北方領土での日本とロシアの共同経済活動の実現に向け、長谷川栄一首相補佐官を団長とする官民調査団が28日、国後島で本格的な調査を始めた。専門分野に分かれて港湾、観光、病院などの施設を視察し事業の選定を進める。.

 視察に同行したロシア・サハリン州のコジェミャコ知事はディーゼル発電所に立ち寄った際「設備が古くなっており、近代化が必要だ」と述べ、日本の協力を求めた。また調査団は港でロシア側から港湾整備や水産関連の事業計画の説明を受けた。.

 地元当局者によると、ロシア国境警備隊の立ち入り制限区域付近を調査団が通る行程だったことなどを理由に、28日に予定されていた燃料保管施設や地熱発電所などの視察が認められなかった。このため調査団はスケジュールを一部変更した。

 国後島では他に、ホテル建設予定地や、博物館、空港などを回る。水産廃棄物のリサイクル工場や温泉施設の建設プロジェクトについても説明を受けるという。28日午後に視察を終え、交流船「えとぴりか」で択捉島に向かう。.

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 北方領土での日本とロシアの共同経済活動の実現に向け、長谷川栄一首相補佐官を団長とする官民調査団は28日午後、国後島の空港や博物館を視察し、同島での調査を終えた。29日に択捉島を調査する。

 国後島での調査終了後、長谷川氏は「大変素晴らしい自然があり、さまざまな可能性を感じた。プロジェクトを少しでも具体化できるよう探っていきたい」と話した。

 調査団は、国後島の水産加工場やプール付きのスポーツジムも視察。同行したロシア・サハリン州のコジェミャコ知事は加工場で「日本の最新技術で事業の拡大が可能だ」と述べ、日本企業による事業参加への期待を表明した。

 調査団は30日に色丹島を視察し、7月1日に北海道・根室港に戻る予定。(共同)

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北方領土・国後島で、水産加工場を視察する長谷川栄一首相補佐官(手前左)とロシア・サハリン州のコジェミャコ知事(同右)=28日午前
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北方領土・国後島で、港湾設備を視察する長谷川栄一首相補佐官(手前左)とロシア・サハリン州のコジェミャコ知事(同右)=28日午前
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北方四島