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 しかし、その韓国が描く「夢物語」はそう簡単に続かないようだ。いわゆる“ぼったくりツアー”で知られる「格安ツアー」を経験した中国人の多くが、“偽ハラル”で騙された先の中近東の観光客と同様、「韓国には二度と行かない」と憤慨しているというのだ。

 タイなどでも問題になっているが、中国人を対象にしたこの格安ツアー。韓国の旅行会社が企画したもので、3泊4日から4泊5日ほどの旅行で、4万円から5万円前後と、価格破壊の商品だ。

 飛行機代より安い価格のこの旅行。実際は、行く先々で、法外な価格の免税品や特産物の購入を「強要される」、“爆買い強行ツアー”と言われるものだ。

 その実態は凄まじい。

開き直る韓国人に中国人も唖然

 筆者の教え子が参加した上海からの韓国ツアーは、早朝にソウルに着いた後、休憩もなしに、めまぐるしく名所旧跡を連れ回された。

 途中、キムチスープや名物料理のサムゲタン(中国人はチキン料理に目がない!)など、温かいはずの料理は冷た〜く、プルコギも“ブリヂストンのタイヤ”(教え子が擬似表現)のように、限りなく硬かった。

 2日目と3日目は、ロッテワールドなどに行ったが、アトラクションには当然、時間切れで乗れず。両日とも、“免税店弾丸ツアー”。

 高額な高麗人参やマツタケなどを勧められ、購入しなかったら、「お客さんのツアーは飛行機代が無料。買わないわけにはいかないでしょう」と韓国人ガイドがキレる始末。

 実態は、観光ではなく、免税店巡り。これでは、「二度と韓国に行きたくない」(中国人の教え子)という観光客が増えるのは間違いない。

 実際、韓国文化観光研究院などによると、昨年の韓国への再訪率は「38.6%」で、前年度の46%から約10%も下落した。外国人観光客の数のみならず、リピーターも大幅に減少。

 訪韓外国人の減少は、中国人や日本人だけでなく、欧米人や東南アジア人にも傾向として表れている。その1つが治安の問題だ。

 昨年、訪韓のスウェーデン人の女性が、韓国人男性3人に集団レイプされる事件が勃発。

オーストラリアからは最も危険な国指定も

 さらにその前年には、オーストラリア人女性がレイプされるなど、この事件を機に、オーストラリアでは、レイプ事件が大きな国際問題になっているインドを抜き、「女性観光客にとって最も危ない国」として韓国がトップにランキングされるなど、かつての「ダイナミック・コリア」の国際的評判は下がる一方だ。

 韓国人の訪日が上半期トップだった日本は、外国人観光客の再訪率が昨年「61.6%」(日本政府観光局)で、前年度の58.7%から上昇した。

 韓国人が日本を愛して止まない理由は、「日本の代わりになる国がない」(韓国メディア)こと。

 国独自の「オリジナリティ」に欠け、日本の桜が、中国の孔子が、「韓国が発祥」などと言っている間は、いつまで経っても自国民にそっぽを向かれるだけでなく、外国人からも「韓国には二度と行きたくない」と言われても弁明の余地がない――。

末永 恵
ジャーナリスト

(おわり)