>>1の続き)

中国事業の不振が続きいらだちを募らせるばかりの韓国企業だが、今の韓国経済界には韓国政府を動かす力はない。政治力を発揮する際の「窓口」であった経済団体「全国経済人連合会(全経連)」が危機に陥っているためだ。

全経連は朴槿恵(パク・クネ)前大統領とその友人の国政介入疑惑に巻き込まれ、財閥企業が続々と脱退。これまでにサムスングループやLGグループといった大手財閥が相次いで抜けた。

まとめ役だった全経連は影響力が低下し、韓国企業が事態の打開を働き掛けることができないでいる。文氏は大統領就任直後に対中関係の改善を訴えていたものの、今のところなすすべがないのが実情だ。

韓国企業のある関係者は「THAADについてはまったく解決の兆しがみられない。中国関連の企業の実績が回復するのは容易ではない」とため息をつく。

韓国企業が国内での成功をもとに「世界の市場」と呼ばれる中国に打って出る規模拡大戦略は曲がり角を迎えた。今後、韓国企業の中国撤退が相次ぐことも否定できない。(経済本部 佐藤克史)

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中国事業が不振の現代自動車の展示車両=韓国(ロイター)

(おわり)