卵の入らないパン、直接作り
菜食カフェに植物性食品の注文増え
生協の卵、1時間で品切れになることも

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殺虫剤が検出された全羅南道羅州のジョンファ農場の卵。生産者番号「13ジョンファ」が烙印されている=食品医薬品安全処提供//ハンギョレ新聞社

会社員のキム・ホヨンさん(36)は17日、書店に立ち寄って卵・バターなしで作る菜食パンと菜食料理のレシピが書かれた本など菜食関連本3冊を買った。

キムさんの4歳の娘は食事のたびに卵のおかずを欲しがるが、「殺虫剤卵」騒ぎがあってからは卵料理を出すのがためらわれるようになったためだ。

キムさんは卵のおかずに代わる食べ物に悩み、オンラインの育児コミュニティやブログなどを見て菜食料理と卵なしで作るパン情報を知り、関心が深まった。ついでに菜食料理や製パンの授業も探すつもりだ。

キムさんは「娘によくおやつで与えるパンや菓子にも卵が入っている」とし、「子どもはおやつを欲しがるのにあげないわけにいかもない。直接学んで安全なおやつを作ってあげたい」と話した。

「殺虫剤卵」騒ぎ以降、卵なしで作る菜食料理やおやつの料理法に関心を持つ人が増えている。値段が少し高くても有機栽培の生活協同組合(以下生協)の製品を買い求める消費者の足取りも増えた。

ビーガン(ベジタリアン)食堂の運営者は卵の騒ぎ以降、「安全な食べ物を求める消費者の関心と変化を実感している」と口をそろえる。

ソウル麻浦区(マポグ)合井洞(ハプチョンドン)でビーガンカフェ「クック&ブック」を運営しているチョン・スミさんは最近「卵が入っていないケーキを注文したい」という予約電話をよく受ける。

チョンさんは10年ほど前からビーガンカフェを運営している。ビーガンカフェの特性上、バターや卵を使用せず植物性の材料のみを使用して作った食事やケーキなどを販売する。

ベジタリアンは、植物性食品だけ食べる完全ベジタリアンであるビーガン(Vegan)と、牛乳や乳製品は食べるラクト(Lacto)、卵まで食べるオボ(Ovo)、卵・牛乳・乳製品をすべて食べるラクト・オボなどに分けられる。

チョンさんは「卵騒ぎの後、普段より1日2〜3件ずつ注文が増えた。10年前まではベジタリアンが多くなく、カフェ運営が楽ではなかった。だが、鳥インフルエンザ(AI)や『殺虫剤卵』騒ぎを経験してベジタリアン人口が増えているというのがはっきり感じられる」と話した。

釜山東莱区(トンネグ)で菜食ベーカリーを運営するキム・ミンシルさん(43)は消費者が理解しやすいように以前から店の前に「(パンを作る時)卵、牛乳、バターなどを使用しません」というお知らせ文を貼っていた。最近、お知らせを見た親たちからの問い合わせが頻繁になり、普段より30%ほど客が増えた。

キムさんは「(『殺虫剤卵』騒ぎ以降)周りで菜食に関心がなかった方たちも『菜食ベーキング』を前よりも受け入れやすくなっているようだ」とし、「消費者が食べ物にもっと気を配り関心を持つようになったようだ」と話した。

エコ農産物を直取引する生協に訪れる人も増えた。ソウル市麻浦区にあるハンサルリム城山(ソンサン)店は、最近卵の棚が早いうちに空になる。城山店は週に10個入り卵を60個仕入れて売っている。

普段は通常午後3時頃に売り切れるが、「殺虫剤卵」騒ぎ以降はオープンしてから1時間で売り切れる。ハンサルリム、アイコープ生協、ドゥレ生協などは、全ての生産農家で防疫当局の検査の結果、殺虫剤成分が検出されなかった。

ハンサルリムの関係者は「最近、生協組合員の加入者が増えた。非組合員・組合員を問わず、ここに入る卵は安全なのかの問い合わせが殺到している」と話した。

パク・スジン記者、チェ・ソヨン、チョ・ジンヨン教育研修生

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