>>1の続き)

 10年12月に有識者懇談会を発足させたが、直後の震災で議論は先送りになった。13年5月に導入見送りを決めた際、村井嘉浩知事は復興が最優先課題であると強調。「大変な人手と財源がかかるため、県として対応する体力がない」と述べた。

 憲法が禁止する「二重処罰」の恐れも指摘され、GPS監視制度に対する反対論は、法曹界を中心に根強いが、どこかのタイミングで再び議論に火がつく可能性がある。そのとき、隣国の運用状況はどうなっているのか。大きな注目を集めると同時に、議論を左右する要素の一つにもなりそうだ。

■GPS グローバル・ポジショニング・システムの略称。地球を周回する人工衛星を利用し、電波を受信する機器の正確な位置を測定するシステムのこと。軍事目的で開発されたが、現在は民間での利用が進み、カーナビゲーションのほか、多くの携帯電話や時計にも搭載されるようになった。

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7月26日、女子トイレで性暴行に及び、逃走した女性らを追いかける男の姿をとらえた防犯カメラ画像。男は足首に電子足輪を装着していた=YTNニュース配信のユーチューブ映像から
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電子足輪を切断し取り外そうとする装着対象者のイメージ画像=韓国法務省公式ブログから
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制度施行当初に使用された電子足輪(右)と、素材を変え切断を難しくするなどした改良版(韓国法務省ホームページから)

(おわり)