在韓米軍が慶尚北道星州に野戦配備した高高度防衛ミサイル(THAAD)のレーダーは、中国方面を探知できない位置に据えてあることが分かった。

韓国政府は今月12日、THAAD基地で小規模環境影響評価を実施した。この作業に参加した韓国政府の関係者は18日「THAAD基地は山に取り囲まれており、THAADのレーダーは西側の山のふもとにぴったりとくっつけて置かれていた。中国方面は山が電磁波を遮り、探知できない配置」と語った。

THAADで中国内陸部を覗き見ることができるという中国の懸念は杞憂に過ぎない、ということだ。

この点に関して、国防部(省に相当)の関係者は「現在THAADのレーダーが置かれている位置は、北朝鮮のミサイルを探知する上で最もふさわしい場所を選んだ結果。位置の選定に当たって、ほかに変数はなかった」と語った。

つまり、THAADは北朝鮮のミサイルに対応するためという当初の軍事的目的に合わせて配置しただけであって、中国の反発といった政治的・外交的変数は考慮しなかったと言っている。

しかし韓国軍内外からは「今年4月末にレーダーやランチャー2基などTHAADの一部戦力を野戦配置した際、韓米が中国の反発を意識して、そもそも中国方面を探知できない位置にレーダーを置くことにした可能性はある」という声が上がっている。

星州に配備されたTHAADのレーダーは、最長探知距離が600−800キロの終末段階迎撃用(ターミナル・ベースド・レーダー、TBR)として運用されている。

中国は、このレーダーが中国の安全保障上の利益を侵害する探知距離2000キロの前方配置用(フォワード・ベースド・レーダー、FBR)に転換されかねないという理由から、THAADの配備に強く反対してきた。

韓国政府の関係者は「現場を見れば、THAADはもっぱら北朝鮮のミサイル対策を目的に配備されたという説明がまさしく理解できる。

しかし中国は、THAADを叩いて韓米同盟を揺さぶろうという意図を持っているので、そもそも「中国探知用」ではないという証拠を挙げても聞こうとしない」と語った。

李竜洙(イ・ヨンス)記者

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