解りやすさ 2018/10/23 11:20
村塾の塾生には今「とにかく解りやすい演出法」を徹底して教えている。
小難しいことなんか一切無視だ。

「そんなもん、このバカしかいない業界では何の役にも立たない!」と、断言している。

そういう暴論は(当たってるけど)ともかく、今必要とされているのは「シンプル」な
ストーリーだと思う。
現実が複雑で難儀な状態だから、人はフィクションでこの状況を「まとめ」ようとするのだ。
あるいは現実逃避か。

本当は複雑な現実をそのまま捉えるべきなのだが、現実の辛さを忘れようとエンタメを
楽しみたいのに現実のままというのはさすがに疲れる。
逆に人がバブルだなんだと浮かれている時は、フィクションで我に返り、現実の複雑さを
見つめ直す機会が要る。

そういう時にこそファンタジーが必要なのだと思う。
浮かれた現実から離れ、別次元で世界を見つめる機会は、決して「現実逃避」にはならない。


今必要なのは「解りやすさ」。
ただ現実逃避ではオタクがどんどんバカになるだけなので、世界を「まとめ」て表現する、
それが今必要なのだと思う。


しかし今年の劇場アニメは「解りにくい」のが多かった。
多くの観客がそっぽ向く中必死に擁護する「現実逃避」のオタク。意味不明。
アニメにおけるオタクのアイデンティティが徐々に崩壊しているのを感じる。