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 また、「中国は外交攻勢をかける前に経済攻勢をかける。東南アジアの国々は中国にとって戦略的に極めて重要なので、どんどん投資し、支援をしていく。それを返せなくなると、今度は政治的な要求を突き付け、中国から離れられなくなってからどんどん外交攻勢をかけていく」と説明した。

■ブータン国民は自分たちのペースでのんびりと生活

 ブータン在住で現地の旅行会社に勤務する佐藤こず恵さんは、「国内ではこのニュースに触れることはなく、話題としても出ていない。国民も危機感を感じてはおらず、自分たちのペースでのんびりと生活している」と話す。

 長尾氏は「機微に触れることでもあるので、あまり宣伝をしていないということもあると思う。危機を意識することは心の平和を乱すので、本当の意味で幸せでいられるのは、インドが守ってくれるから」とした。

 眞子さまのご訪問などを通じて、日本人にとっても馴染み深いブータン。今回の問題に、日本はどのような役割を果たせるのだろうか。

 「インドと手を組んで、中国とのパワーバランスを拮抗させたいという意識が日本側に働いていると思う。9月に安倍首相がインドに行き、海洋安全保障協定を結ぶと思われる。

 ドクラム高地で睨み合いが始まってからも、海上自衛隊の護衛艦「いずも」がインド海軍と共同演習をしているし、日本とインドの協力関係を継続して示している。日本にとっては対中国という点でインドの重要性は高まっている。今後日本ははっきりとインド支持の方向に進むのでは」と予測した。

 小原氏は「海上自衛隊がインド洋に行くことを中国はあまり恐れていない。しかし、インドが東に出てくることについては非常に警戒心を強める。インドは陸軍国で、中国との紛争は陸上だとインドの軍人はみんな言う。日本は海洋国家なので、その点でインドとの認識を合わせるのは難しいのでは」と語った。

(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

(おわり)