男子児童(12)と性的関係を持ったとして逮捕された慶尚南道内の小学校の女性教諭(32)に関して、インターネット上で「身元特定」が行われて2次被害が懸念されることから、警察が本格的な捜査に乗り出した。

慶尚南道地方警察庁が30日、「インターネットやスマートホンの無料チャットアプリなどに女性教諭ら関係者の写真や個人情報が流出しているため、最初に流布した人物の捜査に着手した」と明らかにした。

ネット上では、加害者とされる女性教諭の氏名・出身校・家族関係など具体的な個人情報が拡散されている。警察関係者は「ある女性から29日に『被疑者の写真だとして、私の写真が流布されている。流布した人物を見つけてほしい』と告訴状が提出された。この女性は事件とはまったく関係のない人物だ」と説明した。

被害に遭った男子児童に対する攻撃も多い。警察の取り調べで、女性教諭が「(男子児童は)ハンサムだったので、好きだという感情が芽生えた。両思いだった」と供述したと報じられたことから、ネット上には「男子児童は『つつもたせ』だったのでは」「リアルな性教育を受けた」など冷やかしの書き込みが多数寄せられている。

さらに、女性教諭が勤務していたとされる小学校のホームページから児童の集合写真をコピーし、特定の児童を『容姿が際立っている』として名指しし、被害児童だと憶測する書き込みもあった。学校側は、アクセスが集中したことからホームページを30日に閉鎖した。

慶尚南道教育庁関係者は「被害児童は現在、心理カウンセリングや病院での治療を受けている。まだ今回の事件について知らない児童も多い。憶測や身元特定はやめてほしい」と語った。

これまでもネット上の無分別な身元特定が無関係の被害者を生んできた。昨年7月、ネット上のコミュニティー・サイト「日刊ベスト」会員5人が「(全羅南道)新安郡の島で起きた女性教諭性的暴行事件の被害者」として、事件と無関係の女性教諭の写真や個人情報を拡散して警察に検挙された。

この女性教諭は知人から「本当に性的暴行の被害者なのか」という電話が一日に何度もかかってきたため心労が重なり、とうとう辞表を提出した。

2010年には、ソウル市内の中学校の女性教諭が生徒と性的関係を持った事件が報道され、女性教諭の夫と子ども、被害生徒のほか一部生徒の写真や個人情報がネット上に流出した。

警察庁サイバー捜査隊の関係者は「性犯罪事件では加害者だけでなく被害者の身元特定や個人攻撃も行われるため、2次被害につながるケースが多い」と話している。

ヤン・スンジュ記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/08/31/2017083100972.html