民進党の蓮舫代表が「二重国籍」問題を解決するため、18日に公的書類を開示する方針を明らかにした。東京都議選の敗因と指摘され、蓮舫氏は党勢回復も狙って公表を決断したはずだが、党内では「排外主義に屈する」と別の反発が生まれるなど混乱が続く。

 13日の記者会見では、国籍問題の質問を司会役の芝博一幹事長代理が途中でさえぎる異例の展開となり、歯切れの悪さばかりが目立った。

 蓮舫氏は会見で「私は多様性の象徴だと思っている」と述べ、自身の国籍問題が、共生社会の実現を目指す党綱領と矛盾しないと強調した。党内の「被差別部落問題などの闘いへの逆行だ」(有田芳生参院議員)との批判を踏まえた。

 一方で、公的資料の公表に踏み切るのは、都議選で敗北した責任を問う声が相次ぐ中、自身の続投に理解を求めるためといえる。

 続投に向けた党内の環境は厳しいままだ。都議選を総括する13日の国会議員会議でも「将来に向けたビジョンを示せないなら執行部が変わらざるを得ない」(逢坂誠二衆院議員)と、執行部刷新を迫る声が出た。「解党的出直しではなく、解党・分党すべきだ」との厳しい意見も出た。

 公表が差別の助長につながると反発する声もあり、蓮舫氏は股裂き状態にある。

 13日の会見で、芝氏は「謄本だけ開示すればいい話ではないと思っており、今は整理中」と述べ、公表する資料の詳細は明らかにしなかった。

 当然、国籍に関する質問が集中したが、芝氏は蓮舫氏が1問答えた後に「戸籍関係についての発言はここまでにさせてほしい。18日に会見を持たせていただきたい」と割り込み、中途半端な対応となった。

 18日の公表では、どの時点で日本国籍の選択宣言をしたかが焦点となる。戸籍謄本には選択宣言の日時が明示されている。

 米国と日本の二重国籍だった自民党の小野田紀美参院議員は、日本国籍の選択宣言日以外の項目を黒塗りした戸籍謄本を公開した。蓮舫氏が最低限、同様の対応を取らなければ、説明責任を果たしたことにならない。(豊田真由美)

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民進党の定例会見に臨む蓮舫代表=13日午後、国会(春名中撮影)
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民進党の定例会見で、蓮舫代表(右)の二重国籍問題について説明する芝博一幹事長代理=13日午後、国会(春名中撮影)