■93式空対艦ミサイル ASM-2B ターボジェット速度1150km/h 秒速320m/s 射程180km
ミサイル全長4.0m 直径35cm 重量530 kg 弾頭炸薬260kg UTDCアップリンク指令(ミサイルに目標変更他の指令機能)

長距離マーベリックミサイルと呼ばれる珍しい対艦ミサイルで、特徴はIR赤外線画像によ
る誘導が行えることである。映像を見ながら目標艦識別と命中箇所の選択が可能である。

モニター映像を見ながら、大型艦艇や補助艦など見分けて、映像で着弾艦船を指定して、
着弾場所も自由に指定できる優れもの。また弾頭も徹甲榴弾で厚い装甲板を貫いて内部
で大爆発する方式で、通常の対艦ミサイル弾頭とは異なる異色な弾頭。

目標にレーダー照射をしないので、相手にロックオン警報も鳴らず、またECMジャミングも
効かないレーダーレス。発見されるとしたら防空レーダーにキャッチされる事だけである。

そこで、発見されやすいレーダー反射原因となる翼部分はステルス翼で、電波吸収料で
作られており、またミサイル胴体も電波吸収塗料によりレーダー反射(RCS)は極めて小さ
く、ステルス性をもったステルスミサイルである。

目標海域まで海面スレスレのシースキミング飛行でFM/CW方式の電波高度計により低空
飛行をして行く。そして目標地点で上昇して一定高度から赤外線画像シーカーで目標の捜
索を開始する。

シーカーを左右に振りながら海面上の目標艦船を自動で探索を行い、発見できない場合は
発見するまで指定海域で自動で旋回して捜索を続けることが出来る。高度を上げて索敵す
るがステルス性により防空レーダーに発見される可能性は極めて低い。

映像を見ながら目標に誘導着弾させるので、まるでゲーム感覚で誘導できるので、長距離
マーベリックミサイルとも呼ばれている。

欠点は雨や霧や気象条件が悪いと使えないこと。小回りの効く小型高速艇の場合は映像
誘導では当てるのが難しい欠点もある。また相手に探知されて海上に煙幕弾を張られると
目標が捕らえられない等がある。しかし、ターボジェットミサイルなので迂回しながら最後ま
で目標艦を追い続けることが可能である。

また、GPSと電波高度計により地形にそって低空飛行して陸上の攻撃地点まで侵入して、
最後は目標をカメラ映像で見ながら地上攻撃目標を選んで攻撃できる。長距離マーベリッ
クと呼ばれる理由。

AGM-65 マーベリックミサイル (画像あり)
https://www.youtube.com/watch?v=uf_uC-s9bdw