http://asahi.com/articles/ASLBN51JTLBNOIPE00J.html
ポール、「なんでうちなの?」 気に入ったヤイリギター

> 元ビートルズのポール・マッカートニーが31日から日本ツアーを開く。
岐阜県可児市にある「ヤイリギター」は、ポールに気に入られたことで知られるギター工房だ。
ただ、なぜポールがヤイリのギターを選んだのか、いまだに分かっていないという。
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> 「うそでしょ」。1980年代の終わりごろ、当時20代だった職人の松尾浩さん(59)は、
最終チェックを任された3本の左利き用ギターに付いた申し送りメモを見て驚いた。
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> 「ポール・マッカートニーが気に入れば、世界ツアーに使う予定」

> 松尾さんは当時、ギターのネックに金属部品の「フレット」をつける工程の担当だったが、
「飲んべえだった」というベテランの先輩から最後の「サウンドチェック」を任されることがしばしばあった。
その日も、何も知らず午後の作業を頼まれた。

> 松尾さんは大きなアンプで試奏し、3本中1本は状態が良かったのを確認。
しばらくすると、ポール側から「1本の状態が非常に良好。ツアーに採用する」との返事が届いた。
「残り2本はフィードバックを起こす」ともあり、松尾さんは「喜びよりも、『やっぱり同じなんだな』と思いました」。
後に、ポールが使っている写真や映像を見て実感がわいたという。

> 井上陽水、チューリップなども使用。
国内アーティスト担当もしていた松尾さんによると、GLAYには「ポールで問題がなかったこと」が決定打で採用されたという。

> 「こんなギターを使ってみたい、というのはありませんか」
と聞くのが松尾さんの口癖だ。76歳になった今のポールにも、同じ言葉をかけたいという。