開発などで数が減ったアジアゾウが、中国での保護活動の結果、生息数が増える一方、農作物を荒らすなど被害も出ていて、人間との共存が課題となっています。

背丈がおよそ3メートルで、小ぶりの耳を持つアジアゾウはかつてはアジアの広い範囲に生息していましたが、開発で生息地を奪われたり象牙を目的に密猟されたりして数が大幅に減り、IUCN=国際自然保護連合から絶滅危惧種に指定されています。

減少に歯止めをかけようとアジアゾウの生息地の一つの中国では、政府が密猟の取締りの強化や生息地の確保などの保護活動を進めています。

中国当局によりますと、取り組みの結果、2004年には180頭だった中国国内のアジアゾウの数がことしに入り300頭余りにまで増えたということです。

取り組みの一環として中国南西部、雲南省にある施設では、けがをしたり群れからはぐれたりしたゾウの子どもを保護して野生に戻す取り組みを行っていて、活動に関心を持ってもらおうと、保護されたゾウの映像をインターネットで公開するといった工夫も行っています。

一方で、保護によってアジアゾウの数が増えるとともに、農作物を荒らしたり集落を襲ったりする被害も出てきているということで、人間との共存の在り方が課題となっています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170813/k10011098221000.html