中国の生産者物価上昇は、企業の増益や経済成長を支えると同時に、急増する国内の債務に習近平国家主席が厳しく対処する機会を提供してきた。

習主席が進める経済のレバレッジを縮小させる取り組みは7月の全国金融工作会議の後に勢いを増しているが、ここへきて実質金利の上昇という問題にぶつかるリスクが生じている。

ブルームバーグがまとめた市場のコンセンサス予想によると、中国の生産者物価指数(PPI)の伸びは今後鈍る。

一方で、産業界の実質金利は2017年1〜6月(上半期)のマイナス2.25%から、18年1〜3月期(第1四半期)にはプラス2.85%に上昇する見込みだ。

その場合、企業の利益は圧縮され、債務返済負担が高まる。特に中国で最も多額の債務を抱える素材などの川上企業は厳しい状況に追い込まれる。

習主席はレバレッジ縮小の手を緩めるか、より深刻な景気後退を受け入れるかの選択を迫られる。

ソシエテ・ジェネラルの中国担当チーフエコノミスト、姚●氏は「レバレッジ抑制に向けた中国指導部の決意が真に試される。成長鈍化か、さらなる債務増大のいずれかを再び選択しなければならない」と指摘した。

(ブルームバーグ Kevin Hamlin、Xiaoqing Pi)

●=火へんに偉のつくり

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170826/mcb1708260500015-n1.htm