愚直
2019/03/14 10:34
朝比奈隆御大は「愚直」という言葉を好んで使ったという。
朝比奈御大はなんと60歳を過ぎるまで「関西の片田舎の無名指揮者」としてしか見られず、楽壇からは無視されていたという。
その中で出た言葉だろう。

僕もなんとなく知ってはいたが、次第にその意味が理解でき、この歳になって自分もこの域にまで行こうと考えている。


「愚直」、いいじゃないか。

「愚直」にアニメを作る。
「愚直」に正しいことをやる。
多少処世術が欠けていても知ったこっちゃない。

クライアントが変なことを言ってくれば「愚直」に怒る。
「愚直」にロケ地を回って、可能な限り足を使い、可能な限り多く写真を撮る。
「愚直」に地元の人々と向き合う。

そして「愚直」に演出する。
そこに華美さは要らない。


『AIR』辺りから、自分にはこっちが向いていると思うようになった。
過剰な演出を控え、被写体と向き合うようになった。

そうするとようやく「感情」が表現できるようになった。


クライアントにだけ尻尾を振り、カット割りはグチャグチャで、ファンや地元には見向きもしない「小器用」な人間になるつもりは決してない。
僕は愚かでいい。

「タチアガレ!」でも書いてある。
「嗤われてもいい」と。


これも言うの何回かだが、ヤ○○○ヤ○○○とせせら嗤うのは、いくらでもやればいい。
人を嗤う人間が人徳があって偉いとはどうしても思えない。

ましてやそんな人間が「タチアガレ!」で盛り上がっているとするなら、頭大丈夫?というしかない。


僕はそんな空気と「愚直」に戦う。