今春、重度脳性まひの中学男子生徒が、夜間定時制の神戸市立楠高校を受験、受験者数が募集人員を下回る定員割れだったのに不合格となった。

兵庫県淡路市の権田祐也さん(16)。県内の公立高校入試でただ一人の「定員内不合格」だった。卒業後の行き場を失った祐也さんは、楠高校内にある識字教室に通うが、「高校生になりたい」という思いは消えない。障害者の定員内不合格は全国の高校で相次ぐ。
共に学ぶとは何かを考える。

 祐也さんは障害のない子と一緒に地域の学校に通った。
小学校のマラソンでは、級友が交代で彼の歩行器を押して走った。
中学では野球部に所属。背番号をもらい、最後の試合は円陣の中心に入った。みんな嫌な顔ひとつせず、流れるよだれを拭いてくれた。
彼らが自然に接することができるのは、幼い頃から地域で共に成長してきたからだ。

合格発表直後、由記子さんは校長に不合格理由を聞いた。
校長は「学校にはそれぞれ基準があって、不適合と判断した」などと説明。
「どうやったら合格できるのか」と食い下がると、校長は「この1年間で彼が劇的に成長するとか」と発言したという。

 「障害を克服しろということか。この子に空を飛べというのか」

http://mainichi.jp/articles/20180923/ddn/010/100/053000c?inb=ra