北欧を見れば分かるが、一般的には、社会民主主義は国家があってこそ成立する。
誰も、自分が払った高い税金や保険料を他人のためには使われたくない。
「自分たち」のために使われると思うからこそ、高い税金を払う。
もし、北欧の国民が納めた税金の大部分をアフリカの破綻国家の人々救済のために使ったら、北欧の国民は激怒するだろ。
でも、「国家の枠を崩壊させる」と、そうなってしまう。
北欧の人々から納められた高い税金は、豊かな北欧の人々に使うより、死にかけているアフリカの破綻地域の人々に使うほうが「人道的だし合理的」だろうからだ。
「格差は是正されるべき」だからだ。「弱者は保護されるべき」だからだ。
辻元氏の理屈の上では、「国家の枠をなくす」なら、北欧の人々とアフリカの破綻した地域の人々が同程度の生活レベルになるまで、税金はアフリカの人々に極力振り向けるべき、となるだろう。

どうも辻元氏は、社会民主主義者ではないようだな。
とすると、マルクス主義者/原理主義的共産主義者か、もしや新自由主義者か?
国家の壁を嫌う点では、マルクス主義も新自由主義も似ているからな。
福島みずほ氏の資産が数億円という事実も、辻元氏も福島氏も消費税増税に反対するという事実も、彼女たちがじつは社会民主主義者ではなく新自由主義者なのではないかと疑わせる。