2015年の端島(軍艦島)世界遺産登録時の声明文を要約すると、
日本政府は徴用Requisition を認めたが、強制労働forced laborは認めなかった、というものです。
徴用Requisitionであったことを韓国に同意させたのは一定の成果といえます。
日本人でも徴用と強制労働を混同しているひとが少なからずいます。
外国人でもRequisition とforced labor の違いを理解しない人がいるのでしょう。
そのような人々には丁寧に説明する必要があります。

(一般的な)強制労働=
多くの場合、非合法なものである。
報酬は支払われない、もしくは極端に低い賃金である。
一般労働者と比べて、著しく劣悪な労働環境である。
奴隷的なもので、身体拘束や監禁を伴うことが多い。

(日本が行った)徴用=
国民徴用令という法律に基づいて行われた。
報酬が支払われていた。炭鉱などでは高額の報酬だった。
炭鉱などでは危険で厳しい労働環境だったが、それは非徴用労働者も同じだった。
身体拘束や監禁などの行為は行われなかった。

徴用や徴兵や徴税は、当時、国民(朝鮮半島在住者含む)に義務として課せられたものでした。
このうち徴税は現在の日本でも行われています。徴税も意思を問わない強制的なものです。
昔も今も政府は「金を出さないとヒドイ目にあわせるぞ」と国民を脅してお金を集めています。
しかし、徴税を「強盗」とか「強奪」とは言いません。法で定められた義務だからです。
「徴用=強制労働」というのは「徴税=強奪」と同じような暴論なのです。