Good News Collection: 鶴見警察署長、大川常吉さんのこと
http://blogs.dion.ne.jp/mrgoodnews/archives/1750156.html

 鶴見警察署にはこのとき警察に保護を求めてきた朝鮮人が三百名ほどいたという。この
ことを知った民衆は「朝鮮人を出せ」と叫びながら警察署を取り囲んだ。その数は千人ほど
という。そのうちに「朝鮮人に味方する警察などたたきつぶせ」と次第に暴徒化の気配を
漂わせ始めた。
 もはやこれまでと覚悟を決めた大川署長は群衆の前に立ち、「よし、君らがそれまでこの
大川を信頼せず、いうことを聞かないなら、もはや是非もない、朝鮮人を殺す前に先ずこの
大川を殺せ」と叫んだ。身命をかけたこの大川署長の態度に猛り狂っていた群衆も威圧されて
ようやくなりを潜めた。
 群衆を前にして彼はこうも言ったという。「朝鮮人が毒を投入したという井戸水をもってこい。
私が先に諸君の前で飲むから、もしも異常があれば朝鮮人を諸君に引き渡す。異常がなければ
私に預けよ」

 戦後助けられた朝鮮人たちが大川さんの墓の前に感謝の碑を建てたというので、その墓の
ある潮田三丁目の東漸寺を訪ねてみた。
 
 故大川常吉氏の碑
 関東大震災当時、流言飛語により激昂した一部暴民が鶴見にすむ朝鮮人を虐殺しようとする危
機に際し、当時鶴見警察署長故大川常吉氏は、死を賭してその非を強く戒め、三〇〇余名の生命
を救護したことは誠に美徳である故、私たちはここに故人の冥福を祈り、その徳を永久に讃
揚する。