲やそれを匂わせる曲が多く、ハッピーエンドは殆どない。気分が沈みまくって、感想どころではないのを、何とかこの一枚を伝えようと思って書いてみた次第である。筋が一本通ったアルバムで、なおかつ演奏の感情の昂りも歌詞と上手くマッチしているため、そこで★ひとつ多めに評価した曲が多いが、詩世界だけで評価するならおそらく個人的には…もう少し救いを下さい。 凛として時雨/Feeling your UFO 1,想像のSecurity ★★★★☆ 初っ端でカーチェイスを思わせる疾走感に、緩急が程よく絡まって心理戦の模様。平時からすでに地声と裏声の狭間を行き不安定な男ボーカルと、女ボーカルの安定した高音の対比がよくわかる。ちなみに最高音はどちらも同じくらいです。 2,感覚UFO ★★★★ 挨拶代わりのような前曲とは異なり、プログレを匂わせる密な曲構成に固唾を飲む。全く意味のわからない歌詞は飛び道具のようなもので、声という楽器のリズムを決定する。 3,秋の気配のアルペジオ ★★★☆ メロウなはずの雰囲気が手数の多いドラムに侵食されかけている気がする疾走系ナンバー。晩秋のようなヒリヒリした冷気はメロの無機的な雰囲気に由来するのか。女ボーカルの単体の声がかなり聴けるため、1,2よりも安定した印象。 4,ラストダンスレボリューション ★★★ 今作の中ではドラムやギターのフレーズを堪能しやすいミドルナンバー。疾走感は一旦緩やかになっていて、ダンスビート的なノリ。男女ボーカルの掛け合いを聴いていると、この雰囲気の曲の方が疾走感全振りよりもその味が出ているかも。中盤の間奏からラスサビにかけてのセッションとホイッスルボイスが今作のハイライト。 5,Sergio Echigo ★★★★☆ 今作の中では最も曲構成がシンプルだが、静と動が両極に振れすぎた男ボーカルのせいでかなり怖い印象になっている。サビのシャウトの生々しさは全曲聴いてなおトップで、演奏は聴きやすいのに曲としてはいつ裏切られるかわからない恐怖で常に怖い。間奏がその極みで1:38〜3:51にまたがり曲調を変えながら進行する様子が凄まじく不気味。ラストの女ボーカルも喚声点限界レベルで張り上げているし。 総評、★★★★☆ 凛として時雨 2nd EP。高BPMの疾走感ある演奏と男女両方の高音ボーカルが肝となっている一作である。時雨というバンドを聴いて想像できる要素はあらかたこの一枚に入っていて、特に4なんかは現在のスタイルにも通じるミドルテンポ→ハイテンポの移行や密な曲構成が楽しめる。 余談だが、全作を通して聴くと思うのが 男女ツインボーカルとしての強みは今作が極めている気がする。 フリッパーズ・ギター/three cheers for our side 1,ハロー/いとこの来る日曜日 ★★★★ イントロの気怠げな雰囲気からAメロに入るときのテンポアップ感が堪らない。アコギの軽快なサウンドにワクワクした気持ちが反映されている。 2,ボーイズ、トリコに火を放つ ★★★☆ よく聴いてみると子どもと大人の中間、モラトリアムを感じさせる声がする。歌詞に反して常夏のビーチの雰囲気がするのは何故だろう。 3,すてきなジョイライド ★★★☆ 潮風の匂いを感じるギター演奏が気持ちいい。それは歌詞カードに書かれている内容とはまるっきり異なるがまあいいか。 4,コーヒーミルク・クレイジー ★★★★☆ 喫茶店の午後を思わせるほのぼのとロマンチックな曲。一貫して中性的なボーカルの甘い声が聴こえてくる。歌詞カードは…見なくてもいいか。 5,僕のレッドシューズ物語 ★★★★ 休日の朝を思わす爽やかなバンドサウンドが思春期感全開で甘酸っぱい。演奏の世界観を補完するために歌詞カードを読むと、ノスタルジックな小説風の歌詞が。 6,奇妙なロリポップ ★★★★☆ イントロのスパニッシュな雰囲気が堪らない一曲、キメの多いサウンドや分かりやすい構成が功を奏してかなり聴きやすい。 7,ピクニックには早すぎる ★★★★★ 懐かしさの漂うメロディの進行や転調の仕方。ドラムの軽快な音が気持ちいい。春風を感じる緩やかなテンポの言葉運びもGood。 8,サンバ・パレードの華麗な噂が ★★★★★ 一気に古臭いベンチャーズ系のギターは人によってはたまらないだろう。語感を意識したフレーズ運びが性急な演奏に乗って疾走感は抜群。終わったと思わせてスローテンポにリプライズ。 9,恋しているだとか好きだとか ★★★★ 太陽の光が嫌味なく降り注ぐ様を感じられる爽快なナンバー。サビ入りのロングトーンが堪らなく気持ちいい。Aメロの歌詞だと絶対に滑舌が良くないと歌えないな。あ、ラストサビのガヤは要りませんw 10,さようならパステルズ・バッヂ ★★★★ 9〜10と続くメドレー。この曲もまたカーステレオで聴きたいな。晴れた空の下でね!(何年先の話だよw)久しぶりに歌詞カードをみると少年の決意みたいなことが書かれてて、このボーカルの雰囲気と合っているなと。 11,やがて鐘が鳴る ★★★☆ 演奏速っやw 250オーバーのBPMに対してマーチの様にバタバタと鳴り響くドラムの音が印象的。マーチの様な独特の開放感があるけれどさすがにこれにスネアロールを入れ込むわけにはいかないなw平易な言葉で綴られた歌詞が青臭くていい感じ。今作のボーカルに合っているよ。途中で減速して加速する展開は長い演奏時間だからこそ出来るギミックかな?2曲分聴いている感覚に陥る。 12,レッド・フラッグ ★★☆ 11〜12のメドレー。つながる様にしてこの曲へ。ハーモニカって凄いですね。知りもしない地中海の土地の郷愁を感じて。 総評、★★★★ 中古屋で買ったCD。タイトル(〜海へ行くつもりじゃなかった)だけ見た衝動買いにしてはいいものが聴けたと思う。このCDをイヤホンで聴きながら海に行ったら凄く楽しかったです。 歌詞とメロディの調和を是非とするなら「はあ?」で終わるけれど、曲を聴きながら歌詞カードをめくると演奏の世界観が程よく補完されて、曲だけ聴いている時とはまた違った感覚になります。 まずは流し聞き、次に歌詞カードを開いて聞きましょう。 B‘z/WIKID BEAT 1,I WANNA DANCE(Wickid Beat Version) ★★★ 演奏がかなりMIXに侵食されている箇所もあるがかっこよさは健在。歌い方もいいけど、原作の精神世界ベースの雰囲気が削り取られたのは痛いかも。あの緊張感が足りない。 2,KOMA-CHI-ANGEL(Red Hot Style) ★★★★ 開幕いきなりMIXの音で後頭部殴るのやめーや(怒)wスパニッシュで情熱的な雰囲気が日本語を排することでより鮮明に出て良い。演奏も集中して聴けるし、プッシュプッシュ!の掛け合いも楽しいし。 3,BAD COMMUNICATON E.style ★★★★☆ 前曲との繋ぎやイントロのSEがカッコいいので高評価。初期のB’zがやりたかったであろう打ち込みとバンドサウンドの融合はこの曲が集大成。歌詞に重きを置いて歌っているBrotherhoodやACTION、C‘monなどのアルバムならこれはご法度だが、歌詞の乗りもノリに変えてビート感を高める感じはいいと思う。ただこれで極めると心に残る歌詞は生まれてこなかったのだろうか。以降のハードロック展開のありがたみもわかる一曲。 4,LADY-GO-ROUND”W-40Style”★★★ タイトルコールが気持ち悪すぎて床を転げながら聴くイントロは原曲が素敵なだけあっていい感じ。女性のコーラスも多く挿入されていてASMRっぽい。原曲にはないパートは軒並みギターがクールに鳴り響くので、ここに来てまたギター前に出てきたなって印象。などと曲自体の出来はかなりGoodだが いかんせんタイトルコールが「大戦犯」である。★ひとつ落としてった。 アウトロはギターは泣いているっぽくて好きです。いかんせんタイトルk(略) 総評、★★★★☆ B’zの2nd EP。前作よりも原曲を壊さずアレンジ出来ている曲が多く、90年のアルバムにして独特なSF感が感じられる。古臭いのだが、明らかに「当時の最先端行ってます」みたいな堂々とした雰囲気。 歌詞が完全に封殺される分演奏をよりしっかり聴けるので、演奏面でのアレンジがカッコよく、原曲の歌詞があってもなくてもみたいな曲が高評価な印象。 そう考えると初期3作のシングルは歌詞がしっかりしてたんだなって再確認出来た。これは意外かも。 いつの間にかspotifyの無料視聴が時間無制限になってた THE BOOK/YOASOBI 1.Epilogue ★ 導入なのにエピローグのインスト。久々にピアノ触った、みたいなユルい感じの演奏。 狙って無機質さを出してるのかな、とこの時点では思っていたが…。 2.アンコール ★★ 「明日世界が終わるんだって」という詞で始まり、どこかまったりした終末感を堪能してる曲。 これもピアノの演奏にメリハリがなく、それが乾いた印象を与えてくる。 単音弾いてるピアノに強弱がないというか、全弾同じ音量で叩いてるような。 それをチャンネル単位で音量上げ下げして調整してる感じで、テクノみたいなアレンジ手法。 歌い方も無機質。メロディは綺麗だが、後の曲を聴き進めるにつれて被ってくる。 3.ハルジオン ★★★ 実質的に「夜に駆ける」の焼き直しと思われるキャッチーな曲。構成からキメの配置まで似てる。 ピアノの使い方やオクターブを上下するベースも似ているが、この曲のほうがギターの躍動感でプラス。 ピアノはピアノだと思って聴くと違和感あるので、あくまでピアノ音源の打ち込みと割り切ったほうが良さげ。 16分で刻んでるハイハットシンバルに抑揚がないのが、作りっぱなし感があって苦手。 貪欲に新しい歌メロをつぎ込み、ピアノやギターのソロパートなしで突っ走るスタイルの曲。 4.あの夢をなぞって ★★★ ボカロの有名曲「メルト」に対するオマージュと思われる曲。 ハイハットは8ビートでも音量均一か…。前拍か後拍どっちか強調したら? ベースの音粒はもうちょっと何とかならなかったのか。音つながりすぎ。 歌メロが豊富なのは頼もしいが、リズムパートのアレンジに穴がありすぎる。 それで受け入れられるのがボカロ界隈ということか。でも他のPはしっかりしてるような。 5.たぶん ★★★★ ギターメインのアレンジがいい感じの、ハーフタイムシャッフルの曲。 歌メロの手数は減るが、元々歌い手が体温低い感じなので、まったりした曲はよく合う。 何度も別れを繰り返すさまを淡々と歌うこの曲には、抑揚のないハイハットも合ってる。 鍵盤がピアノ系からオルガン系メインになるだけで随分耳馴染みが良くなる印象。 やたらブレイクで全体止まれをして処理するアレンジが多い今作だが、 この曲は隙間を活かしたリズムの掛け合いがあって有機的。 6.群青 ★★★★ ハイハットに抑揚がついてるだけで嬉しくなるアップテンポ曲。最近の作品なんだろうか。 ベースも欲張り過ぎずにツボを押さえた感じで、歌メロを引き立てる役に徹している。 いわゆる厨二感みたいなものが薄れているので、らしくないといえばそうかもしれない。 転調はノルマなのか結構無理にぶち込んでくるが、「あーーー」の切羽詰まった感じはジワる。 コーラスを大胆に入れたアレンジも迫力がある。 7.ハルカ ★★ 途中の無理矢理な転調にヤケクソ感のあるまったり曲。ピアノのノッペリ感もヤケっぽい。 さすがにこの曲はピアノも歌心のあるアレンジがよかったのでは。サビのベースも輪郭なさすぎ。 他曲に比べサビに長い音符を使った、ちょっとテイストの違う美メロを試した曲か。 音の詰め込みに強い印象のikuraだが、高音がパワー不足で押し切れない感じでもある。 他曲と比べて歌詞がストレートで耳に入りやすい分、やはり歌唱でどう表現するかを求めてしまう。 ボカロっぽくする意図もあるのだろうが、ビブラート封印はつらいところ。 8.夜に駆ける ★★ 発表が最も古く、最も同人くさいアレンジの曲。ピアノの無神経感が凄まじい。 Aメロ頭のベースは変なラインで動き回っており、歌メロ聴いてない感じで嚙み合いが悪い。 結果的にその後のAメロ繰り返し部分のキメで曲が盛り下がってしまう。 メロディ楽器的にベースを使いすぎ。足し算のアレンジは上モノで工面したほうが。 ピアノは例によって事務的で感情死んでるうえにソロの終わり方もカッコ悪い。 歌メロは孤軍奮闘の出来栄えだが、歌詞が次々に設定盛りすぎで内容が伝わりにくい。 出会ったのか別れたのか分からないレベル。うえだゆうじの「希望の宇宙の…」を思い出す。 各パートがそれぞれ勝手に自己主張して、派手で薄っぺらい厨二感だけが悪目立ちしてる印象。 未完成感というか、個性のぶつかり合いを演出したライブ性がウリということか。 9.Prologue ★ プロローグと題されたエピローグ。ピアノは生で誰かに弾かせた方がいい。本当に。 総評 ★★ 全作詞曲を手掛けるAyaseとシンガーikuraによるユニット、YOASOBIの1stEP。 リズミカルに音符を配置した流れるようなメロディが特徴的で、1曲に惜しみなくアイデアを つぎ込むが、量の多さゆえに若干仕事が被って聞こえる部分も。長い音符をたっぷり歌う曲も不足気味。 大胆な転調も武器だが、ぬるっと転調するのではなく派手にバッサリいくタイプで、 前後をまたいでメロディを鳴らすタイプでは無い。もっともそのおかげで聴きやすくはなっている。 生演奏はサポートによるギターのみで、他はすべて打ち込みということらしい。 これがボカロPらしさというか、個人的には苦手な特徴に繋がっている。 生のギターはAyaseなのかと予想していたが、それも違うとなると色々合点がいってしまう。 カバーの弾いてみた動画が分かりやすいが、演奏する側はどうしたって表現として細かい強弱をつける。 Ayaseにはその感覚が欠けすぎている。棒。プロの演奏がどう聞こえてるのか確認したいレベル。 ずっと真夜中でいいのに。やヨルシカとよく括られるが、アレンジではまだ勝ち目がない。 米津もサポート入れてから化けた印象があるし、専門家と分業したほうがやはり質は上がると思う。 作詞は自身のメッセージではなく、全曲それぞれ原案の小説に基づいているらしい。程度の差はあるが、 基本的にサビでもずっと設定を語ってる感じで、直情的な感情表現に乏しく共感しにくい。 シンガーも無機質で加工強めなので、そもそもBGM的にする狙いが既定路線とは思うが、 情報量のわりに音楽に乗せて伝える効果が薄く、言葉が耳をすり抜ける印象。 総じてオシャレなようでオシャレじゃない、まともなようでまともじゃない作品。 今回はアレだけどスタジオミュージシャン入れれば全然戦えるようになると思う。 今のままで流行ることに疑問はないが、彼らに憧れてプロ目指しても行き詰まりそうな印象はある。 演奏に違和感を感じにくい人向けの一枚。あいみょんのような実直なタイプが好きな人には不向き。 いいねちょっと辛口なレビューw 昔の相対性理論とかセカオワもそんな評価だったような >>318 ちょうど次のレビューCDは 相対性理論「ハイファイ新書」 セカオワ「EYE」のどちらかにしようと思っていたので決まったら評価してみますね。 >>313 乙です 久々に辛口レビュー読めて嬉しい 夜遊びはいつかここで誰かにこき下ろしてほしかったので余計にw 周りの友人たちに薦められたので聴いてレビュー サザンオールスターズ/世に万葉の花が咲くなり 1,BOON BOON BOON〜OUR LOVE[MEDLEY] ★★★ 初手からメドレーってw前半部分はキーボードの奔放な動きとホーンセクションの派手なノリが堪能できるが、歌詞が芸術的過ぎてちょっとわかんない。AOR調の後半は大人しめのピアノサウンドが鳴り響く優しいアレンジ。 2,GUITAR MAN'S RAG(君に奏でるギター) ★★☆ 桑田さんの声と優雅な暑苦しさは合っているが、この手のねっとりとした雰囲気は自分は苦手。単調ではなく、シロフォンのような可愛らしい音や情熱的なギターソロが聴ける2:19以降が好き。 3,せつない胸に風が吹いていた ★★★★★ イントロに涼しい風を感じた。打ち込みのビートがバッチリ聴こえているが、キーボードなどであえてバンドサウンドから軸が外れているのでこれはむしろプラス。歌詞も過ぎ去りし青春を回想する感じで良いと思う。 4,シュラバ★ラ★バンバ ★★★(6/10点) 打ち込みのダンスビートが楽しい曲。桑田さんも楽しそうに歌う。仮に自分が歌詞を聞いて曲を評価する人だったら…どうなってたんだろう。こんな意味の無さそうな歌詞は。 5,慕情 ★★★☆ 曲順で損をした霧のように淡く優しいピアノアレンジが気持ちいい。昔のフォークソングを当時なりにアレンジしたらこんな曲になるのかな? 6,ニッポンのヒール ★★ 桑田さんの歌い方が投げやりになった社会風刺ソング。言葉尻で毎回音程を少し上げるのが耳に残る。演奏がやけにテクニカルなのでそこが面白いとの意見もありそう。 7,ポカンポカンと雨が降る (レイニーナイト インブルー)★★★★☆ 原さんボーカルの曲。安めのバーの女店主の様なあっけらかんとした歌い方が面白い。もっと言うとベスト・テンなんかで7位くらいでスタジオで歌ってそうなイメージがあるんだけど、当時を知らない自分が言っても説得力ないかw 間奏のギターが情緒不安定でまたこれが面白い。 8,HAIR ★☆ アコギ+αみたいなシンプルな曲。次第に盛り上がっていくが、これは桜井さんみたいな人が歌った方が合いそうなんだよな。サビが顕著。一曲を通してピンとこないが、間奏のストリングス+口笛は悪くないかも。 9,君だけに夢をもう一度 ★★★★★ サザンオールスターズについてあんまり知らないからただしくないかもだけど、これはシングル曲なの?ってくらいポップで歌詞がわかりやすい。今作では3に次いで演奏が心地よく耳に入る。奥でミョンミョン鳴っているシンセも気にならない。 10,DING DONG(僕だけのアイドル) ★★★ 歌詞に合わせて桑田さんのボーカルがねちっこくなっていてキモチワルイw演奏がノリノリで、ホーンやパーカッションが派手に乗るアレンジなのでうまく聴けるが、そうじゃなければ厳しいなこれはw 11,涙のキッス ★★ 真夏の果実が苦手(★☆)で希望の轍(★★★★☆)が好きな自分からすると、この手の癖のついた歌い方は苦手。牧歌的なアレンジと歌詞が水と油の様に分離しているメロと、なぜかちょっと調和したように感じるキャッチーなサビとの対比を面白がるべきか… 12,ブリブリボーダーライン ★☆ 歌詞の寒さと変に力の抜けた演奏が化学反応を起こしているのか耳が麻痺しそう。桑田さんの歌い方のリズムが妙にクセになるからそこ切り取ってイージーリスニングって事でいいかな? 13,亀が泳ぐ街 ★★★★ 今作のドロドロした雰囲気の核を突く陰鬱さよ。下町の生々しいところだけを上手く汲み上げたようななんとも言えない世界観がホーンセクションと桑田さんの歌い方で確立されているのが面白い。間奏はその極地。3:11〜4:55のホーンセクションはムードを吸いすぎて潰れそうなくらいに重々しい。最高のムードナンバーにして最悪に盛り上がりに欠ける曲。 14,ホリディ〜スリラー「魔の休日」より★★★ 私小説的なタイトルに反して投げっぱなしの歌詞のコントラストが鮮明に映る曲。13の重さから解放されて変になっちゃったようなポップな雰囲気を「躁」の一言で片付けていいのかな? 15,IF I EVER HEAR YOU KNOCKING ON MY DOOR ★☆ アカペラの楽しみ方を知らないと全く響いてこないのが辛い。あえて多重録音で合唱のように聴こえる桑田さんの声に身を委ねるなら… 16,Christmas time forever ★★★★ 鐘のイントロからムードをキメて入ってくる 優しくキラキラしたクリスマスソング。桑田さんの声も語りかけるように優しく、演奏も普遍的なミドルテンポで心地良い。安心して聴けるだけでいい曲認定出来そうなくらいこのアルバムはヘンテコだったのだ… 総評、★★★☆ 渋かったり、派手だったり、躁鬱だったり耳馴染みよかったりする古き(昭和初期〜中期)日本の郷愁を感じる一枚。ただ、いかんせん音楽の幅が広すぎて拾いきれなかった。自分が生まれる10年前のアルバムを紹介されたが、ひとまず「面白かった」とは言おうと思う。含みは色々あるけどねw 乙です 2008年生まれがこんなスレに来るとはw 同じ年ぐらいの頃の自分を見てるようでむずむずするな Wikipediaの情報見間違えた、2002年生まれか 乙 君だけに夢をもう一度は元々はシングルで出す予定だったと聞く >>324 数年後に読み返して当人もムズムズするだろうよw 相対性理論/ハイファイ新書 1,テレ東 ★★★☆ 特にタイアップはついていないが、ゆったりしたラウンジ系の演奏に乗せてテレ東を全力で押してくる歌詞が面白い。 2,地獄先生 ★★ 垢抜けているのか抜けていないのかよく分からないが、甘酸っぱさと緩さとの境界線を泳ぐメロディラインが耳に残る。歌詞は歌詞で学校モノだけど、よく聞くと…これはボーカルの声のせいかなゲンナリ度が3割増し。 3,ふしぎデカルト ★★★★ ぼんやりとした輪郭の薄い演奏に語感重視な歌詞が乗るとこのボーカルはより生き生きとする。LOVEずっきゅんの時もそうだったよね。サビの追っかけコーラスも好き。 4,四角革命 ★★★☆ イントロからのだるそうな雰囲気がドラムの合図で疾走感に変わるのがアイデアとしては好き。タイムトラベルを意識した物々しい歌詞とサビの言葉尻リフレイン(例えば四「角」カクカク「革」命)からの2文字しりとりのユルさのギャップに笑っちゃう。 5,品川ナンバー ★★★★☆ これもタイアップはついていないが、猛烈に品川ナンバーの車を推してくる。ラップのように韻を踏んでくる歌詞と、リズムキープのクラップハンズが楽しい一曲。 6,学級崩壊 ★★★ 好きな人はハマり、嫌いな人はとことん嫌がるだろうボーカルの性質を引き出した一曲。演奏のパターンも単調で、声を聴かせる事に終始しているので、耐えられなければ捨て曲が確定する。ウィスパーボイスって地声とか裏声ってあるのかな? 7,さわやか会社員 ★★☆ 「さわやかサンシャイン」だとか 「さわやか三組」だとか言ったらキリがないくらいありふれていそうでいないタイトルが小ツボにハマった曲。韻を踏んだりリズムよく進行したりはするけれど何故かコレはあまり好きじゃない。 8,ルネサンス ★★★ ラウンジっぽいゆったりとした雰囲気に合わせて中世っぽい歌詞と算数を混ぜて歌うアイデア先行の曲。そういう勢いは好きだけど、あからさま過ぎる歌詞はあまり好きじゃないかも。あと、隙あらば韻を踏んでくるよ。 9,バーモント・キッス ★★★ 雰囲気重視で夕景のぼんやりした様子が見えてくる。パーカッションや鈴の音色が後から入ってきて、無味無臭なシンセを飾りつけするのは悪くない。今作の中でも静かな演奏なので相対的にボーカルが大きめに聞こえてくる。 総評、★★★☆ ボーカルの声がウィスパー系で囁いたり、あまり力を入れずにあえて無感情で歌うことで良い個性を発揮するタイプなので、アイデア先行で歌詞が作られているであろう1,4,5,8などは高めに評価をつけました。一方でちょっと余計に力入っているように感じる2,7は評価低めかもしれません。演奏は繰り返しで聴かせる事で印象に残るタイプで、特に短い周期でAメロを繰り返す曲はメロディがより鮮明に残るかなと。 よくも悪くもフロントが特徴的なのでちょっと有名になると「出る杭は打たれる」的な事になりやすいのですが、このバンドは以降もマイペースにやれているのでまぁ良いのかな。 声の性質が好みならハマり、そうでなければダメかもしれない一曲。あとはアイデア先行で勢いに走った歌詞や演奏が苦手ならおすすめできない。 B'z/GREEN 1,STAY GREEN〜未熟な旅は止まらない〜 ★★★☆ だんだんクレッシェンドしてこちらにやってくるイントロの発想が面白い。歌詞も平易で伝わりやすく、初期のイメージは完全に無い。ハードでキャッチーなサウンドとアツいお兄さんのような独特の爽やかさを醸す稲葉のボーカルは今に通ずるB'zブランド。ちなみにかの有名なエアーバンドこゴールデンボンバーはこの曲をオマージュした曲を過去に作ったことがあるらしい。知らんけど 2,熱き鼓動の果て ★★★★ 燃えたぎる情熱を静と動の異なる二つのアプローチで表現した曲。過去にはCalling、後年だとARIGATOが静と動を一曲で表現しているが、この傾向の曲は仰々しくなりがちなのに対して、この曲は汗が弾けるくらい爽快に演っているのでくどくないのがいい。 3,Warp ★★★★ 独特の広がりを見せるイントロからは一転して、洋楽のようなハードなサウンドを展開するので、メロと間奏のギャップがデカい。歌詞はわりと難解な部類で、今作の中では聞き込める部類。 4,SIGNAL ★★☆ 静かな曲でもムサいのが今作の特徴。打ち込みの異質なサウンドに女々しいラブソングのような歌詞が入っていて唯一無二の世界観。 5,SURFIN'3000GTR ★★★☆ 今作の中でもかなり暑苦しい一曲。聴いているだけで汗が滴り落ちてくる。こんな軟派な歌詞はこのハードなサウンドで誤魔化さないと気持ち悪くて聞けやしないなぁ。常にギターがうねうねと前に出て来ていてギター好きにはたまらない一作。 6,Blue Sunshine ★★★★★ 夏の午後を思わせる日差しの強さは前曲と同じなんだけど、こちらには少し涼しい風が吹いているイメージ。コード進行がシンプルなのでアコギで弾いてもいいかもね。今作のベストトラック。 7,ultra soul[Alternative Guitar Solo ver.] ★★★★☆ 数年間シングルバージョンをアルバム未収録状態にした罪深いアルバムバージョン。LIVEでの演奏に比べて水がスッと流れていくような爽やかさがあり、特に間奏のギターはオリジナルよりも激しいながらもどこか涼しい顔をしていそう。ラストもultra soul連呼からの「夢じゃない、あれもこれも」で燃えながら締めるLIVEverとは異なる流れていくような締め方。こちらも水面の揺れを感じる。 8,美しき世界 ★★★☆ この曲に悪いけどこの勢いのまま「Rock man」が聞きたかったのは自分だけじゃないはず。まるで「GOLD」を別のニュアンスで切り取った様な穏やかなサウンドだが、こちらのほうがよりアルバムのカラーにあっているのかもしれない。後半の幕開けを静かに告げる。 Rock manだったら★4.5、GOLDだったら★4つだったな。 9,Everlasting ★★★★ 凄く良い曲のように聞こえるけど、メッセージソングのような言葉の熱量で勝負する曲は次作のアルバムの方が合っている気がする。消えない虹のようにアッサリとしたバラードではなく、演奏の熱量は凄まじい。間奏のギターソロはバラードにしては荒ぶっているかな。 10,FOREVER MINE ★★★★☆ ギターの押しが強い曲で、前に出ようと後に下がろうとその存在感は消えない。歌詞もラブソングとは毛色が違う独特の雰囲気。この煮えきらない雰囲気は悪くない。間奏では稲葉がボソッと二言ほど呟く。 11,The Spiral ★★★★★ 熱帯夜のようなぼんやりした雰囲気はCallingに近く、二番煎じでより安直な歌詞だったとしても、静と動をメロとサビで何度も行き来する重厚な構成を自然に聴かせることは中々できる事ではないと思う。後年で言えばsanctuaryがこの路線。 「自分はどっから来たの?裏庭に咲いた花のNameまだ、覚えてる?」のフレーズに思わず息が詰まる。 12,GO☆FIGHT☆WIN ★★★★ 根性見せろや!的なノリが非常にアツく盛り上がる一曲。サビのギターサウンドは今作イチでシンプルな作りで、ガンガン前に押し出そうとしてくる。後年でいうとFreedom TrainやMan Of the Matchなどがこの手の応援ソングであると思う。勿論ここまでシンプルに背中を押す曲では無いが。 総評、★★★★☆ 暑苦しさの中に潜む爽快な雰囲気がヤミツキになるB'zの12thアルバム。途中で明らかにB'zサウンドとの乖離を感じる打ち込みアレンジの曲や女々しい曲が出て来たりもするが、彼らなりのポップさの表現だとすれば可愛らしいものである。 限りなく男らしいアルバムであるので、願わくば男旅のでムサくるしくかかっててほしい。真夏の太陽が燦々と照りつける車内とかで。 椎名林檎 1,宗教 ★★★★ (5:07) いきなり大奥かと聞き紛う音の洪水で幕開け。全体的にひ弱で根のないように聴こえる歌声に、オーケストラ調の大サビや、ブレイクビーツ的なサビがのしかかる。サビと大サビが2回ずつあるのが特徴的で、段階的に盛り上がる。 2,ドッペルゲンガー ★★★ (3:46) 前曲の世界観を疾走感で補完したようなイメージ。オーケストラが創る荘厳な雰囲気は消え、より身近なものとして前衛的な雰囲気を享受することになる。次曲の迷彩と同じようにアウトロが長く、鬱屈とした雰囲気を後味悪く引きずる。 3,迷彩 ★★★★☆ (3:44) 投げやりな歌詞と奔放な歌い方には、暴れ馬のようなジャズがよく似合う。彼女の作品としては屈指の高速ナンバーで(200BPMくらい?)それがまた異質な雰囲気である。アウトロはドッペルゲンガー同様長く(全体の1/3)暴走していく弦楽器を始めとした演奏陣の圧が凄い。 4,おだいじに ★★☆ (3:01) ピアノバラードかつ、無垢な歌い方で比較的優しい雰囲気。歌詞も口語的で親しみやすい。サビ終わりのノイズのようなギターだけはいただけないが、ただのピアノバラードで終わらせないぞという意思が伝わるのでまぁよしとする。 5,やっつけ仕事 ★★★★ (5:10) 約2年半越しに12cmCDで聴けるようになった初出は「絶頂集」という8cmCDの中での一曲。原曲のマニアックなロックのイメージは消え、童謡のように親しみやすいポップな雰囲気になった。 余談ですが、林檎ファンのみなさんは、掃除機の音を聴くとこの曲を口ずさみたくなりませんか? 6,茎 ★★★★☆ (3:52) 原曲はSTEM(大名遊ビ編)というシングルで、今作によりオーケストラと彼女の情感こもった歌声で提示されていた世界観が判ることになる。親となった自覚を歌う新境地の様な歌詞である。転調し大サビに移る時の高揚感は凄まじいが、前半が非常に低い音程で歌われるので、喉がしぬ。 7,とりこし苦労 ★★★★★ (2:36) 林檎氏の巻き舌歌唱、サンプリング、バックでは謎の男によるコーラスワークが聞けるなど、当時の林檎氏のサウンドの欲張りセットみたいな曲。2番のメロで1フレーズだけ入り込むさまざまな楽器の音が楽しい。 8,おこのみで ★★ (5:45) 7〜9は実質メドレー。7の余韻が残っている。 煮え切らないセッションに、遊郭のような歌詞がマッチしていて、どん詰まりの雰囲気があるが、ここまで評価が芳しくないのは私の主観だから。…失礼致します。ラストに9のイントロの匂い。 9,意識 ★★★★☆ (2:45) かなりマニアックなイントロとは打って変わったシンプルな演奏かつ平素な歌詞が良い。バンドサウンドも比較的「陽」な部類で茹だる部屋に吹く涼しい風のような心地よさがある。原曲は茎同様シングルに収録されているが、3番が遅くなって雨に塗れるなどあちらの終わり方がかなり往生際が悪かったので、こちらのほうが好印象である。 10,ポルターガイスト ★★★★ (3:41) 踏切の音に他意はないと信じたいメトロノームとシンセサイザーの不気味な高音で非常に不安なイントロ〜Aメロ〜サビに対して弦楽器が入ると、途端に安定感が増して安心出来るという間奏〜2番の対比が面白い。よく聴くと歌詞も平素ですね…あ、そうでもないわ。 11,葬列 ★★★★★ (5:12) 砂漠(アラビアっぽい)の雰囲気で熱熱しく始まる非常に気持ち悪い曲。林檎氏の歌い方もどこか空虚でありながら、怨みのような深い情念がありそうで、闇を感じる。アウトロ直前の大サビの教会的な雰囲気や、アウトロ中に元々大きかった演奏のミックスが持ち上げられるなどして得られる焦燥感は未だに馴染めない。 前作を知っている人ならお馴染みの終わり方。 総評、★★★★★ (44:44) 1st,2ndにこもってた生々しい「女」の雰囲気の角が取れて聴きやすくなった3rdアルバム。前作のドイツっぽい雰囲気や前前作の変に若々しい雰囲気はまるっと消え、その代わりに遊郭のような独特の和風感が出ている。どこか明治〜昭和初期っぽい匂いだ。個人的にはトータルで一番きっちり纏まっているこのアルバムが最も好きだが、人によってはこれだけダメって人もいるかもしれない。そういう人は「三文ゴシップ」「日出処」など聴きやすい作品からどうぞ。 ※アルバムタイトルが変換できなかったので、お詫びにシングル「りんごのうた」に収録されていた3曲をレビューして締めます。 1,りんごのうた ★★★ (3:31) いつもより優しい歌声と、自身の名前のルーツを探る歌詞がどことなく番外編的。こんな私的なナンバーを採用したみんなのうたって… 2,La Salle De Bain ★★★★★ (4:07) 2ndアルバムに収録された「浴室」のアレンジ違い。あちらが打ち込み主体の楽曲だったのに対し、こちらはオーケストラで凄まじく。フランス語のタイトルからわかる様にフランス語の曲でサビのフレーズもフランス語なのだが、大半の歌詞が「英語じゃね?」と突っ込まれました。歌詞カードを見たら… 3,リンゴカタログ〜黒子時代再編集〜 ★★★★★ (4:48) これ一枚で彼女のキャリアがわかります。数十曲のフレーズやらサウンドやらを繋げて一曲にする手腕は恐るべし。まさに神の領域。 総評、★★★★☆ このシングルはソロ活動の区切りとなる一枚で、ある意味1st〜3rdの総括である。それにしては新曲が私的すぎるだとか、過去曲の再編集で稼ぐのはいかがなものかと意見が来そうだが、私的には、林檎氏についてより深く掘り下げられる名盤だと思いました。でも、あの葬列は明るすぎたかな w 乙 変換で出てこないタイトルは検索してコピペするといいよ 加爾基 精液 栗ノ花 WE DO/いきものがかり 1.WE DO ★★ 水野によるアッパーな曲。久々に本人とおぼしきギターも聞ける。名越っぽくないギターが水野だとすると、冒頭サビと アウトロで一部聞こえる素朴な音色が水野だろう。いつもエレキ・アコギともメンバー以外のサポートギターが入るので中々見かけない。 正直水野レコーディングでほとんど弾いてないかも。自分が彼らを知ったときはすでに今の体制だったので、いつからなのか調べたら1stからだった。 売れて結構経って水野がギターマガジンに初登場した時も、収録曲のどの部分が自分の演奏なのかは明らかにしなかった記憶がある。 詞には非常に前向きなメッセージが込められているが曲は保守的。今作の中ではAメロ・Bメロと丁寧に書き分けられている曲か。コード進行もいつになくロック。 サビへの橋渡し的なBメロの延長が上手く機能している。それでも平凡な曲で、いつものようにアレンジに助けられてる感は強い。 2.SING! ★★ 水野によるミドルテンポ。なんか昔聞いた時よりは作曲が上手くなってる気がする。歌メロのリズムの間延び感が薄くなった。 それでもBメロ後半の引き延ばし感は悪癖か。そこからサビへの繋ぎ方をアレンジャーと奏者に丸投げな訳だしなあ。 亀田のベースがめちゃめちゃいい仕事ぶり。昔の作品に比べて、サポートが遠慮なく曲を侵食してきてる印象。そしてそれで正解。 浅く広くポジティブな言葉を散りばめて深く掘り下げない歌詞は、もはやいきものがかり節といっていい個性。何が「大丈夫だから」やねん。 臆病な自尊心というか、周りに悪く思われないために言葉を選びすぎて無難で響かない詞になってる感じ。 吉岡の低音が細いのも気がかり。専任なんだからもっと上達してもいいんでは。高音はともかく低音は歳とっても出るし。 3.スピカ〜あなたがいるということ〜 ★★ 山下によるミドルテンポ。いかにもギター弾き語りで作ったっぽい歌メロのリズムで、16分の裏拍にあたる音符をやたら伸ばす。 変なスペースが空きがちだが、アレンジが全体的にメロに合わせ過ぎない感じで距離を取っているのが功を奏している。 前曲に負けじと森田のベースが大活躍。出だしがBメロっぽいフレーズのサビと、サビっぽい出だしのBメロの組み合わせが面白い意欲作。 4.STAR LIGHT JOURNEY ★★★ 水野による懐かしの湘南ポップスっぽい曲。というかアレンジの思い切りの良さで色付けされてるだけで、元の曲は他と大差ない。 水野はもう何年も同じような曲ばかり書いているし、未だに自分で編曲しないので完成型のイメージも毎回してないように思える。 言ってしまえばアレンジャーがサザンに寄せた曲。アレンジする側が何か考えないと収録曲全部同じ感じになっちゃうし苦労が絶えない。 山木の重量感あるスネアと綺麗なシンバルの鳴りが印象的。吉岡低音頑張れ。 5.アイデンティティ ★★ 全く水野っぽくないタイトルが面白い水野曲。あるの?ほどほどの自虐と問題提起、当たり障りのないポジティブメッセージで埋められた詞が特徴的。 作曲もそうなんだが、作詞が輪をかけて使い捨て感があるというか、後世に残らないし残す気もない感出てる。商品と割り切っているというか。 夢とか明日とかすげえ言うけど作曲に関しては幅全然広がらないし、とっくに興味ない感じがする。商人に特化してることは確かにアイデンティティかも。 サビのわたしはぁーって間延びがイラつくが、サビっぽい派手なメロをDメロまで溜めた構成と、どこかに続いていくような終わり方は良い。 サビのベースは思い切って音数減らしてすっきりさせている。アレンジはいいから★いっぱい付けたくなるが、原曲がなあ…。 6.あなたは ★ 吉岡の詞曲による、短編を無理に3分間引き延ばしたような曲。実質Aメロのみを繰り返す。ギターの音は聞こえない。ソロ準備曲か。 7.太陽 ★★★ いきものがかり作詞作曲とクレジットされている珍しい曲。3拍子の牧歌的なアレンジで、メンバー総出っぽいコーラスもいい感じ。 彼らの曲は元々リズム的な歌メロの音符の置き方が3拍子に向いてるし、締まるとこが締まって長すぎた部分が丁度いい長さになってコンパクトにまとまった。 メロは安直だけどそれが可愛らしい感じでフィットしてる。誰かが作った4拍子の曲に対して別の誰かが3拍子アレンジを提案して共作になったんだろうか。 日記をあえてダイアリーと言う詞も歌謡曲感があって彼ららしい。久々にサポートなしでそのまま路上で披露する姿もイメージできる曲。 8.きみへの愛を言葉にするんだ ★★ 水野の詞曲によるアッパーな曲。リズムに勢いをつけるためにシンコペーションを多用したサビメロは地味で後半盛り下がり感あるが、アレンジは有能。 派手なホーンセクションで入った後の静かなAメロ、隙間を埋めながら盛り上げるギター、Bメロのスケール感あるベースと盛り沢山。 みんなでユニゾンするリフなんかも多分アレンジャーと奏者のアイデアだろう。こういう曲では出来ればギターくらいは水野の演奏であって欲しいがどうだろう。 吉岡の「それわあー きっとおー」みたいに母音を一音勝手に増やす感じの歌い方がリズミカルさの足かせになってる印象。昔より歯切れが悪くなった感はある。 9.しゃりらりあ ★★★★ 水野の詞曲による歌謡ファンク。といっても曲自体はいつもと変わり映えしないので、水野がそうアレンジしたいと言ったのかは謎。 イメージ的には水野はギター弾き語りで作った曲を編曲者に丸投げしてるんじゃなかろうか。作曲の幅が狭いのにアレンジの幅だけ妙に広すぎる。 原曲が作り込んでいるというよりはサッパリしていて、同音連打を嫌ったいつもの蛇足的な寄り道メロディがない分アレンジに変化を持たせ易かったのでは。 じょいふるや気まぐれロマンティックのようなパターンで、原曲がシンプルなおかげでアレンジする側の裁量が存分に発揮された良曲という印象。 ワウギターにクラビネット、ファンキーなドラムとベースが絡み合いながら、ダサかっこいいキメで一致団結するさまが痛快。沖山のベース久々に聴いた。 後奏の無理矢理な展開も高揚感がある。吉岡の歌い方がややネットリしてるのが難点か。もっと吐き出すように発声したほうが曲に切れ味出たかも。 10.try again ★ 曲順で割を食った感のある山下曲。この曲だけが特別レベルが低いわけじゃなく、アレンジ前はだいたいどれもこんな感じといった作曲なのだが、 あまりにも保守的で意外性のない曲に対して王道アレンジが施された結果、うんざりするほど聴いたいきものがかりの捨て曲そのものになった印象。 必要悪というか、メリハリとしてこういう犠牲は必要なのかもしれない。逆にこれでいい人ならいきものがかりの曲は全部いいのかも。 11.さよなら青春 ★★★★ 非常にシンプルな構成の、水野によるバラード。今作で最も意欲的な曲か。古き良きフォークソングの例にならってか、同じメロをひたすら繰り返す。 不変のメロディが曲の芯を貫く一方、それを彩るアレンジは次々に表情を変え、変わらない気持ちを抱える自分と変わりゆく環境の変化の対比を思わせる。 なんちゃって懐メロで適当にお茶を濁してきた印象の強い彼らだが、この曲は世代の架け橋的な音楽的意義を感じうる出来だと思う。 歌メロを絞る決断をはっきり見せた作曲は成長といえるのでは。安達のベースが曲を情感豊かに歌い上げている印象。アウトロのなごり雪感も面白い。 12.口笛にかわるまで ★★★★ 吉岡の詞曲によるバラード。個人的には水野より吉岡の曲づくりのほうが共感できる。ざっくり作曲した後、水野より時間をかけて推敲してる感じがする。 サビが中だるみしないようにきっちりメロを作りこんでいて、他曲に比べてシンプルなアレンジで成立しうる歌謡曲になっている。 詞もこういうラブソングが個人的には彼らに一番しっくり来る。決意や変化を声高に歌うのは白々しい。 M7同様、サポートなしでもパフォーマンスできそうな貴重な曲。1stの延長上にあるはずだったいきものがかりって感じがする。 13.季節 ★★★ 山下の手による曲。まさかの3連バラード。ちょっと前曲とイメージ被り気味で、サビメロ後半の間延びも気になるが丁寧な出来。 季節と題しているが実際には春がメインで、桜も登場するが別の曲のイメージもあってこの題に落ちついた感じ。 「気づいたら何故か伝う涙は 喜びにも悲しみにも優しさにも似てるような気がしたんだ」この思わせぶりな全部盛り感こそがいきものがかり。 Aメロから亀田のベースの主張が強くていい感じ。最後にキー上げ転調を持ってきた高揚感あるアレンジで大団円。 総評 ★★ ボーカル吉岡とエレキギターの水野、アコギの山下からなるいきものがかりの2019年作品。前作から5年空いたらしい。 メロディは鈍重で地味。長々していてキャッチーさがなく、展開もベタで先が読みやすい。オチの予測がつく長話といった印象。 全体的に歌メロの間延びが多く、Bメロからサビを引き出すのが下手。ちょっと外れた音を選んでみる勇気もないし、そもそも選択肢として持ってないのかも。 こればっかり聴いてる間は相対的に良曲が生まれるんだが、他の人の作品挟んで戻ってくると「ちょっとギター触ったら誰でも書ける曲」と思ってしまう。 トレンドに全く飛びつかないのでご年配の方も安心して聴けるが、大抵の聴き手はそれぞれ他の音楽からも影響を受けて成長するので、 こういう作曲がずっと好きな人は限られてくると思う。流行に無関心な一方で洋楽の古典からの影響も感じず、アンチビートルズと言っていい作曲ぶり。 島田、亀田、本間などの一流編曲者に支えられて成立している感は否めない。参加ミュージシャンも各曲で名前を出した以外にも小倉、西川、江口など超豪華。 アレンジャー、スタジオミュージシャン酷使の代表格。要介護状態。また一方で、スタジオマンがいくら名演を披露しても、いきものがかり聴く層の需要は そういうところじゃなさそうなので無駄遣い感がある。そもそも自分で編曲しようと思わない限り、作曲の穴も直りようがないんじゃないかと思う。 全部自分で作るボカロP出身者が躍進しているが、ちょうどその勢力に出来る作曲が苦手なので、彼らにチャンスを与えた戦犯的な立ち位置に思える。 詞は前向きで健全。けなし合うより認め合おうみたいな内容が多いが、自分達への批判を封じる意図にも思える。違うかもしれない。知らない。 総じてネタ切れの向こう側といった趣の作品。いい曲もあるが、一聴目の印象から良かった曲は少ない。よく聴けば良い所もあるよってレベル。 何とか褒めるために聴き込んだ面は正直ある。才能溢れる若手から見ればいわゆる老害かもしれない。違うかもしれない。わからない。 自作曲のアレンジに悩んでいる人にとっては手本の山となる有意義な作品。自分たちにしか作れない音楽を!みたいなミュージシャンが好きな人には不向き。 >>343 乙。活動再開したとは聞いていたけど、曲の評判は知らなかったからこういう意見は貴重(そもそも1stのベスト以降知らないんですけどね) 椎名林檎/無罪モラトリアム 1,正しい街 ★★★ (3:52) シリアスな歌詞と後悔に咽ぶように荒れたボーカル、ギターサウンドがマッチしている。なんかあいみょんが歌っててもおかしくなさそう。 2,歌舞伎町の女王 ★★★☆ (2:53) 全部フィクションで綴られたご当地ソング。やさぐれた少女の様な声とその雰囲気を絶妙に補完する下町情緒に溢れたアコギサウンド、質素なドラムがいい。この曲で歌舞伎町に風評被害が出てませんように。 3,丸の内サディスティク ★★☆ (3:55) イントロのカウントに盛大にムカついてから、妙にノスタルジックを感じるピアノとドラムのおしゃれなアンサンブルを堪能。語感と遊びでつけたような歌詞は前曲よりはストーリー性が無いものの、やはり街のイメージにケチがつかないか心配。歌舞伎町かこちらかどちらが好きかでよく意見が分かれる印象。 4,幸福論(悦楽編) ★☆(原曲は★★★★) (2:59) アルバムのカラーに合わせるために敢えてグレた音にしたことが見え見えの曲。天使の羽が見えたMVの優しい雰囲気は根こそぎ抜かれて、拡声器と荒れたギター、シャウトで全部のベクトルが無垢な少女とは別の方に飛んで行っちゃった。サビの早口は好きじゃないですね。 5,茜さす 帰路照らされど…★★★☆ (4:07) 静かなメロから一気に盛り上がるサビで夕暮れの景色を引っ張ってくるのは流石。煌々と眩しく赤い夕陽に向かって声を張り上げる林檎氏の背中が浮かぶよう。 6,シドと白昼夢 ★★★★ (4:03) このアルバムを中古で買った当時アルバム曲は、 これと茜さすと同じ夜しか聞けなかった。(ゆえに幸福論のAlbum verは殊更に憎かった)タイトルを回収するフワフワしたAメロの雰囲気は唯一無二とも言える気持ちよさで、ガラスの割れる音がメンヘラっぽいのもいい感じ。サビのバンドサウンドは一転して白昼夢の外に放り出された生々しさ。 7,積木遊び ★★☆ (3:23) 傍若さが不純な演奏の不気味さが耳に響く。間奏のトランペットとかまさにその極み。 8,ここでキスして。★★★☆ (4:19) 冒頭のアカペラの堂々とした歌唱は、弱冠な少女とは思えないくらい堂々としていてカッコいい。王道の切なさを提示するバンドサウンドも、荒々しさは少なく、林檎氏の声を際立たせる耽美な雰囲気と間がある。このアルバムでは最近聞き直して印象が良くなった曲。 9,同じ夜 ★★★★ (3:37) 演奏が弦楽器主体でメロウだから聴きやすい。演奏が全体的に荒れ気味やさぐれ気味の今作では、数少ない子守唄の様に優しい歌唱も聴ける。当時はこっちの方が好きだったけど今はシドの方がいいかも。 10,警告 ★★☆ (4:05) この枠は「リモートコントローラー」でよかったんじゃないかな?同じ夜から打って変わって痛みを感じるくらいに棘のある林檎氏の声と、歪んでいるかの様にすら聴こえる演奏が辛い。ラスサビ前に吐息が聴こえるくらい演奏が静かになるが、そこから動であるサビに持ち込む展開は良い。 11,モルヒネ ★★★☆ (3:41) びっくりするくらい印象に無かったけど、Aメロの優しいアコギとポコポコいうパーカッションが穏やかで家庭的にすら感じるのはこのアルバムにそれほど家出の時のような独特の心の痛みがあったということで。 総評、★★★☆ 椎名林檎の1stアルバム。とんでもなく売れたらしいが、林檎氏の歌唱がやさぐれた少女のように切れ味を持ち、なおかつ歌詞が近寄り難い印象で、演奏がそれに寄ってかなりハードだったこともあり、個人的には受け付け難かった。部分部分で林檎氏のボーカルとしての技量や演奏の面白さ、歌唱と演奏を合わせた時のハマり具合を感じたことで再評価していってこの採点になった。少しずつ聞き手がサウンドに歩み寄ろうとすると思いの外好きになれる場所があるかも。 個人的な 初期の作品の評価としては3rd>2nd>1stであり、作品を出すごとに面白いアルバムになっていくと実感している。 椎名林檎/勝訴ストリップ 1,虚言症 ★★★★ (5:25) 声が前作に比べて聴きやすくなった気がするのは気のせいではないと思う。如何にも嘘っぽくて見え透いた歌詞が優しく聴こえてきたらいよいよ末期かな。 2,浴室 ★★★☆ (4:15) 打ち込みとバックコーラス、プログラミングでマニアックな一曲。ストーリーテラーのように他人事の様に歌う林檎氏は、どんな顔をしているのだか。 3,弁解ドビュッシー ★★★☆ (3:16) 歌詞がなんか小憎たらしくなっただけで、幸福論(悦楽編)で感じた様な不快感が薄れている気がする。アングラ感がぷんぷんする拡声器越しの声がこの世界観に良く似合うわ。 4,ギブス ★★ (5:38) 前作でいう同じ夜とここでキスして。の中間に位置するような気がする。演奏の静と動の境目が読み易く、また歌い方も上手く波に乗っているが、何故かこの曲は好きじゃない。歌詞を変えてみる?インストにしてみる? 5,闇に降る雨 ★★★★★ (5:03) 弦楽器と打ち込みを使って聴かせるイントロは良いと思う。アンニュイな気分にさせるダウナーな林檎氏の声もハマってら。1st〜3rdの「曲」単位で言えばこれが一番好きまであるかも。 6,アイデンティティ ★★★ (3:05) この手のやさぐれた曲は定期的に出ているイメージがある。昔なら尾崎豊の「15の夜」現代ではAdoの「うっせえわ」ちょっと前なら…あ、これだとレビューじゃないや。ヤメだ。ヤメ。 7,罪と罰 ★ (5:32) イントロの巻き舌と演歌調の歌声から叩きつける雨の様なドラムに閉口。歌詞も歌詞で非常に生々しく、悪い意味で「女」らしさを感じてしまう始末。ただの選り好みで評価をするのが良いのか悪いのか別にして主観を吐くとこの感じ。 8,ストイシズム ★★ (1:46) プログラミング、打ち込みの見せ場。ボーカルがコーラスとして楽器になっているのは悪くないが物凄く耳に響く声が一瞬ノイズの様に響いて減点。 9,月に負け犬 ★★★ (4:14) 何というか久しぶりに落ち着いて聴ける曲。ギターが生々しく蠢く曲で、歌詞も決して明るくないので、「こういうのがお好き?」と聞かれたら返答に困っちゃう。 10,サカナ ★★ (3:43) イントロはキーボードが好き。コーラスが嫌い。ベースが唸るメロはムードがいいんだけど、サカナって歌詞が良く似合う生臭さを感じるなおい。林檎氏の囁き声は地声とかなりギャップがありますな。 11,病床パブリック ★★★☆ (3:16) 一曲単位だと評価の芳しくない曲も、トータルとして見ると評価が高いのは、一転して生々しさを湛えて妙に真に迫る歌い方にあるな。そう思わせる曲。例によってアウトロが苦々しく尾を引く。 12,本能 ★★☆ (4:13) ついさっき言ったことをここで実感したよ。仮に自分がガラスならこのサウンドでビリビリ来ちゃうよ。歌詞は深い事を言ってそうで案外そうでもないのかも。 13,依存症 ★★★★★ この曲がなければこのアルバムは締まらない。 そう言えるくらいに闇を払えるナンバー。メロの鬱屈とした宵の青い雰囲気からサビの日の出の様な眩しさを魅せられるのが嬉しい。暗い気持ちが清算されて清々しい後味がある。約3分間に渡るアウトロの演奏は、朝日をバックに歩き出せそうな感じでエンドロールを流し込んだりしても良いと思う。6:23からの展開は必聴。 総評、★★★★ (55:55) 椎名林檎の2ndアルバム。散々な言いようの曲もあったが、それら含めてこのアルバムの形を担っており、決して捨て曲があるとは言えない。一貫して「女」らしさを感じる歌詞は葛藤やら欲望やら卑下などで汚れているようにも見えるが、逆にそこまでさらけだして詩を書いていると発想を転換すると、いっそ物凄く素直なアルバムだ。故に1stよりも馴染みやすい。3rdの飾り立てた雰囲気とは毛色が全く異なるので、3rdから入った人は留意するように。 斉藤和義 / 55 STONES 1. BIHIND THE MASK ★★★☆ いきなりYMOのカバーで始まる。 打ち込みのドラムにハードなエレキ、ボコーダー。 エレキギターはともかく、打ち込みのドラムといいそもそもYMOといい 斉藤のパブリックイメージからは離れている。 そういう狙いなのかどうかしらないけど。 意外に再現度は高いので★半分おまけ。 2. Boy ★★★★★ 打って変わってバンドサウンド。 爽やかな疾走感のある曲で、 「ドレミファソラシド」をそのまま使ったメロディといい いい意味で勢い任せな感覚を感じる。 後半の緩急の付け方には勢いだけじゃなく経験値も。 あとボーカルも、こういうののほうが歌いやすそう。 3. Strange man ★★★☆ また打ち込みに戻る。 低音のシンセがカーティスメイフィールドみたいなダークさ。 ギターソロ前にブレイクを入れるあたりなど、斉藤の打ち込みも余裕が出てきた。 なんかボーカルの音がこもっている気がする。 今作は宅録とスタジオ録音が混ざっているらしいが、この曲はたぶん自宅だろう。 4. 純風 ★★★ 歪みすぎないギターの音色が明るい60年代ソウル的な曲。 リズムの頭がどこだか分からなくなるやつをかましてくる。こういうの好き。 とはいえあまり語ることもない曲。 5. Lucky Cat Blues ★★★ タイトルからしてブルースかと思ったら、 機械的なビートに執拗なベースがテクノポップっぽい。 そしてまたボコーダー登場。何言ってるのかさっぱり分からない。 テクノ+ブルースでありながら、意外と展開は凝っている。 点数が低いのはやりすぎ感があるからです。 6. 魔法のオルゴール ★★★★★ このアルバムとしては珍しいバラード。そしてイチオシ。 ドラムマシン(おそらく808)のビートなのだが、いい具合に隙間を作ってあり、 それに合わせてアコギも強弱をつけてある。 歌うベースラインや奥で鳴ってるシンセも良い味付け。 じわじわと盛り上がっていくアレンジの妙はさすがベテラン。 7. シグナル ★★★★ ストリングスのフレーズが耳に残るシティポップ調の曲。 そういえばこういうのもできたんだった。 Boy同様生バンド編成のアレンジで、 特にギター(真壁?)がムードある演奏をしている。 豊富なキーボード類も聞き所。 8. レインダンス ★★☆ Just The Two Of Us進行(丸の内サディスティック進行)だと思う。 この人としては珍しい。 たぶん宅録で、アコギ、エレキ、ソロエレキとギターが揃い踏み。 さすがの上手さだが、それ以外あまり引っかかるところがない… 9. 木枯らし一号 ★★★★ エコーの効いたエレキと 抑制的なドラムマシン(808系)がいいムードを出しているバラード。 間奏だけクラップが入るあたりなど、打ち込みのテクの上達を感じる。 だけど一番の聞きどころはボーカルだろう。 10. 一緒なふたり ★★★★ 珍しくアコギが目立つサウンド。 シャッフルのリズムに乗ってけだるげに歌う斉藤からは余裕が感じられる。 短くスパッと終わるのも好印象。 11. 2020 DIARY ★★★★ ボブディランとニールヤングを足して2で割ったような印象の スローなロック。 1970年代初頭のスワンプロックを参照していると思われる。 そういうの好きだけど、いかんせんこのアルバムでは浮いてる気がする。 しかも8分もある。 否応なく「アルバムの核」みたいなポジションにならざるを得ないが、 他の曲の打ち込み的な雰囲気と違うので、 アルバム全体として見たときにこの曲を入れるのが正解かどうか… 12. ぐるぐる ★★★☆ 生の手拍子と陽気なアコギで始まるシャッフルナンバー。 「ドゥルドゥルドゥー」みたいなコーラスが妙に耳に残る。 アルバムのラストとしていい仕事をしているいぶし銀な曲。 総評. ★★★★ 「Boy」を筆頭に楽曲は粒ぞろい。 何度か触れたが打ち込みの使い方が向上し、 緩急のついたアレンジが可能になった。 問題は「2020 DIARY」がなんか浮いているように思うことと、 「Strange man」「Lucky Cat Blues」「レインダンス」あたりの打ち込み+エレキな曲は もうちょっと減らしてくれても良かったかなというあたり。 光るところもあるんだけれど、大傑作にはなっていないアルバムと思った。 >>353 乙 聴いてみたけどいいアルバムだった 2020 DIARYは停滞感があるっていうか、もっと前に進む力が欲しいなって感じがしたな >>354 きっかけになったなら良かった 2020〜はやりたいことは分かる気がするんだけどね 相対性理論/シンクロニシティーン 1,シンデレラ ★★★★ ボーカルの発声がウィスパーでも安定してきた印象。特に低音部分。ヒーリングミュージックとメロウなポップスを混ぜたような落ち着く演奏の裏では水面の白鳥のようにドラムがバタバタも動き回る。語感を意識した歌詞は健在。 2,ミス・パラレルワールド ★★★★ どことなくチープにも聞こえるシンプルな演奏が耳に残る。平易な歌詞は覚えやすく、特にサビはキャッチーの極み。 3,人工衛星 ★★★☆ 疾走感のある演奏が癖になるが、どこか涼しい顔でやってそうなこの煮え切らない感じがもどかしい。 4,チャイナアドバイス★★★ 語感意識の歌詞としては今作でも群を抜いて上手い気がする。Bメロが無い気もするが、イントロのコーラスがAメロって考えるとあるんだよね。 5,(恋は)百年戦争 ★★★★★ メロウかつ柔らかいウィスパーボイスの魅力がうまく引き出せているミドルテンポ。どこか中華街っぽいギターフレーズも雰囲気作りに一役買ってる。 6,ペペロンチーノ・キャンディ★★★★☆ 群を抜いて躍動感のあるギターフレーズが目立つ間奏と、コミュ症のような独特な発声をするAメロの対比が面白い。Bメロはパッと聴きふざけているようにも感じるけど、ウィスパーボイスとの区別化としてこんな声も出せるんだぞっ♪って事ならそれはそれでいいか。 7,マイハートハードピンチ ★★★★ サビの「あいうえおっ」から始まる歌詞が耳に残るが、逆にそこ以外がシンプルに印象に残らないため、サビでキャッチーに掴むというこのバンドの特性がよく出た曲。 8,三千万年 ★★☆ こういうハイテンポ系ハネリズムかつウィスパーボイスは割と新しめの試みだろうか。でも、これは向井秀徳氏のような声で聴きたいかも。 9,気になるあの子 ★★☆ 二曲おんなじ感想で申し訳ないが、これこそアヒト・イナザワのドラムで聴きたいかなって思う。何となくナンバーガールが演りそうな曲で、歌詞なんかも向井秀徳氏が歌えば程よく変態性が出て面白いと思う。これじゃただの片想いの妄想だよ… 10,小学館 ★★★★★ うまく言葉には出来ないけど、宙に浮いて足の着かない感じのする演奏にこの声がハマる。歌詞も大概で、こんな時にそんな事気にするの!?とツッコミ高鳴る事請け合い。この路線が後の天声ジングルの世界観に繋がっているのかも。 11,ムーンライト銀河 ★★★★★ 椎名林檎でいうところの依存症のザラザラした部分の角を取って取って毒気を抜いたような曲。 メロウなギターフレーズを聴きながら空を見上げると綺麗な星空が浮かんでいそう。大きな山は無いが、平坦な分ヒーリングミュージックとして、入眠導入にもピッタリ。3:38から始まるアウトロの進行はトランスっぽい。 総評、★★★★☆ ウィスパーボイスが安定し、全曲一定以上のクオリティで聴ける相対性理論の3rdアルバム。前作の地獄先生や1stのLOVEずっきゅんを超えるインパクトの曲は無く、小粒揃いだがその分聴き疲れも無く、楽しみ切れる印象。ぜひ1st〜3rdまで聴いて、インパクト以外の面からもこのバンドを見てほしい。 B'z/THE CIRCLE 1,THE CIRCLE ★★★★ (1:57) 民族楽器に宗教歌的なアレンジが後にも先にも無い挑戦的なナンバー。音楽性で言うところのマンネリ打破という意味ではACTIONよりもアクション起こしている気がする。ソロっぽいとの意見もあるのだが… 2,X ★★★★ (3:55) 「一寸先はX」と慣用句的に謳われるB'z流の応援歌。1の流れを組んだハードで怪しい雰囲気に流されて青い血が滾る。景色が紅に染まる夕景の時間に聴くも良し、朝から奮い立たせる時も良し。週末よりはむしろ月曜日とかのほうがオススメ。 3,パルス ★★★★ (2:45) このアルバムの統一された張り詰めた空気感を象徴する超アッパーな曲。歌詞も生き死にを分ける状況下にあるし。AメロのBPMが明らかに全楽曲最速だと思う。サビは半分の170だとして。 4,愛のバクダン ★★★★ (4:24) ライブなどではハッピーな雰囲気を全面に押し出して歌われるのだが、冷静に考えると曲調含めて到底本来ならそんなナンバーではないんだよね。歌詞も願望吐露系のともすれば暗いものだし、調も「ARIGATO」の転調前や「雨だれぶるーす」と同じだし。疾走感で全部やり切った感じ。 5,Fly The Flag ★★★★ (3:45) B'zが後にハードロックユニットと呼ばれるようになるまではそうは思わなかったが、現代的なB'zのお手本のような曲。ちょっと頼りない雰囲気と、静かに燃える闘志を上手く表現できている。イメージとしてはNEW LOVEの3曲目くらいにありそう。 6,アクアブルー ★★★★ (3:20) MR.ARMOURのようなハッタリ的シリアス。アクアブルーの意味は現代の子じゃわからないかも。なんていうか、ポケベルやテレフォンカードが時代を映す歌詞になったように。歌詞はあくまでも肩の力を抜いて。 7,睡蓮 ★★★★★ (4:11) Aメロがなぜかいちばん心に刺さり、Bメロやサビで曲の世界観を補完して完成していると個人的には思う。曲調こそ違うが米津玄師の「メランコリーキッチン」もこの系譜。じわじわ染み入る今作のバラード枠。 8,Sanctuary ★★★★★ (3:43) お手本のような清々しいハードロック。今作の中では平易な歌詞だが、わかりやすくなったらなったで諦念した厨二病みたいで空虚だなぁ。それでも構成がガッチリ組まれていて、静と動が分かりやすいから安心して聴ける。プログレの対極。 9,Fever ★★ (4:17) じつはイントロの心臓の音のようなドラムの音から実はそこまで好きでは無い。ザ・マイスターのような雰囲気をやるには、やけに伝わりづらい歌詞や、閉塞的で疾走感に欠けるハードロックのニガイ部分が見え見えでキツい。 10,白い火花 ★★★★ (3:58) 8にあった空虚な雰囲気は払拭され、より生々しくなった。生音にこだわって演奏するすべき詩の世界観を立派に体現している。多分9よりこっちのがウケると思う。特に最近のリスナーには。 11,イカロス ★★★ (3:32) タイトルの付け方や緩急の付け方が明らかに異質で、多分LIVEなどでも今やりづらいタイプの曲。Aメロ→サビでテンポが2倍になるが、割と無理やり感が強い。シャウトとギターソロの入りは良いが、詩もかなり直接的で応援歌としても他のと比べると明らかに浮いた個性がある。 12,BLACK AND WHITE ★★★ (4:24) 単純にグロテスク。演奏のハードさと閉塞感がこれまでの比ではなく、8の空虚で厨二病的な諦念がまだ温く感じるくらいには歌詞もエグい。アルバムの中で極端に独特な曲や求心力の強い曲は、LIVEのセトリから外される印象にある(ROOTSとかケムリの世界とかThe spiralとか)が、これもその系譜。テクニカルなギターソロやラストの稲葉の1オクターブ推移するシャウトが面白いが、それもこの世界観で演られると天才科学者が自分だけ面白がってやっているような独特の着いていけなさがある。 13,Birghter Day ★★★ (3:57) ミスチルの「深海」という曲よろしく、ここで終わりではなく、更に深く沈んでいくような雰囲気がたまらなく荘厳。ただその分どちらにも言える事だがその続きが欲しかった。DISC2みたいな? 総評、★★★★ B'zの14thアルバム。民族楽器を使ったり、今に通じる独特の歌い方だったり、応援歌だったりが最新アルバムのルーツとなっていそうな雰囲気。 ハードロックの酸いも甘いも感じられるのはある意味プラスかも。 過疎ってて寂しいのでちょいとレビュー。 RADWIMPS/絶体絶命 1,DADA(dadadada Ver.)★★★★★ 歌い出しから〆まで3分49秒間全く隙のないハードロックナンバー。いや、カッコ良すぎる。独自の人生観及び死生観がふんだんに描かれた歌詞はAメロからCメロまでとにかく心に引っかかるものが多い。特にしんみりするCメロの囁くような穏やかな歌唱はそれまでのトゲトゲした雰囲気を払拭し、穏やかかつ的確に心に釘を刺してくれる。 2,透明人間18号 ★★★☆ 爽快感がある演奏もそうだが、野田さんの少年のような澄んだ声がその雰囲気をバッチリ掴んでいてより気持ちいい。サビらしいサビは無いが、その分タメのようにくるBメロ、Cメロの印象が強い。 3,君と羊と青 ★★★★ 一時期はこれが代表曲になりかけたというパンクナンバー。勢いだけで突っ切る力強く実直な演奏と背伸びしてあえてストレートに表現しない歌詞がかえって若々しさを助長しており、本当に聴きやすい。×○で会心の一撃が出てきてからは少し薄れたものの、この勢いあるナンバーは初期に近く今ではレア。 4,だいだらぼっち ★★★☆ ひとりぼっちは寂しいけれど、みんなひとりぼっちなら、寂しくなんかない。ひとりぼっちなんかじゃないから。と優しく語りかけてくれるだけでもう満足。6分間あるので濃い1〜3の演奏に疲れた頃に聞けるのが嬉しい。 5,学芸会 ★★★★☆ 今作の中では最も個人的な雰囲気を醸す歌詞に苦笑する人もいれば共感する人もいるのだろう。まぁ確かに誰もが主役になれるわけじゃ無いけども 6,狭心症 ★★★★★☆ 一歩一歩踏み締めるようなギターのフレーズがやけに神妙な一曲。歌詞は平易で、読みモノとしても良い部類だが、野田さんの歌唱の感情の込め方によってその内容がより心に届くように加工されているイメージ。個人的にはこのバンドの最高傑作候補。 7,グラウンドゼロ ★★★★ 本当は前曲との間に1分ほどのブランクが欲しい所だが、なんというかイントロの夜空のようなロマンチックなシンセの音でうまく引っ張ってくれているので良し。アルバムのクライマックスのような雰囲気があるが、実はこの次の曲が中間点。 8,π ★★★★ 跳ねたピアノとドラムのセッションが気持ちいいですな。ギターも楽しそうに勢いに乗っかっていますよ。3分ほどであっさり終わっていく。 (この説明でインストって勘違いする人いるかな) 一応歌詞はある。 9,G行為 ★☆ セカオワでいうRe:setのような曲で頭から〆まで訳がわかりません。歌い方も好きじゃないし、平坦に同じフレーズを繰り返すギターに対して何とかドラムが頑張って表情を変えようとしているのが健気。頑張って。 10,DUGOUT ★★★ イントロに殴り飛ばされた様な勢いを感じながら音圧の低いボーカルを聴く。というよりドラムの音圧がデカイのな。確かに置き去りにされている気がするよ。あ、いい歌詞だな。 11,ものもらい ★★★☆ 4から疲れっぱなし(8も休憩か)だったので、こういうメロウなナンバーが箸休めのようにくるだけで嬉しい。ここ以外なら1曲目に入れるのがいいかな。今作のタイトル的に。 12,携帯電話(Cat.Ver)★★★★☆ クリスマスの時期に聴きたくなる切ないナンバー。ベンチに座りながら暖かいコーヒーを飲んで。あの頃のように誰かに何かを渡すことは無くても、あの日遠く離れた友達を想って雪のない道を歩きたくなる。間奏のヴァイオリンが秀逸。 13,億万笑者 ★★★☆ 反骨精神のような静かな闘志を感じる強いナンバー。バンドサウンドで演る意義が見出させる挑戦的な歌詞と芯のある歌声が素敵。 14,救世主 ★★★★☆ ギターをかき鳴らす「ジャーン」というサウンドと太鼓のように「響く」ドラムの空間的な作りがヒーリングミュージック的。サビの変拍子と戯言のような歌詞でなお掴みづらい雰囲気を幻想的と見るか空虚と見るかで評価は分かれる。自分は好きなので高評価。 15,ツクツク法師 ☆☆☆☆☆ 突然始まって心臓に悪い!明らかに野田さんの声じゃ無いし、誰だよ!しかもこんな乱暴な歌い方なのに音程安定しているとかどうなってるの?あと、ひとり明らかにリズム走った歌唱したよな?割とバレるんぞ!1フレーズずつ歌う部分の4人目の声可愛いな。誰ぞ? 総評,★★★★☆ いや〜楽しかった。4thからどんどん最高点を突破していくように良いサウンド、キレ良く刺さる歌詞が聴けるRADWIMPSの6thアルバム。恐らくはこの時期がいちばん演奏に脂が乗っていたんじゃないかってくらい全曲退屈にならない。詩の世界観をうまく補完していて、詩を歌として完成させてくれる印象。アルバムタイトル「絶体絶命」 を「いとしきからだ、いとしきいのち(愛しき身体、愛しき命)」と解釈しただけはある。本当に心に届く一枚だ。あえていうなら9曲目はマニフェストで良かったと思う。PVとかホント秀逸だったし。 乙! 懐かしいなぁ昔よく聴いた もう10年経つんだね OZ/100s 1,OZ I ★★★★ 突然の嵐とか聞いてない。 意表を突いた開幕に初聴き時は驚いた。 2,A ★★★★★ からの陽気なロック。 ロックバンド系によくある序盤のアップテンポで盛り上がる曲は聴き慣れて安定し定番のワクワクするメロディだと思っていたのだが、ボーカルの声が特徴的で元々何かの加工が入ってるんじゃないかと思われるボーカルのサビの裏声はもう鳥肌モノ。 3,B.O.K ★★★★☆ この3曲の繋ぎにMr.Childrenの「深海」を意識した僕はコンセプトアルバムを理解している 人間なのだろうか。王道のロックサウンドも中村氏の歌詞を載せたらそれはもう独特な世界観。 4,バーストレイン ★★★★ 安定の一曲。 こういったスピッツみたいな曲が一曲あると一気にロックバンドっぽい。風を切るような爽快感に包まれている。 5,ここが果てなら ★★★★★ いきなりアルバムが終了の雰囲気になるものの決してまだ終わらない。 長い旅をしてきたかのような雰囲気は恐らくこのアルバムを完成させた時の中村氏の気持ちの様にも感じる。 このアルバムが出るまでに前作から長い年月が経っているからである。 6,なのもとに ★★★★★ どこかで聞いたことあるような懐かしさ感じるメロディはゆっくりした時間を 過ごす時に最適。安心を感じるからだ。 2曲目で鳥肌を立たせたボーカルは今回呟く様に歌っているためか裏声がとても心地良く聞こえる。 7,OZU★★★★★ この先の曲は比較的メッセージが重い物が多く、曲も暗い。だからこの曲がここにあるのは全く毛色の違う曲と曲を繋ぐトンネルのような役割だろう。セピアの色した心象風景の世界感と 民族楽器の音色が心地良いため★5つ。 8,(For)Anthem ★★★★ ピアノやストリングスが曲のシリアスさを煽って来る。ボーカルの声が聞こえづらいのだがこの サウンドのおかげで重い主張をしているのが良くわかる。アウトロの消えゆく様なシンセの音色も如何せん。 9,Sonata ★★★★ ロックサウンドにピアノを入れてさらに ボーカルの声質でかなりのシリアス。 終わりの無い迷いの中へと引き込まれる様な独特の緊張感が漂う。 歌詞が難解でよくわからないのも要因。 10,やさしいライオン ★★★★☆ この辺りで鬱っぽくなったサウンド。 静と動がハッキリしていて突如爆発するサウンドがまたたまらなく良い。感情を操るかの様な曲の進行が見事。 11,Leek Rag's Leek ★★★ 聴き慣れない楽器の音にボーカルの声の加工感(生声だけど)が何故かビートルズの様な気がする。ビートルズも確か様々な楽器を使って音楽を作り上げていた様な気がする。ただ好きかと言われたら僕には苦手なデザインの曲。 12,Santa's Helper ★★ 前の曲から気づかないうちに移動。 やはり聴き慣れないR&Bの様な雰囲気は僕は苦手な様でそれ程好きでは無い。特段曲が悪い訳ではない。 13,Honeycom.were ★★★★☆ 前の曲から気づかないうちに移動。 英語っぽく聞こえる歌詞は中村氏の手によって作られた日本語の空耳。お見事。 14,扉の向こうに ★★★★★☆ この曲単体だけで聴くと言葉に詰まるが僕はこの前に神聖かまってちゃんの曲「マイスリー全部ゆめ」を聴いていた為そのアウトロの雰囲気を持って開幕したこの曲は相当の名曲なのでは無いかと直感で感じたのだが大正解だった。 閉ざされた感情に一筋の光が差し込んでその光が徐々に大きく広がっていく様はまさに「マイスリー全部ゆめ」そのもの。ただ進む方角が違いあちらの着く結末が死で希望を棄てたのに対しこちらは生の方角へと進み希望を見つけたのが特徴的この曲は中村一義における「光芒」か。 15,OZV ★★★★★ ちょうどこんな感じで暗いトンネルの中から抜け出せた僕を祝福するような感動的なメロディ。そしてこの先には希望と取れる明るくて切ない楽曲がズラリと 並ぶ。 16,光は光 ★★★★★ 心にぴたりと寄り添う穢れの無さそうなメロディがかなりの好み。癒される曲でさながら回復魔法を受けている気分。 17,いきるもの ★★★★★ 鬱屈とした雰囲気を全て吹き飛ばす至高のサウンド。 笑う者、涙を流す者、悩む者、 別れを決める者、流れを決める者 弱さを知れる者、生きて見る者。 それらは全て自分だもの。と歌う歌詞は座右の銘にしたいと思える中村氏の名言。最後の拍手も素敵。 18,K-ing ★★★★ R&Bは自分には苦手な曲デザインだけどこの場合は鬱屈とした11〜12の印象が無くなってかなり聴きやすくなっている 19,またあした ★★★★★ このまま行こう と優しく語りかけるボーカルの声が凄く安心感をくれる。 まるで僕の肩を持って一緒にゴールまで走っていってくれるような。ラストのコーラスはまるで大声援の様に感じて思わず涙腺が緩む。 20,バハハイ ★★☆ たった四言お遊びで作ったであろう歌詞に生きる事に感謝して大切に生きよう。というメッセージが乗った曲。 21,ハルとフユ ★★★★☆ ハーモニカの出だしに思わずドキッとした曲。幻想的に優しく包みこむ歌い方は静かに僕を眠りに誘う。 1〜6(OZT)総評 ★★★★ アップテンポな曲からしっとりした曲 まで幅広い楽曲があるため聴いていて 飽きる事が無い。 中村氏の作詞センスもここが一番良い。 最も今作では聴きやすいエリア。 おススメ曲 2,4,6曲目 8〜14 (OZU)総評 ★★★★★ 重いメッセージを持つシリアスな曲が 多い為受け付けない人には多分無理かと 思われるがハマる人はここで大ハマり。 しかし14だけは聴いてみて欲しい。 全体的には先の見えないトンネルを進むイメージだった。 おススメ曲 14曲目、10,11曲目 15〜21(OZV)総評 ★★★★☆ 心が癒される曲が多く聴いていてすごく 元気をくれた楽曲たちの集まり。 個人的に14以外ではここの流れが好きで 落ち込んだ時には必ず聴きたいと思う。 おススメ曲 15,17,19曲目 総評 ★★★★★ 出会いはいつあるかわからない。何気ないその瞬間に、生涯のパートナーであろう相手にもう出会っているのかも知れない。そう感じたアルバム。 平沢進/サイエンスの幽霊 1,世界タービン ★★★★ 30年前、「世界タービンツアー」と称され、VHSでPVが作られたこの曲。常軌を逸した前衛的なカットと謎のお兄さんが入り混じる形容し難い世界観に度肝を抜かれる。(こちらは一応ニコニコで視聴可能)曲としても偏屈な科学者が無理に笑いを誘ったようなノイズ塗れの躁曲であり、非常に聴く人を選ぶ。 2,ロケット ★★★☆ 前曲とはことなり、アコギの躍動感が前面に出た軽快なナンバー。ストリングスで少し憂いを帯びさせて、夏の夕方のような独特の爽やかさを出している。 3,フィッシュ・ソング ★★★★ 原曲は「FISH SONG」と言い、1984年発売のカセット・ブック「SCUBA」のみで聴くことができた曲のリアレンジ。全体的にゆっくりで雄大なリズムに雄々しい歌声が乗り、シンセがその周りを楽しげに飛び回るある意味牧歌的な曲。 4,カウボーイとインディアン ★★★ BPMは308という歴代邦楽でも類を見ない速さである。ストリングスやラッパなどが暴れ回る様に合わせてボーカルは声を張り上げ、雰囲気を乗りこなそうとしている。「飛び散る血」なども含めてナチュラルにグロテスク。もっというと女声ボーカルの圧がグロテスク。 5,QUIT ★★★★★ アルバムの終焉を思わせる大団円のような雰囲気は夕暮れを想起させる。笛の音が鳴り響くメロはやけに物悲しく、遠く伸びて消えていくボーカルは遭難中の山奥のよう。時折聞こえるしゃがれ声の老人は、実は旧・軍人って言ったら、どなたか信じますかね?アウトロの笑い声の主は故人。 6,アモール・バッファー ★★★☆ 電車内で流さないように。咳のサンプリングで睨まれます。はい。警告終了。 7,夢みる機械 ★★★★★ 今作の核のような曲。テクノ的アプローチのサウンドと、世界を股にかける独特なポエム(取り扱い説明書的だが)が見事にマッチして、孤独感を高めてくる。未来人になって人の消えた地球を歩いているかのよう。 8,テクノの娘 ★★★★☆ ストリングス+テクノ+コーラス+語りでかなり前衛的な曲。サウンドトラックになりそうなのは、歌詞の世界観が物語的で、AIのような独特な人工知能の日常をテーマにしているから。アウトロがかなり後を引く。 9,FGG ★★★★ 雄大さ、特に自然の力強さが出ているビートが核の曲。歌詞も有機的なエッセンスが強く、化学の源である自然を元にしていて理にかなっている。 総評、★★★★ 平沢進のソロアルバム。その2作目。 「こんなヒラサワに誰がした」と言われるように より彼の曲の世界観が未来的、技術的な面に進んでいる。テクノ的で躁な曲と民族的で鬱な曲がバランスよくある中、夢みる機械がそのバランスをうまくとっているかのように思う。 6,アモール・バッファー ★★★☆ 電車内で流さないように。咳のサンプリングで睨まれます。はい。警告終了。 7,夢みる機械 ★★★★★ 今作の核のような曲。テクノ的アプローチのサウンドと、世界を股にかける独特なポエム(取り扱い説明書的だが)が見事にマッチして、孤独感を高めてくる。未来人になって人の消えた地球を歩いているかのよう。 8,テクノの娘 ★★★★☆ ストリングス+テクノ+コーラス+語りでかなり前衛的な曲。サウンドトラックになりそうなのは、歌詞の世界観が物語的で、AIのような独特な人工知能の日常をテーマにしているから。アウトロがかなり後を引く。 9,FGG ★★★★ 雄大さ、特に自然の力強さが出ているビートが核の曲。歌詞も有機的なエッセンスが強く、化学の源である自然を元にしていて理にかなっている。 総評、★★★★ 平沢進のソロアルバム。その2作目。 「こんなヒラサワに誰がした」と言われるように より彼の曲の世界観が未来的、技術的な面に進んでいる。テクノ的で躁な曲と民族的で鬱な曲がバランスよくある中、夢みる機械がそのバランスをうまくとっているかのように思う。 >>373 は連投ですね。申し訳ない。 ちなみに彼のアルバムでは、世界観のはっきりしているコレか救済の技法、Sim Cityが入門編とされているようです。 ミノタウロス「肖像」 ゾンビランドサガ 「フランシュシュ The Best」 お願いします >>376 承知した 相対性理論/天声ジングル(2016.4.27) 1,天地創造SOS ★★★★★ 相対性理論の王道であるスペーシーかつ電波の入ったような独特な歌詞とギターフレーズが心地よい。ドラムは一曲を通して似たようなフレーズを刻んでおり、それが一本筋を通してまたテクノっぽい。転調からの長いアウトロは疾走感抜群。 2,ケルベロス ★★★★ こういう世界観、神話や架空の生き物をベースにして曲を作るのもこのバンドの王道な印象。前の曲に対して雰囲気は緩く、バンドのサウンドも有機的。歌い方にも感情が入ってきている。 3,ウルトラソーダ ★★★★☆ LIVE盤「調べる相対性理論」で大化けした曲の元。歌詞と演奏は1に近くシリアスよりだが、ボーカルの声はどちらかというとブレスも入ってより生々しい。 4,わたしがわたし ★★★★ 日常にあるちょっとした違和感に取り込まれていくミイラ取りがミイラに。みたいな感じの曲。ボーカルの独特な輪郭を持つ歌声をうまく包みこむミドルテンポでのどかな演奏も箸休めに。 5,13番目の彼女 ★ 生理的に合わないっていうのもあるが、可愛らしい雰囲気のシンセサイザーとノリノリのギターに対して他の楽器(声含めて)が追いついていない印象。女の子女の子してくる歌詞もボーカルと合っていないし。サビの英語のリフレインがガチで辛い。総じて空騒ぎな一曲。 6,弁天様はスピリチュア ★★★★★ 急に持ち直したように思えたのは、ヒーリングミュージックのような起伏の少ないスローテンポなサウンドに語り口調のボーカルがよく合っているから。程よく閉鎖的で終末的な雰囲気がラストに爆発するのも面白い。LIVE盤に収録されていて、そちらの方でもまたかなり面白い演奏になっているのでぜひ。 7,夏至 ★★★★ 1番サビ後の哀愁、草の匂いを感じるギターソロに高評価。過ぎ去った青春を思い起こしながらもこれからの自分にアクションを起こそうと(妄想)する歌詞もイイ。 8,ベルリン天使 ★★★☆ 雰囲気モノも悪くない。以上 9,とあるAround ★★ 先ほど5で突っ込んだようにこちらもシンセサイザーとギターの空騒ぎ感が強い。歌い方は比較的大人しめなので、テンションの差がね…雰囲気としては5同様可愛い系。 10,おやすみ地球 ★★★★ アコギやハーモニカっぽい音がかえって新鮮なイントロ。歌詞も次の曲に向けてようやくその世界観を取り戻してきた感じ。サビ前の「パッ」だとか「ワッ」だとかで韻を踏む歌詞もアイデアか。 11,FLASHBACK ★★★★☆ 同じようなフレーズを繰り返しながら拡大していく様はまさにテクノで、これ以降突き進んでいくみらい的、技術的な雰囲気に合致している。これもLIVE盤に収録されているが、こちらはCD盤の本作の方が好きかも。 総評、★★★★★ 相対性理論の2021年現在における最新オリジナルアルバムのレビューでした。 雰囲気としては非現実的で、独特な感性により切り取られる日常がだんだんと何かに侵食されていく、というのが近い。特に4の歌詞の展開は少し転生、突然変異的なエッセンスが入っていて面白いながらに怖い。以降の作品や次のLIVE盤はこの世界観がより拡大されたものなので、ある意味では自己紹介ともとれる一枚かもしれない。 とりあえず落ち着いたら42〜3枚くらいレビューを書こうかなとおもいます。7〜8月にかけて書けるかな… くるり / 天才の愛 1.I Love You ★★★★☆ リード曲。そして個人的にはスルメ曲。このタイトルでこの曲調という所もThe くるりって感じ。 2.潮風のアリア ★★★★ 「グッドモーニング」「奇跡」系列の泣きのバラード。こういう曲ではくるりは外さないイメージ。 最後の最後で流れるファンファンのトランペットは本当に感慨深い。 3.野球 ★★☆ あのホームラン打った時に流れるパーパーパーパッパラッパラーってやつに歌詞を乗せて一曲作ってしまった珍曲。 なんか色んな人に絶賛されてたけど野球ファンでもない自分的にはそんなに… 4.益荒男さん ★★★ 風刺曲。これも先行で出た時はネタ曲に聞こえたけど前曲からの流れで聴くと相対的に普通に聴こえる。 5.ナイロン ★★★☆ うーん、これは…南米?ジャズ?ジャンルの区別に困る一曲。カルディとか行ったら流れてそうな曲。 なんだかんだこういう曲はくるりにはなかったと思うのでしれっと新境地なのでは。 6.大阪万博 ★★★ プログレ?っぽいインスト。 どう考えても万人受けする曲ではないけどシングルに切ってしまうあたりはやっぱりくるり。 7.watituti ★★☆ 続けてスキャット入りセッション風インスト。 上手く言えないけどなんかどっかのカフェとかヴィレッジヴァンガードとかで流れてそう。 8.less than love ★★★ オシャレ系インスト。雰囲気的にはwatitutiとあんまり変わらない。 流石にちゃんとボーカルのいるバンドが3曲連続でインストを入れるのはどうなんだという気もするが、その辺も「くるりだし」の一言で片付けられるんだろうな。 9.渚 ★★☆ ようやくボーカルが復活してラストにたたみかけ始める。 でも正直ここまでの曲の中では一番印象薄い。 10.コトコトことでん ★★★☆ 未発表曲のリメイク。ゲストボーカルとしてHomecomingsの畳野彩加が参加。 くるり十八番の電車ナンバーだけど、なんだかんだ一番このアルバムでポップな曲なのでは。 11.ぷしゅ ★★☆ 歌詞に唐突に英語入れてくる系のディスコナンバー(?)。 くるり自体そこまで聴いてないの分からんが、日本語を大切にするイメージが強かったのでこういう曲を出すのは意外だった。 総評 「ソングライン」以来2年ぶりのくるりの新譜。 自分の耳が浅いのか、くるり自身歳をとったからなのか、一曲一曲に強いインパクトは持たせずにトータルで聴かせてあっさりと通り過ぎていく印象がある。 「『thaw』の続編」なんて声もあったが、まさにそういう感じ。後期THE BOOMみたいに地味なところに味を見出すのが今作の正しい楽しみ方なんだろう。 それに「魂のゆくえ」からもう6作連続音楽性がとっ散らかったような作品が続いているので、そろそろ「アンテナ」「ワルツを踊れ」みたいなコンセプトを統一したアルバムももう一回聴きたいところ。 「ナイロン」「less than love」の雰囲気を発展させて全体的に南米・ジャズなアルバム作るとか、「コトコトことでん」を発展させていっそのこと誰かしらのアルバムをプロデュースするとかしても面白いかもしれない。 ソングラインやthawもお願いしたいです レビュー無いので くるり / thaw 1.心のなかの悪魔 ★★★★☆ 「魂のゆくえ」期のアウトテイク。 これぞくるりといった淡々と進む叙情感たっぷりな名曲。「ハイウェイ」「さよならリグレット」路線みたいな。 派手さはないけど、訴えかけてくるものがあって惹きつけられる。 2.鍋の中のつみれ ★★☆ 「魂のゆくえ」期のアウトテイク。 前曲と同じく、構成はごくシンプルな淡々とした曲。 タイトル通りつみれ目線で展開する歌詞は面白いけど、総合的に見れば前曲のほうが上だと思う。 3.ippo ★★★ 「坩堝の電圧」期のアウトテイク。 シングルひとつ残さずに辞めていった元メンバー・田中裕司のドラムがここで初蔵出し。 ただ、肝心の曲調がカントリー調だったので結局普通にドラムを叩いている様子は伺えなかった…曲自体は良かった。 4.チェリーパイ ★★★☆ 「TEAM ROCK」期のアウトテイク。 今作に入っているこの時期の没曲の中では一番まともな構成というか、唯一ちゃんとしたボーカルがある。 そうはいっても曲自体はだいぶ前衛的。全体的に漂う不穏な空気はどっちかというと「図鑑」期に近い。 5.evergreen ★★☆ 「坩堝の電圧」期のアウトテイク。この曲だけ新しくボーカルを録り直したそう。 若干吉田省念の作風に引っ張られたような和やかな一曲。ちょうどこの頃担当していたチオビタのCMソングとかに使われてても違和感ないと思う。 最後に向かってだんだん演奏が忙しなくなっていくのがひねくれ者のくるりらしいといえばらしい。 6.Hotel Evropa ★★☆ 「ワルツを踊れ」期のアウトテイク。 ベース担当の佐藤が作曲した1分にも満たないインスト。 曲というよりは街並みの音をサンプリングしたテープコラージュみたいだ。 7.ダンスミュージック ★★★☆ 「TEAM ROCK」期のアウトテイク。 これも佐藤作曲のインスト。初期くるり特有の実験精神が炸裂している文字通りのダンスミュージック。 なんだかんだ「TEAM ROCK」自体実験的なアルバムだったんで案外この曲が入っててもおかしくなかったかも。 8.怒りのぶるうす ★★★ 「ジョゼと虎と魚たち」「アンテナ」期のアウトテイク。 タイトル通りブルージーで重ためなロック。サビはまさかの叫び声オンリー。 しかし飛び道具感も否めず、そこまでリピートするような曲でもない。 9.Giant Fish ★★★ 「ファンデリア」「さよならストレンジャー」期のアウトテイク。 初期くるりのイメージをそのまま投影したような曲。 「続きのない夢の中」「窓」が好きな人はこの曲も気に入ると思う。 10.さっきの女の子 ★★★ 「NIKKI」期のアウトテイク。 跳ねたリズムのロックンロール。サウンドが三枚目。 この明るさからはメディアにたくさん出てきて一番世間に素直だった頃のくるりの根幹が垣間見える。 11.人間通 ★★★★☆ 「TEAM ROCK」期のアウトテイク。 くるり全般を見渡してもなお一番意味のわからない怪曲。ただこういう曲が結構ツボだったり。 わちゃわちゃしたサウンドやエネルギッシュな最後のマーチの箇所は特に気に入った。 12.Only You ★★★★★ 「ファンデリア」「さよならストレンジャー」期のアウトテイク。ここからCDのみの収録。 「トランスファー」と「ミレニアム」を合わせたみたいな明るくも暗くもないロック。 個人的にこういう路線が好みなので、この曲があるだけでもCDを借りてきてよかったと思える。 13.Wonderful Life ★★★ 「坩堝の電圧」期のアウトテイク。元メンバー・吉田省念氏作曲の牧歌的なナンバー。 くるり加入前の彼の作風に近い気持ちよくうたた寝できそうなゆったりした曲調。 と思いきや最後でいきなりドラムが入ってロックロックし始めるのには普通にビックリした。 14.Midnight Train (has gone) ★★☆ 「NIKKI」期のアウトテイク。 6分にわたって淡々と(といってもこっちは「ラブソング」「ガロン」に近い雰囲気)進行する浮遊感ある一曲。 なんかこの曲だけ歌声が妙に細いので、曲調もあいまってフィッシュマンズの「LONG SEASON」を思い起こさせられる。 15.ヘウレーカ! ★★★☆ 30秒に満たないNHKの教育番組用のインスト。歌詞も「へウレーカ」しかない。 NHKに献上した曲だけあって今作の中では一番わかりやすい曲調。改めてくるりの職人気質っぷりを感じる。 アルバムの締めにはあんまり似つかわしくないけど、他に締めに使えそうな曲がないのでここに置いてあるのは妥当か。 総評 コロナウイルスによるライブ自粛を受けて急遽発売されたくるりの没曲・アウトテイク集。 元々が没曲だったりするので地味だったり実験的な曲が多い。(しかしくるり自身(特に最近の)がそもそも地味な曲・実験的な曲を多く出しているので、もしコロナがなくてこれが普通の新作として世に出ていてもそんなに違和感はなかった気がする。) そんなわけで今作は完全に聴かせるモードに入った一作。コンセプトにしても完全にファンアイテムで、間違ってもライトリスナーが聴くような作品ではない。 しかしくるりの長所を前面に引き出した「心のなかの悪魔」や今のくるりにはもう書けない曲であろう「Only You」、ベストの初回盤にしか入ってなかった8~11などのレア曲も収録されているので、逆にファンであれば聴く価値は大いにある。 コロナが出てきてよかったとは全く思わないが、それをきっかけにこのアルバムが世に出てきたのは本当によかったと思う。 平井堅 / あなたになりたかった 1.ノンフィクション ★★★★ 数年前に久々にヒットした名曲。「POP STAR」の時と同じようにベスト盤に目玉として急遽収録したのちアルバムの一曲目に置いてきた。 その辺の事情は置いとくとして、曲自体は自殺した友人に向けた曲ということでひたすらにシリアス。 1番ではギター弾き語り→2番サビからバンドが入ってくる引きの編曲構成も見事に曲を引き立てている。 さすが紅白への返り咲きに持っていっただけあって、パワーがすごい。 2.怪物さん feat. あいみょん ★★★ 前作の「グロテスク feat. 安室奈美恵」に続く女性コラボ枠。 二人とも声質が対照的かつ若干メンヘラ気質なので、コラボするに際して相性は本当に抜群だったと思う。 ただ、詞曲アレンジから何から若干あいみょんに引っ張られた感が強く、加えて全体的に薄味なので、ちょっと物足りない。 3.#302 ★★☆ カラオケボックスを舞台にしたほぼギター弾き語りのバラードラブソング。 発売当時はこういうシンプルなのもういいよ…とか思ってたけどこの流れだと案外ハマる。曲順の妙だ。 とはいえこれ単体だとそんなに残るような曲でもない。 4.1995 ★★★ 水曜日のカンパネラが編曲を担当したエスニックな怪曲。 シングルが弾き語りばっかりでアルバム一枚に一曲ぐらいのペースで出てくる変な曲・マニアックな曲が出なかったので、ここでバランスを取ったと思われる。 曲調としては充分に尖っているが、平井堅自身の声が昔より丸くなったので中和されてそんなに尖った感じはしない。 5.僕の心をつくってよ ★★★ 映画ドラえもんの主題歌。ピアノ一本でほぼ通してしまうバラードで、本人もインタビューで語っていた通り、子供向け映画の主題歌の割にはだいぶ湿っぽい。 それなりに平井堅ファンである自分としてはもうとっくに覚えてしまった曲ではあるが、ここまでもこの先も弾き語り主体な曲が進んでいくので、そんなにファンじゃない状態でさらっと聴いただけではあんまり印象に残らないかもしれない。 6.オーソドックス ★★★☆ 近年の平井堅のイメージに沿った編曲薄めのネガ強めな曲。 後ろの伴奏が薄いので歌詞を聴かせる編曲構成になるよう狙ったと思われる。 感想としては、普通にいい曲としか…あんまりこれといったクセがないのでコメントしづらい。 7.ポリエステルの女 ★★☆ 匿名性をテーマにしたテクノ系の新曲。 調性があまり安定しないようなAメロの歌声の加工には賛否が分かれそう。 声の加工具合にも驚きだが、前作に「驚異の凡才」というさらに強い加工を施した曲があったので、少しインパクトが落ちてしまう。 8.トドカナイカラ ★★★ 映画主題歌だったり、YouTubeで歌い手がカバーしてちょっとバズったり、地味に話題の多い良曲。 例によって編曲構成は超シンプルで、平井含め演奏者はわずか3人。(ボーカル、ギター、プログラミングの3人) これも楽曲の芯が強いので、そこまで地味な感じはしない。というか、ここまで削ぎ落とさないと良さが見えない曲だった気さえする。 9.いてもたっても ★★★☆ 曲には関係ないけど魔法使いに変身するPVがすごいことになっててちょっと話題になった曲。 歌詞的には恋に落ちた男子を描く過去曲でいえば「言わない関係」みたいな純情系の可愛らしいタイプ。 それに加えて3分ちょっとでさらっと終わるので口当たりの軽い(?)印象を受ける。ただこのアルバムの中では結構凝った編曲。 10.知らないんでしょ? ★★☆ 一時期の中島みゆきのDNAを感じる重たい女性目線のピアノ弾き語り曲。 時々入るガラスの割れる音や追いかけてくる靴音が軽くホラー。前曲との落差がナイアガラレベル。 欅坂のあの人をモデルに作ったそうだが、仮にもアイドル(当時)なのにこんな殺伐とした曲の元ネタにされるとかどんだけ荒んでんのあの人。 11.鬼になりました ★★★★★ 「ポリエステルの女」と同じデジタル系のナンバー。 歌謡曲的な楽曲とダンサブルなアレンジがうまく噛み合っている。理屈抜きで曲全体をリードするベースとリズムが心地いい。 個人的に新曲群の中で一番気に入った。ハマる人は一度ハマればヘビロテ確実だろう。 12.half of me ★★★ 2009年のカバーアルバムに新曲のピアノインストとして入っていた曲。まさか歌詞付きで正式に発表されるまで10年近く待たされるとは思わなかった… ここにきて地味に初めてピアノ・歌以外に何も入れていない。単体だとつまらないが、前曲からの流れがあるとまぁいいかとなる。 曲自体はまたエモーショナルな感じのバラード。時系列的にも10年前ぐらいまでの平井の作風に近い。 13.おやすみなさい ★★☆ エレピ弾き語り(?)のこじんまりとした曲。 ここまで色々感情を振り回される曲が多かったので前曲に続いて休憩的なバラードで綺麗に締めにいった印象。 総評 5年間の長いブランクを経て発売された平井堅の新譜。 弾き語り風のシンプルな曲が多く発表され続けていたので、やや退屈な内容になると予測していたのだが、流石にアルバム曲にそういった曲は用意されておらず、派手目な曲が多く揃えられているのでなんとかそれで「あっさり寄り」というところまで抑えられた感じ。 安室奈美恵とコラボしたりインド人になったりした前作に比べて、今作の目玉のドラえもんタイアップ「僕の心をつくってよ」、久々のヒット曲「ノンフィクション」はもう既にベストに入っちゃったしあいみょんとコラボした「怪物さん」は時期が悪すぎてあんまりパッとしなかったしで若干話題性に欠ける気がしていたのだが、普通にゲオで大量入荷してたのには驚いた。平井堅ってそんな人気あったっけ、って。 それはさておき、今作は、全体的に見るとそんな前作の延長線上にあるような作品だったと思う。元々作風がごちゃ混ぜ気味なのに加えて、ここ10年は一貫してヒット曲を出すことに意欲を見せているので、印象が被るのも仕方ないことなのかもしれない。平井堅のいちコアファンとしては、アルバムごとに違う面が見えるのを楽しんでいた節もあるのでそこは少し残念だった。 ただ、シングルとして単発で出されて食傷気味になっていたシンプルな曲たちがアルバムとしてまとめられるとここまで統一感を持つのは、(少し考えればそりゃそうだけど)盲点だった。ちゃんとシンプルな曲が続きすぎないようにアクセントとしてクセの強いアルバム曲を配置してバランスを取っているのも計算高い。聴けば聴くほどに曲順が練られていると痛感する。アルバム一枚を通して順番に聴いてみてほしい一枚。 おつ。 シングルが印象かぶる問題は平井堅に限らずある気がする… ふとしたことです / 川本真琴 1. アイラブユー ★★★★☆ 「音楽の世界にようこそ」からの楽曲。 前奏でいきなり音像の大きなピアノとアンニュイなストリングスが世界観を作る。 川本の歌も歌い上げ系に似合うものになっている。 間奏も聴き逃がせない。チェロ? が効いてていいね。 2. fish ★★★★ 「願いが変わるまでに」からの楽曲。 コロコロした高音のピアノが印象的なイントロ。 Aメロは歌の入るペースを原曲の半分にしている。このほうが歌いやすいのだろう。 途中からアコギ、ベース、クラリネット? など楽器数が増えるが、 ピアノ弾き語りという基本線は揺るがない。 3. 愛の才能 ★★★☆ 「川本真琴」からの有名曲。 ジャズやブルースの影響を受けた形に大胆にアレンジしている。 ピアノは三連符シャッフルのノリで伴奏しているのに対し、 ボーカルは例の16分音符喋りまくり系ボーカルなので、 ピアノとボーカルのノリが全く違う。 これはオーバーダビングなのかライブ録音なのか? どっちにせよ難しそう。 聞いてて楽しいけど違和感は拭えない。 4. gradation ★★★★☆ 「願いが変わるまでに」からの楽曲。 ピアノ弾き語りにしても原曲とそんなに印象が変わらない。 このころの楽曲はピアノで作ってるのかもしれない。 緩急のあるアレンジの中で、ボーカルにも微妙な色彩の変化が感じられる。 今(2016年)の川本真琴はミディアムテンポ〜バラードくらいが合ってるのかもしれない。 5. OCTOPUS THEATER ★★★★ 「gobbledygook」からの楽曲。個人的に好きだったので再録は嬉しい。 モード風のハーモニーが美しいミディアムテンポの曲。 再び歌の入るペースを減らしている。 具体的には「キスミーキスミーキスミーキスミー」を「キスミー」1個に変えている。 かつての早口ボーカルからのモデルチェンジを象徴してる感じ。 ドラムが入るが、シンバル系が中心のジャズドラムって感じの仕上がりで、あくまで基本線はピアノ弾き語り。 6. ドーナッツのリング ★★★★ もとはシングルのカップリング曲。 「ピカピカ」とかを連想させる宇宙的規模のバラード。 高音を振り絞るように歌っていた原曲と比べ、 ファルセット気味に余裕を持って歌うボーカルが聞きどころ。 7. やきそばパン ★★★★ 「川本真琴」からの楽曲。 ドライブ感のあるピアノリフに乗って言葉がマシンガンのように叩きつけられる。 原曲のノリが前のめりだとすれば、多少レイドバックしているような気もする。 あと原曲よりブルーノートを強調している気がする。 アップテンポな曲は少ないので貴重。 8. タイムマシーン ★★★☆ 「川本真琴」からの楽曲。 岡村靖幸の影響も色濃い失恋バラード。 ベースの存在感が強く、今までの中ではバンドありきのサウンド。 原曲より若干スローにしていると思うが、ちょっとムーディーになりすぎかな…。 原曲にあったセリフ「大丈夫だよ 一人で帰れるから バイバイ」は無かった。 9. ふとしたことです ★★★☆ 新曲。 ピアノのベース音がリフのように楽しいポップな曲。 カホンか何か、ドラムではないパーカッションが入るのもイメージに合ってる。 箸休め的な存在。 10. 1/2 ★★★★ 「川本真琴」からの有名曲。 いきなりギターの音色で始まるのでちょっとびっくりする。 そこから先はこのアルバムの基本線であるピアノ中心の音に戻る。 2番あたりから他の楽器も目立ち始めるが、この2番あたりのバランスが一番好きかも。 しかしこの穏やかな感覚、1stや2ndからは考えられないなあ。 総評. ★★★★ ピアノ弾き語りによるセルフカバーアルバム。 セルフカバーの話題では避けて通れないのが選曲だが、 このアルバムもやや1stに偏り過ぎてる気がする。 俺は2ndが好きなのに…! 「ドーナッツのリング」のようなファン受けが良かったのだろう曲もあるが…。 ただピアノもボーカルも上手いし、 今のスタイルと昔のスタイルの差も分かりやすく出てきたので、 企画自体は成功のような気がする。 点数はそんなにつけなかったけど、「愛の才能」のリズムでの遊びみたいなのは好き。 >>388 >>393 乙です ただ水曜日のカンパネラはユニット名で プロデュースしたのはメンバーのケンモチヒデフミねw back number/MAGIC 1,最深部 ★★★★ 初っ端から人間くさくて情緒不安定な歌詞と、錯乱したような200BPMの演奏が胸を抉る。ウィットに富んだ悲観的な歌詞が共感性MAX。 「誰かの妄想の君にでもなったつもりかい?」 2,サマーワンダーランド ★★☆ 演奏のエモさと疾走感のある言葉の詰め方が安心のクオリティ。ジャケットのイメージからして、今この時、というよりは過ぎ去りし夏を回想しているような世界観もお約束。 3,瞬き ★★★☆ 情に訴えかけるような歌声と三連バラードのリズムが上手くマッチしていると思う。映画音楽的で、曲の盛り上げが上手い。サビの最高点の盛り上がりでストリングスを使う手法もいいよね。 4,あかるいよる ★★★★ 3とあまり感想は変わらないけれど、内省的な歌詞が彼ららしくて好き。こちらも映画音楽的で、盛り上げ方が上手い。 5,ARTIST ★★★★☆ 過度な悲観を茶化しているかのような軽快な演奏が上手くフックとして引っかかる。この手の曲が増えてきた最近のback numberイイぞ〜。 6,オールドファッション ★★ 最大公約数的な形で多くの人の心を掴んで止まないタイプの曲。恋愛(片想い)に対する語彙が凄まじく、さまざまな視点から曲が作れるのも彼らが長く愛されるバンドとなった理由だろう。 7,ロンリネス ★★★★★ 深くは語りません。神曲。このテの曲を人気絶頂の頃に作ってくれたことに圧倒的感謝。 8,雨と僕の話 ★★★★★ 今作の最高傑作にして最大の問題作。3,6とは明らかに異なるシリアスで肌寒い空気、メロで細々と耐えてサビで爆発して濁る発声、とめどなく溢れる後悔。全ての要素が噛み合って大きな大きな絶望感を味わえる曲。取り返しのつかない感じはfishに近いが、あちらが間接的な死を匂わせる曲なのに対してこちらは明確に 「君が触れたもの全部が優しく思えた、例外は僕だけもう君は見えない」 「終わったのさ、あるのは痛みだけ」 などと生々しく匂わせてくるのが怖い。そうなるともうタイトルの「雨」についても何か裏のあるものに見えて来るから完全に救いはない。 9,エキシビションデスマッチ ★★★★★ イントロから曲終わりまで終始ブチギレているのはおそらくこの曲くらいだろう。Liarが困惑と錯乱、怒りの感情は比率少なめだったのに対してこちらは怒りに全振りとでも言わんばかりの押せ押せな勢い。良くやった。 「ああそんなもんで人の未来を測るんじゃねえ」 「ジャンのケンの本能パーでぶん殴ってよ」 「それでいい、それがいんだよ、そういうもんだらぁ」などと歌詞も荒々しく、暴力的でパブリックなイメージとは遠く離れる。 10,monaural fantasy ★★★★★ 女々しさに狂気をはらませた渾身の一作。4をさらに内省的にした歌詞は自分の無力さや負け犬の様を思わす情けないものだが、そこから逃避しようと片目を潰すあたりに強烈な何かを感じる。歌詞だけならある種のパンクロック。 11,HAPPY BIRTHDAY ★☆ 凄く悲しくなってきたのであまり聴けていない。ただ、あまりにもこうあからさまに漂って来る悲愴感には耐えられない。 12,大不正解 ★★★★☆ やったー!5以来のカラッとしたアッパーソングだ。ちょっとした情けなさをはらませながら、それでもなお受け入れて力強く演ってくるあたりにハングリー精神を感じる。10とは大違い。最後に少し希望が見えてアルバムは終了。 総評、★★★★☆ ベスト盤を出してさぁこれから!と息巻いたback numberの6th。1st〜5thで結構匂わせて来た女々しい感じは薄れ、よりシニカルになった歌詞の視点の切り込み方が気持ちいい。特にスカッとする曲が多く、カップリングはどれも名曲と言えるのではないか。一つの要素だけでなく、より多様な方向性に舵を切ったのは正解だと思う。back numberが苦手な人にもオススメできるかも?個人的には1,4,5,7,9,10,12あたりが特に良い。 >>399 ミニアルバムいれたら7枚目なんだよね。 逃した魚 あとのまつり スーパースター blues ラブストーリー シャンデリア MAGIC 6thフルアルバムもしくは7thのほうが良かったかも? おいしくるメロンパン/indoor 1,桜の木の下には ★★ ノスタルジックなタイトル通り、情景描写に徹した歌詞、独特なストーリー、流れるようなBメロの歌唱が上手く噛み合って、うまく説明出来ない思春期ごろの心象が浮かび上がる。レビュアーである私が好きかどうかを別にして。おすすめ度は★★★★くらい。 2,look at the sea ★☆ 夏らしく爽やかでシンプルな印象の演奏は好印象。ベースの音量が大きめに出ていて、軽快にランニングをするようなテンポ感が楽しめる。目立つタイミングと、縁の下の力持ちでいるタイミングを弁えたドラムも良い。ただし、イノセント風味のボーカルがめちゃくちゃ女々しい歌詞を歌うのは妙にシャレオツ感が出て苦手なんですよ。おすすめ度は★★★☆。 3,caramel city ★★★★☆ 落ち着いたミドルテンポの曲に、いじらしい歌詞がイノセントなボーカルのメルヘンな雰囲気に良く合っている。跳ねた様なギターメロディも心地よく、楽しそうな雰囲気が伝わってくるよね!おすすめ度は★★★★。 4,泡と魔女 ★★ 雰囲気と疾走感は良いとして、サビのメイビーの連呼がイマイチ好きになれなかったかなって。近いのが最新作「theory」に収録された「透明造花」だが、あちらに比べて不穏であるため、聴く人をより選ぶ印象にある。おすすめ度は★★☆。 5,あの秋とスクールデイズ ★★☆ 煮え切らない自分を高校生活の情景からじっくり描き出していく様に、それぞれのストーリーが掻き立てられそうな一曲。テンポチェンジが全アルバムの中でも特に印象的な曲で、それに合わせて音圧を変えてくるボーカルもなかなかに情緒不安定。MVが秀逸である。おすすめ度は★★★。 総評★★★☆ 一曲の中でも多様な表情を見せる展開の妙技が面白いと近所で話題になってたバンド、おいしくるメロンパンの2nd mini。情景描写を主体とした歌詞のクオリティは高く、次作以降では更にそのレベルが上がっていることから、この作品も彼らの基軸を固めた重要な一枚であると言える。ただし今作はメロディの勢いと歌詞の雰囲気が少しズレている箇所があったり、どことなく強めに女々しさが漂ったりしていて、馴染みにくい箇所があった。後発の「flask」「theory」あたりをこの後に聴くとそのあたりが上手く噛み合って、より聴きやすいアルバムにドンドン進化していることが明らかとなるだろう。 おいしくるメロンパン/indoor 1,桜の木の下には ★★ ノスタルジックなタイトル通り、情景描写に徹した歌詞、独特なストーリー、流れるようなBメロの歌唱が上手く噛み合って、うまく説明出来ない思春期ごろの心象が浮かび上がる。レビュアーである私が好きかどうかを別にして。おすすめ度は★★★★くらい。 2,look at the sea ★☆ 夏らしく爽やかでシンプルな印象の演奏は好印象。ベースの音量が大きめに出ていて、軽快にランニングをするようなテンポ感が楽しめる。目立つタイミングと、縁の下の力持ちでいるタイミングを弁えたドラムも良い。ただし、イノセント風味のボーカルがめちゃくちゃ女々しい歌詞を歌うのは妙にシャレオツ感が出て苦手なんですよ。おすすめ度は★★★☆。 3,caramel city ★★★★☆ 落ち着いたミドルテンポの曲に、いじらしい歌詞がイノセントなボーカルのメルヘンな雰囲気に良く合っている。跳ねた様なギターメロディも心地よく、楽しそうな雰囲気が伝わってくるよね!おすすめ度は★★★★。 4,泡と魔女 ★★ 雰囲気と疾走感は良いとして、サビのメイビーの連呼がイマイチ好きになれなかったかなって。近いのが最新作「theory」に収録された「透明造花」だが、あちらに比べて不穏であるため、聴く人をより選ぶ印象にある。おすすめ度は★★☆。 5,あの秋とスクールデイズ ★★☆ 煮え切らない自分を高校生活の情景からじっくり描き出していく様に、それぞれのストーリーが掻き立てられそうな一曲。テンポチェンジが全アルバムの中でも特に印象的な曲で、それに合わせて音圧を変えてくるボーカルもなかなかに情緒不安定。MVが秀逸である。おすすめ度は★★★。 総評★★★☆ 一曲の中でも多様な表情を見せる展開の妙技が面白いと近所で話題になってたバンド、おいしくるメロンパンの2nd mini。情景描写を主体とした歌詞のクオリティは高く、次作以降では更にそのレベルが上がっていることから、この作品も彼らの基軸を固めた重要な一枚であると言える。ただし今作はメロディの勢いと歌詞の雰囲気が少しズレている箇所があったり、どことなく強めに女々しさが漂ったりしていて、馴染みにくい箇所があった。後発の「flask」「theory」あたりをこの後に聴くとそのあたりが上手く噛み合って、より聴きやすいアルバムにドンドン進化していることが明らかとなるだろう。 おいしくるメロンパン/indoor 1,桜の木の下には ★★ ノスタルジックなタイトル通り、情景描写に徹した歌詞、独特なストーリー、流れるようなBメロの歌唱が上手く噛み合って、うまく説明出来ない思春期ごろの心象が浮かび上がる。レビュアーである私が好きかどうかを別にして。おすすめ度は★★★★くらい。 2,look at the sea ★☆ 夏らしく爽やかでシンプルな印象の演奏は好印象。ベースの音量が大きめに出ていて、軽快にランニングをするようなテンポ感が楽しめる。目立つタイミングと、縁の下の力持ちでいるタイミングを弁えたドラムも良い。ただし、イノセント風味のボーカルがめちゃくちゃ女々しい歌詞を歌うのは妙にシャレオツ感が出て苦手なんですよ。おすすめ度は★★★☆。 3,caramel city ★★★★☆ 落ち着いたミドルテンポの曲に、いじらしい歌詞がイノセントなボーカルのメルヘンな雰囲気に良く合っている。跳ねた様なギターメロディも心地よく、楽しそうな雰囲気が伝わってくるよね!おすすめ度は★★★★。 4,泡と魔女 ★★ 雰囲気と疾走感は良いとして、サビのメイビーの連呼がイマイチ好きになれなかったかなって。近いのが最新作「theory」に収録された「透明造花」だが、あちらに比べて不穏であるため、聴く人をより選ぶ印象にある。おすすめ度は★★☆。 5,あの秋とスクールデイズ ★★☆ 煮え切らない自分を高校生活の情景からじっくり描き出していく様に、それぞれのストーリーが掻き立てられそうな一曲。テンポチェンジが全アルバムの中でも特に印象的な曲で、それに合わせて音圧を変えてくるボーカルもなかなかに情緒不安定。MVが秀逸である。おすすめ度は★★★。 総評★★★☆ 一曲の中でも多様な表情を見せる展開の妙技が面白いと近所で話題になってたバンド、おいしくるメロンパンの2nd mini。情景描写を主体とした歌詞のクオリティは高く、次作以降では更にそのレベルが上がっていることから、この作品も彼らの基軸を固めた重要な一枚であると言える。ただし今作はメロディの勢いと歌詞の雰囲気が少しズレている箇所があったり、どことなく強めに女々しさが漂ったりしていて、馴染みにくい箇所があった。後発の「flask」「theory」あたりをこの後に聴くとそのあたりが上手く噛み合って、より聴きやすいアルバムにドンドン進化していることが明らかとなるだろう。 >>403 寝ぼけて3連投しました。すみません。 ついでにちょっと訂正で、5の評価は★★★☆です。 read.cgi ver 07.5.4 2024/05/19 Walang Kapalit ★ | Donguri System Team 5ちゃんねる