>>1の続き)

“農民&野菜ソムリエ 藤田 浩志(こうし) @kossyvege

Jアラートはあくまで警報だからそれをどう活かすかは個々人次第。俺はこんなふざけたミサイルで死にたくないし家族も死なせたくないし折角警報が鳴ってるのに何もせず後悔したくないので、事前にイメージトレーニングして冷静に対応し最善を尽くす。東日本大震災の教訓を無駄にするわけにはいかない。
17:44 - 2017年8月29日”(https://twitter.com/kossyvege/status/902451939438280704

彼の言葉には保守とかリベラルとか思想的なものはない。そこに宿るのは、未曾有の震災を経験した人ならではのリアリティーだ。

朝日新聞がどれだけ自分たちの思う方向に声を並べ立て「角度」をつけようとしても、現実を知る一つの言葉の前に机上の思惑は瓦解してしまう。私自身は朝日新聞とは逆のポジションをとることは多いが、この藤田さんの言葉の重みを受け止め、リアルを意識する大切さを忘れないように自戒したい。

なお、朝日の名誉のために付け加えておくと、先述の名古屋版記事にはもう一人、危機管理の専門家である日大の福田充教授も登場し、訓練について「やらないよりはやった方がいい」と冷めた見方であるものの、前田氏よりは前向きなコメントを掲載してはいた。

しかし、先述したように、記事の締めくくりに使った前田氏のコメントこそが記者の「本音」であろう。

少なくともこの記事を出した朝日の名古屋社会部に置かれては、訓練にケチをつけた直後に発射があったことを踏まえ、今後の報道のあり方を見つめ直す契機にしていただければと思う。「アンチ愛」からの苦言であり、名古屋社会部の記者たちにも拙著をお読みいただければ幸いだ。

新田 哲史

(おわり)