>>1の続き)

ところが、安倍首相は「対話のための対話は無意味だ」として交渉に反対してきました。相手側が軍事的な挑発だと受け取る可能性のある対応を自制し、交渉のテーブルに付きやすい環境を整備することこそ、何よりも今、求められていることではありませんか。

一方が牽制し他方が反発するという形での軍事力による応酬が続く限り、このような対話は実現できません。前提条件を付けず、無条件での対話を実現するために、日本政府としても努力するべきです。

これが憲法9条の求める道でもありますが、安倍首相にそのような意思はうかがえません。北朝鮮危機を解消し、日本周辺の安全保障環境を改善して戦争を防ぐためにも、安倍首相を退陣に追い込むことは急務となっています。

五十嵐仁
元法政大学大原社会問題研究所教授・所長
2014年3月まで法政大学大原社会問題研究所教授・所長
専門分野:政治学、戦後政治史、労働問題、労働政治、選挙制度
関心領域:日本の政治と労働に関わるすべての問題

(おわり)