>>260
多分これかな

師匠7
2020-06-02 09:27.46

今回は過去いろんなインタビューで語ったことを、改めてブログ用に起こし直そうと思う。
ブログを読むだけでわが師・木上益治の(覚えている限りの)すべてが解るようにしたい。

彼は僕に対して、いつもこう言って叱った。
「君はそんなことをするために、ここに入ったのかい?」
それは僕がちょっとでも手を抜いたり、まぁいいやと妥協したりすると、必ず飛んできた言葉だった。
いかにも彼らしい、僕のプライドを刺激するのに最適な言葉だった。
京大出のインテリが京都の場末の下請け業者に入った、ということに対する最大級の「煽り」だったのだ。

そう言われるとたまったもんじゃない。カチンとなって、コンチクショウと気合が入った。
何十回言われただろう?いや、せいぜい10回くらいか。

『POWER STONE』の10話で、遂に初演出することになった。
絵コンテは師匠だ。

人生最初の作打ち(作画打ち合わせ)となった。
その際は珍しく、全原画マンが集まっての打ち合わせとなった。
原画のメンバーには武本さん、池田晶子さん、高橋博行さんなどがいた。もちろんほぼ全員先輩だ。
そして師匠が後ろから見張っている。
僕は開口一番、こう挨拶をした。
「僕の初演出になります。まだやり方が良く解ってないので、皆さんのアドバイスをいただきながら進めていきたいと思います」
「止めて」
即座に師匠から指示が出た。
「みんな、解散して」
え?
まだ何もやってない格好で、一旦解散となった。