ソウルに赴任し半年以上。韓国料理が嫌いではないので、食生活にさほど困らないが、たまに無性に食べたくなるのがこってりした日本式のラーメンだ。

日本食がブームの韓国にあって「本場日本の味」を売りにしたラーメン店も続々登場。行列ができる店も少なくない。

九州仕込みの豚骨ラーメンを出すという店に足を運んでみた。麺の硬さも選べる本格的な店だが、一すすりしてみると、何だかもの足りない。味が薄いのだ。

九州の名店で修業したという店長に尋ねると、開店当初は日本の味のまま出していたところ、日本人客や日本の味になじんだ客には好評だったが、一般の韓国人客には「塩辛すぎる」「においがきつい」と不評だったという。徐々に味を薄めていって今の味に落ち着いたのだという。

他の店のラーメンや韓国式麺のククスの店でも塩味が足りなく感じる。

在韓日本人の知人も同じ感想を漏らしていた。日本で韓国人の知人を飲食店に案内したとき、よく聞いたのも「塩辛い」という苦情だった。日本滞在歴の長い韓国人も当初、この塩辛さに苦労したという。

とうがらしで真っ赤な韓国式ラーメンは、顔色を変えずに頬張る韓国人も塩辛さは苦手。味覚の差も越えがたい日韓文化の差の一つかもしれない。

http://www.sankei.com/world/news/170614/wor1706140024-n1.html