中国海軍は7日、韓半島(朝鮮半島)に近い西海(黄海)と渤海湾一帯で3つの海軍艦隊の主力艦隊と戦闘機を動員した大規模な実弾射撃演習を開始した。中国軍機関紙の解放軍報が8日報じた。

北朝鮮のミサイル挑発で韓半島情勢が不安定化しており、有事に備えた演習に乗り出したとみられる。

解放軍報によると、演習には中国海軍の3つの艦隊の主力艦船、潜水艦数十隻をはじめ、空軍の戦闘機約10機、航空部隊、空輸部隊、海兵隊も総動員された。中国が保有するさまざまなミサイル数十発が発射された。

今回の演習は部隊を敵味方に分け、実戦形式で行われた。解放軍報は「中国軍の(昨年初めの)組織再編以降、西海と渤海湾で同時に実施した初めての大規模軍事演習だ」と伝えた。

今回の演習は山東省青島市と江蘇省連雲港市の間の西海、渤海湾一帯で10日まで実施される。中国海軍は7月27−29日にも青島−連雲港海域で演習を行ったばかりだ。

中国国防省は「今回の演習は通常のものだ」と説明した。しかし、海外メディアや軍事専門家は「北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射以降、不安定性が高まる韓半島の状況に対応する狙いがある」と分析した。

日本の外交専門オンライン雑誌、ザ・ディプロマットは「中国海軍が韓半島に近い海域で相次いで演習を実施するのは、2回のICBM発射を敢行した北朝鮮、北朝鮮への武力行使を公言している米国を同時に狙ったものだ」と指摘。

シンガポール南洋理工大学の海上安全保障専門家、コーリン・コー氏は香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストに対し、「今回の演習は北朝鮮と米国を抑制し、高まる戦争危機を抑える意図がある」と分析した。

北京=李吉星(イ・ギルソン)特派員

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