最近のK-POPアイドルグループの特徴の一つに、大所帯であることが挙げられる。

日本でも人気のTWICEは9人編成であるし、ボーイズグループEXOはもともと12人でデビューしている(現在は9人)。

ここ数年の間にデビューした新人グループも同様だ。例えばPRISTINは10人、IOIは11人、宇宙少女は12人と、いずれもメンバーは2ケタだ。

日本でAKB48などを見慣れているとそれほど多く感じないかもしれないが、この人数は韓国のアイドル史の中では異例とも言えるだろう

というのも、90年代後半から2000年代初めに韓国で一世を風靡した「アイドル第一世代」のグループたちを振り返ると、H.O.T.は5人、Sechs Kiesも6人と、5人前後のグループが主流だったのである。

大人数はSMAP を目指すため?

それが現在は10人を超すグループもざらになってきているわけだが、そもそも大所帯グループの先駆けとなったのはSUPER JUNIORだった。

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(写真提供=SPORTS KOREA)SUPER JUNIOR

2005年に13人でデビュー(現在は11人)した彼らは、周知のとおり、今やK-POPを代表するグループの一つになっている。

彼らの成功をきっかけに、2007年デビューの少女時代(当時9人)や2008年の2PM(7人)など大所帯グループは増えていったわけだが、なぜSUPER JUNIORはあれほどの大人数でデビューしたのだろうか。韓国のある音楽関係者はこう語る。

「(アイドルは)昔のように音楽で認めらなければならない面もあるが、最近はそれだけでは足りない。

テレビ番組にメディア取材、オンラインでの宣伝活動など、多方面でグループをアピールしなければならないので、プロモーションに合った個々のキャラクターが必要になる。それで人数も増えていったのではないか」

実際、SUPER JUNIORはロールモデルにSMAPを挙げており、バラエティ番組のMCや映画主演など、メンバーそれぞれが多彩な持ち味を発揮している。

こうした多方面での活躍は、メンバーが多いからこそ可能性が広がったと言えるだろう。

ユニット活動で支持層拡大

メンバーが多くなったメリットは、ほかにもある。韓国メディア『NEWSIS』は、「SUPER JUNIORからEXOまで、アイドルメンバー総整理…どんどん増えている理由は?」と見出しを打った記事で、こう綴っている。

「大人数での活動は、ステージ上でも相乗効果を発揮する。チームのメンバーたちで結成する、それぞれのユニットが代表的だ。多様なメンバーの中でも近いカラーを持ったメンバー同士でユニットを組むことが多く、グループ全体の音楽性とはまた違った姿を届けられる」

確かに、最近のK-POPグループではユニット活動を行うのが一般的だ。

例えば少女時代はボーカル担当のテヨン、ティファニー、ソヒョンが“テティソ”を組んでいるし、元祖大所帯グループのSUPER JUNIORにもボーカル担当を集めた“SUPER JUNIOR-K.R.Y.”などのユニットがある。

ガールズグループAFTERSCHOOLのレイナ、ナナ、リジで結成したユニット“ORANGE CARAMEL”に至っては、本来のグループよりも人気が高いという声まで囁かれているほどだ。。

こうしたユニット活動の盛り上がりについて、『文化日報』などで韓国芸能界に関するコラムを連載する文化評論家のハ・ジェグンはこう評価している。

「アイドル第一世代の時代は個々での活動をタブー視する雰囲気があったのですが、近頃はアイドルグループ自体が一つのプラットフォームになったと感じます。すべての活動を全員で行うのではなく、グループを基本としつつ、ユニット活動などで支持層を拡大していっているのです。

そうすることで、グループの中では見せられなかった個性や能力を発揮できますし、むしろグループにとってもプラスになっている。そしてファンにとってもプラスになっており、まさにWin-Winを生み出しています」

メリットはほかにも、単純にメンバーが多ければ新規ファンを獲得しやすいという面もあるだろう。

http://s-korea.jp/archives/19444

>>2以降に続く)