◆70年代末期からリアルタイムにリスナーとして、そして80年代末期から90年代前半は現場にもいた人間としては、
オッサンの繰り言を百も承知の上で書くけれど、
優しさとか愛とか感謝とか人道的正義とかを臆面もなく前面に押し立てて大仰に歌い上げる歌には反感を覚えずにいられない。

それを歌うのはいいけれど、どうひねって、直截的でなく表現するかが芸だろう。
詞がそうなってしまったのなら、曲の音楽性の次元で勝負するとかすればいいのに。昔だってさだまさしとか一見同類に聞こえるけれど、
よく見ると(聞くと)けっこうアバンギャルドな書き方しているし。まあ昔が皆無だったとは言わないけれど。

なんでこんなことを書くかというと、ラジオを付けたら聞こえてきた高橋優というシンガーの唄を聞いたら絶望的に悲しい気持ちになったからだ。
何も歌っていないのと同じだなあという感じ。