国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は6月29日、世界テコンドー選手権の閉会式出席のため韓国入りし、文在寅大統領が表明した平昌冬季五輪での南北合同チーム結成などの案について「この件を議論できるのを非常に楽しみにしている。オリンピック精神にあうものだ」と歓迎した。

 7月3日に文大統領との会談が予定されている。

 韓国中部、茂朱で開催されている世界選手権には張雄IOC委員ら北朝鮮のスポーツ団体幹部も出席しており、合同チーム結成や開会式での合同入場などについて協議する可能性もある。

 仁川国際空港に到着したバッハ会長は「大統領の表明に感謝する。五輪は相互理解や対話、平和の精神に基づいている」として、五輪を通じた南北のスポーツ交流に理解を示した。

 北朝鮮でのスキーの一部開催構想や聖火リレーの実施などについては言及しなかった。

 南北合同チームが実現するかどうかは未知数だが、IOCのトップが明確に期待感を表明している影響は小さくない。

 一方、北朝鮮がミサイル発射など挑発的行為を繰り返す中の、南北合同チーム結成には、「金正恩政権に誤ったメッセージを送り、人道犯罪と核拡散活動を助長する」との批判も根強い。

 韓国を訪れている北朝鮮張雄IOC委員は、開催までの時間がないことなどを理由に、慎重な姿勢。

 IOCの于再清副会長(中国)は先月28日、「合同チームは選手第一の観点で考えることが最も重要だ。国際競技連盟(IF)の承認も必要で、実現は困難ではないか」との見解を示している。

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韓国・茂朱で開かれた夕食会に出席したIOCのバッハ会長(右)と張雄委員(共同)