2017年7月16日までの4日間、米ニュージャージー州のトランプ・ナショナルGCで開催された女子ゴルフの今季メジャー第3戦、全米女子オープン選手権はまさに「韓国女子オープン」と化した。開催地は一目瞭然、不動産王で大統領のトランプ氏所有のゴルフコースだ。

 韓国選手は、パク・ソンヒョン(24)が逆転優勝を果たしただけでなく、2位に高校3年生のチェ・ヘジン(18)が入り、3位に世界ランキング1位のユ・ソヨン(27)らがつけるなど、トップ10以内に8人がひしめく状況で終わっていた。

 韓国・ハンギョレ新聞は「リーダーボードの上をほとんど占領する初めてのことが起きて、世界のゴルフ界を驚愕させた」と自賛したほどだ。

 朝鮮日報は大会が始まる前の7月11日に「全米女子オープン、今回も韓国選手の胸に?」のタイトルで報じていた。すごい自信だが、最近10年で韓国選手は6勝している。1998年の大会で朴セリが当時の最年少20歳9カ月で優勝し、韓国にゴルフブームをもたらした。

 現在、米ツアーで活躍する選手らは朴セリの活躍に触発されてゴルフを始め、「朴セリ・キップ」と呼ばれるほどだ。それだけに、朝鮮日報は「何よりも全米女子オープンは韓国が女子ゴルフの世界最強国の地位に上がる礎になった」と論評するほどである。

 さらに同紙は「韓国選手たちはこれらの勢いを継続し、独壇場にする覚悟だ」と報じていたが、まさか本当になるとは…。今回156選手が出場し、韓国選手は28人、全体の17.9%だった。

 開催国の米国選手は56人と最多選手を送り込んだが、世界ランク3位のレキシー・トンプソン(22)は27位、ミシェル・ウィー(27)は首痛で棄権など芳しくなく、10位以内に1人も入らなかった。

 1946年に大会が始まって以来、初めての出来事となり、「韓国をはじめとするアジアの勢力が強くなったとはいえ、トップ10に米国選手が入らなかったのは大きな事件だ」と中央日報が伝えたほどだ。

 さらに同紙は「結果的に『米国を再び偉大にしよう』というトランプ大統領のスローガンは米国最高の大会である全米女子オープンではむなしく聞こえた」と皮肉を込めて評した。

 一方、米国のインターネットのゴルフニュースサイト、ゴルフドットコムは「歴代メジャー大会で一つの国の選手がこれほど上位を独占したのは草創期の英国しかない」と韓国選手を評価しながらも、米国選手の不振に不満をあらわにした。

 ロイター通信は、トランプ大統領が所有するゴルフコースに引っかけ、「米国ファースト(第一)ではなかった」とした。

 加えて、米国内でのテレビ視聴率が昨年に比べて大幅にダウンしたことが分かった。米インターネットサイトのスポーツ・メディア・ウオッチの調査によると、全米女子オープンの日曜日(最終日)のレーティングが昨年より40%も低下し、1996年以来で最低の数値に終わったという。

 ニューヨーク近郊のニュースサイト「ニュージャージー・コム」は「大統領は観戦したが、他のみんなは? そう、見なかった」と嫌みたっぷりに報じた。テレビ局NBCスポーツもは視聴率の低さから、「トランプ大統領は全米女子オープンにとってプラスになったのか、それともマイナスだったのか」と提起。

 あるキャディーの話として「グッズショップがとても貧弱だった。チケットが売れなかったので、グッズの注文も減らしたようだ。大統領が見えることでゴルフファンが反感を持ったのでは」と伝えた。これが視聴率が歴史的に低くなった理由か?

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全米女子オープンは韓国勢が圧倒。世界ランク1位のユ・ソヨンは3位に入った(AP)
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全米女子オープンは韓国勢が圧倒。優勝はパク・ソンヒョンが逆転で果たした(AP)
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優勝したパク・ソンヒョンのティーショット。全米女子オープンは韓国勢が圧倒した(ロイター)