【弁護士会 矛盾の痕跡(1)】「北朝鮮に腰が引けている」拉致に冷淡、「朝鮮人=被害者」以外は沈黙…人権派≠ェ朝鮮総連と強固なネットワーク(スレタイ入りきらない為こちらが正しいタイトルです。)


「ブルーリボンをつけている連中は、拉致問題を政治利用して差別をあおっている」

 平成21年。日本弁護士連合会(日弁連)のシンポジウムの打ち合わせで、企画にかかわった幹部の発言を聞いたとき、その場にいた弁護士の徳永信一(59)=大阪弁護士会=は耳を疑った。ブルーリボンは北朝鮮による拉致被害者救出を祈るシンボルだ。

 この年の秋。北朝鮮の核・ミサイル開発を背景に冷静な安全保障政策を議論することを目的に、東京都内で開かれたシンポジウム「東北アジアの安全と平和を探求する−朝鮮半島の非核化を求めて」。日弁連憲法委員会(当時)に所属する徳永ら3人がパネルディスカッションを行い、人権や平和に関心を持つ弁護士らが会場を埋めた。

 壇上で弁護士の一人は「北朝鮮脅威論は敵基地攻撃論や核武装論、9条改正論に結びつき、軍事的な緊張を高めかねない。拉致問題も国交回復交渉の中で解決すべきだ」と持論を述べ、拉致問題解決のための制裁を主張する徳永を批判した。「体制の転覆がなければ拉致問題は解決しない」と徳永が反論すると、会場の弁護士から「無責任なことを言うな」などとさかんにやじが飛んだ。

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の固定資産税減免の無効確認訴訟や朝鮮学校補助金取り消し請求訴訟を手がけ、保守派を自任する徳永によると、総連側の代理人には常に、日弁連で強い影響力を持つ人権派弁護士がついた。総連と人権派は強固なネットワークで結ばれ、例えば戦時中の慰安婦問題を国連の委員会に訴える日弁連の活動も総連が背後から支えたと指摘する。

 「日弁連はいわば総連の工作拠点。人権派が総連に取り込まれた影響なのか、日弁連は拉致問題には終始、消極的だった」

無関心に覆われ…支援する弁護士は一握り

 「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会)の会長、西岡力(61)は、拉致問題をめぐる日弁連の対応について「印象らしい印象がない」と語る。人権擁護を標榜(ひょうぼう)しているはずの日弁連も、戦後日本を覆ってきた拉致問題への「無関心」と無縁ではなかった。

 横田滋(84)、早紀江(81)夫妻の長女、めぐみ(52)が北朝鮮に拉致されたのは昭和52年11月。13歳だった。平成9年2月3日に拉致の疑いが実名報道され、国会で取り上げられるまで家族は拉致だと知らないまま、いたずらに20年間が過ぎた。

 早紀江は「まだ社会も半信半疑で、最初は『拉致疑惑』といわれた。長い日々の中でようやく国民の皆さまに後押ししていただけるようになった」と語る。

 救う会名誉会長の弁護士、藤野義昭(78)=札幌弁護士会=は救出運動に取り組む横田夫妻を間近で見てきた。藤野のように精力的に支援する弁護士は一握りにすぎなかった。

 「『拉致はでっち上げ』と誹謗(ひぼう)中傷されることもある時代。拉致問題に関心を向ける弁護士はほとんどいなかった」

日弁連元会長「疑惑に過ぎない行方不明者問題」

 無関心どころか、日弁連や元幹部の対応は「拉致問題に対しては極めて冷淡」とみるのは、麗澤大教授の八木秀次(55)だ。

 《日本政府は(過去の行為に対する)謝罪と賠償の要求に応じるどころか、政府間交渉で疑惑に過ぎない行方不明者問題や「ミサイル」問題を持ち出して朝鮮側の正当な主張をかわそうとしている。破廉恥な行動と言わざるを得ない》

 6年から2年間、日弁連会長を務めた人権派弁護士の土屋公献(こうけん)=21年死去=は、13年4月13日付の「朝鮮時報」でこう指摘。八木によると、講演などでも同様の発言を繰り返してきた。


続きます。
http://www.sankei.com/west/news/170724/wst1707240004-n1.html
2017.7.24 06:00