日本との慰安婦合意や歴史認識問題について、ゴールポストを平気で動かしてきた韓国政府が、似たようなことをトランプ米政権にやられて大いにうろたえている。

 米韓自由貿易協定(FTA)の再交渉を正式に要求された文在寅(ムン・ジェイン)政権は完全に守勢に回っている。

 米通商代表部(USTR)がFTAの再交渉を正式に韓国に要求したと発表したことを受けて、韓国産業通商資源省は13日、「早期に局長級幹部を派遣し、米側との調整に当たる」としたが、焦りの色は隠せない。

 トランプ氏は6月末の首脳会談後の共同会見で「FTAの再交渉をしている」と表明し、韓国側を慌てさせた。文氏は「再交渉は合意外の話だ」と否定したが、後の祭りだった。

 共同声明にも再交渉は盛り込まれなかったが、米政府は韓国側の意向に関係なく、内部で着々と準備を進め、機先を制した。

 USTRは近くワシントンで両政府の代表による合同委員会の特別会合を開くように提案している。

 文氏は「商品では米国が赤字だが、サービスでは韓国が赤字。対米投資も多く、バランスを取っている」と主張、本交渉に入る前にトランプ政権を説得しようと必死だが、韓国側は議長となる通商交渉本部長さえいまだ任命されていない状況で、体制面でも大きく出遅れている。

 韓国では、日本と欧州連合(EU)が経済連携協定(EPA)で大枠合意したことで、日本車の欧州市場での競争力が増し「韓国車の輸出に打撃」(韓国メディア)との危機感がある。

 米韓FTAの再交渉で米側が有利になれば、輸出依存型の韓国経済には、さらにダメージとなる。

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170718/soc1707180005-n1.html

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文氏(左)はトランプ氏の要求に対応しきれない(ロイター)