【モスクワ=黒川信雄】ロシア極東のメディアは27日までに、北方領土ビザなし交流の日本語講師派遣事業で国後島を訪れ、税関で教材を没収されたまま同島にとどまっていた日本人講師らが26日に島を離れたと報じた。

 事業を実施する北方領土問題対策協会も27日、講師ら4人が26日午前に北海道根室市に帰還したと明らかにした。

 日本語講師派遣事業は1998年に開始されたが、中止に追い込まれたのは初。4人は15日に国後島を訪れたが、荷物が重量オーバーとの理由で税関で教材などを没収されていた。

 没収は、北方領土においてロシア側が管轄権を持つことを前提とした行為で、日本側は「受け入れられない」としていた。

 北方領土問題対策協会は8月下旬以降、択捉島、色丹島でも日本語講座の実施を予定しているが、状況が改善されなければ、「(実施が可能か)検討しなくてはならない」としている。

http://www.sankei.com/world/news/170627/wor1706270034-n1.html