『月とすっぽん』

むかしむかし
あるところに

願い事が叶うと言う
お月さまを眺めるすっぽんがいたそうじゃ

村人がレンコンを掘りに泥の中に入ると
寂しがり屋のすっぽんは村人の足に噛み付いたそうじゃ

村人はびっくらこいて
収穫したばかりのレンコンで
すっぽんの頭を叩いたそうじゃ

さすがにしつこいすっぽんも
これには参ってしまい
となりの舞姫の屋敷へと逃げ込んでしもうたそうな

それ以来というもの
すっぽんは助けてくれた舞姫に毎夜、泥の手料理を献上しているそうな

めでたし めでたし