韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領は、アメリカ軍と韓国軍による定例の合同軍事演習が21日から始まったことを受け、「北は平和を守るためのわれわれの努力を口実にして挑発的な行動をしてはならない」と述べ、演習の期間中に追加の軍事的挑発を行わないよう北朝鮮をけん制しました。

アメリカ軍と韓国軍による定例の合同軍事演習、「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」は21日から今月31日までの日程で韓国で始まり、朝鮮半島の有事を想定しコンピューターを使って指揮系統の連携などを確認しています。

これを受けて韓国のムン・ジェイン大統領は21日、NSC=国家安全保障会議と閣議を相次いで開きました。このうち閣議の冒頭、ムン大統領は演習の目的について「毎年行っている防衛的なものであり、朝鮮半島で軍事的緊張を高める意図は全くない」と強調しました。

そのうえで「北は平和を守るためのわれわれの努力を口実にして挑発的な行動をしてはならない。北が挑発を続けることで、米韓が防衛のために演習を行うという悪循環が繰り返されている」と述べ、演習の期間中に追加の軍事的挑発を行わないよう北朝鮮をけん制しました。

一方、韓国を訪れているアメリカ太平洋軍のハリス司令官と、アメリカ軍で弾道ミサイル防衛を担う戦略軍のハイテン司令官は、そろって演習初日の様子を視察しました。

2人は22日、ソウル近郊の空軍基地で記者会見を開く予定で、アメリカのグアム島周辺に向けた弾道ミサイルの発射計画を明らかにしている北朝鮮に対しどのようなメッセージを打ち出すのか注目されています。

中国外務省「演習は緊張緩和にマイナス」

アメリカ軍と韓国軍による定例の合同軍事演習が21日から始まったことについて中国外務省の華春瑩報道官は「緊張している情勢の緩和のためにならず関係国が対話を促そうとする努力にとってもマイナスだ」と批判しました。

そして北朝鮮の核・ミサイル開発と米韓の合同軍事演習を双方が暫定的に停止するという中国の提案を積極的に考慮するよう呼びかけたうえで「なるべく早く対話に戻るための措置を取り、適切に朝鮮半島の問題を解決するための建設的な行動をするよう求める」と述べ対話による解決を促しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170821/k10011106591000.html

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