続きです。

杏里さんはスタンドカラーのブラウスにブラウンベースのチェック柄のロングスカート。ショートヘアと合わせて季節感と清潔感あふれるスタイル。

少女のようでもあり、ボーイッシュでもあり、控えめに言ってもキュートでした。衣装っぽい派手さこそないですが、最近のライブの衣装では一番良かったと思います。

さて、ライブ自体ですが、序盤は安定はしていたものの。声がややかすれ気味というか、出しにくそうな印象を持ちました(それでも、初っ端の『願いの糸』続く『飾りのない明日』の連打には心震えましたが)。

それが変わったのは『あなただった』あたりからでしょうか。

ビルボードで聴いたときの淡々とした印象(それが終わった恋を振り返る歌としてリアルでしたが)とはまるで違う、今もなお燃える想いを歌うような魂のこもった歌唱でした(気持ちをこめたあまり、歌い終わった後、彼女はそっと涙を拭ったように見えました)。

この曲で吹っ切れたのか、続く『天使』ではリミッターを外したかのような力強い歌唱で、以後も終始安定かつ声にも張りが出たように想います。

近年の杏里さんは、本当に歌うことを楽しんでいるようで、時に熱っぽく、時に軽やかに、表情豊かに歌っていました。間奏中での、幡宮さんと森田さんの奏でる音に心地よさげに身を委ねている姿も印象的でした。

幡宮さんと森田さんのコンビネーションもさらに磨きがかかったようで、音のキャッチボールをしている感じがよく伝わってきました。今回は森田さんはまさしくベースとして下支えに回り、幡宮さんのキーボードを引き立てていたように思います。

ライブ自体はとても良かったのですが、残念な点がいくつか。

まず、今回は拍手のタイミングがやや早かったです。この点は、横浜の方が良かった。

それと...フォーラムC同様の残念な声掛けがまたありました。

他ならぬ杏里さん自身がこうした声かけを許容している(少なくとも今回、自分はそう感じました)のであれば、今後も声掛けの主が来たときのライブでは、同様のことが起こるのでしょう。残念なことではありますが。

いつもながらの長文、申し訳ありません。

以上です。