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金正恩氏は29日、平壌郊外の順安空港でミサイル発射の現場を見守りながら「侵略の前線基地であるグァム島をけん制するための意味深長な前奏曲」「今後は太平洋を目標とし、弾道ロケットの発射訓練を何度も行う」と述べた。ICBMを完成するまで今後もミサイル発射を続けることを明言したのだ。

6回目の核実験も今すぐにでも可能な状態だが、これらを阻止する手立てを韓国は持ち合わせていない。

このまま北朝鮮が最後の核実験とミサイル開発に成功すれば、北朝鮮と米国のどちらが先に動くにせよ、交渉に向けた動きが出てくるのは時間の問題だ。そうなると北朝鮮は核とミサイルの凍結に対する見返りとして莫大な金品を要求してくるだろうし、その見返りはそのまま韓国の安全保障にとっても大きな脅威となるはずだ。

その時、大韓民国はどう対応すべきだろうか。「平和」という言葉で飾られた妥協に満足し、金正恩氏が要求する見返りを差し出すのか、あるいは北朝鮮に対する圧力を継続し、新たな次元の手段を見いだすかの大きな岐路に立たされるだろう。ただ無条件に「対話による解決」ばかりを訴えてすむ問題ではない。

その対話が平和ではなく大韓民国国民を核の人質として差し出すものであれば、それに同意などしてはならない。

昨日、韓国大統領府は駐米、駐中、駐日大使を指名したが、3人はいずれも大統領選挙で文大統領を支援した人物だった。米国、中国、日本のいずれとも正常な関係を築けていない今の状況において、彼らに当面の課題を解決できるような経歴や力量など見いだせないとの声も聞こえてくる。この指摘を3人は謙虚に受け入れるべきだろう。

(おわり)