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「夢を追うなら中国かな」

同じ中国人が、目の前で、数十万円、数百万円という信じられない額のお金を使うのを目の当たりしている白さん。「正直、お金持ちがうらやましいと思ったことは、もちろんありますよ」と、本音を打ち明けます。

「こつこつ働いても、時給1200円では、お金持ちになるめどは立ちません。心の落差が生じたこともありました」

また、日本人の従業員の中には、中国人観光客は、みんなお金持ちというイメージがあるのも気になると言います。

「中国人は14億人もいます。上から1%の金持ちの人数だけで1400万人です。絶対数が多いだけですから」

それでも、最近は、自分の生き方を大事にしようと思っているそうです。

「お金持ちは、お金持ちの生き方で、私には私なりの生き方があります。日本社会は、安定していて便利です。日本人も90%は優しいと思います」

現状を前向きにとらえている白さんですが「でも夢を追うならば、やはり中国かな」と笑いながら話していました。

rong zhang
中国出身のメディア研究者です。朝日新聞デジタル編集部で記者として働いています。良質な記事を読者のみなさんに提供していきたいです。

(おわり)