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【朝日新聞】少女像バスを考える 一連の動きを日本をすべて否定する「反日」ととらえて、ますます韓国を嫌いになるのは早計だ[9/02] [無断転載禁止]©2ch.net

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2017/09/02(土) 01:12:45.81ID:CAP_USER
■特派員リポート 武田肇(ソウル支局)

戦後72年を迎えたこの夏、韓国では植民地時代の負の記憶に例年になく焦点が合わせられ、日本批判の動きが強まった。戦時中、日本に労働動員された徴用工の像がソウルなどに初めて建てられたのをはじめ、慰安婦問題を象徴する「少女像」が全国約10カ所で新たに除幕され、日本に謝罪と賠償を求める市民団体が次々と記者会見を開いた。

そんな雰囲気の中で意外性を含めて話題となったのが、ソウル市内を循環する路線バスに少女像が設置されたニュースだ。日本大使館の近くやロッテ百貨店、ソウル駅の前を走り、外国人観光客も利用する「151番」バスの34台のうち5台の座席だ。9月末までの期間限定ながら、日本側では菅義偉(よしひで)官房長官が「未来志向の(日韓)関係を発展させる努力に水を差すことになりかねない」と非難し、外交ルートで韓国側に「適切な対応」を求める事態になった。

私は大阪本社社会部や広島総局で勤務していたとき、100人を超える国内外の戦争被害者の取材を重ねた。韓国の人々が慰安婦問題を伝えるために様々な取り組みをするのは理解できる。しかし、なぜバスなのか、乗客たちはどう受け止めているのか、様々な疑問を胸にバスに乗ってみた。

     ◇

8月下旬のある朝。ハイキングコースとして知られる北漢山(プカンサン)の登山口に近いソウル市北部、牛耳洞(ウイドン)。バス車庫に隣接した始発停留所から「151番」バスに乗り込むと、運転席から2番目の1人席に少女像があった。高さ約130センチでチマ・チョゴリ姿、肩には小鳥が止まっている。ソウルの日本大使館前に2011年に設置された少女像と似ているが、プラスチック製で、彩色されているのが特徴だ。

乗客は私と同僚の韓国人記者の2人。なのに人影はもう一つある、という不思議な空気のなかで、バスは走り出した。

「ほんとうに人間のように座っていたので、びっくりした」。二つ目の停留所から乗り込んできた中学1年生の女子生徒は、率直な感想を口にした。ニュースで知ったが、実際に見たのは初めてという。

「不思議な感じもするけど、慰安婦にされたおばあさんたちの苦しみを想像できました」

同級生の女子生徒は、こう語った。

「(元慰安婦の)おばあさんたちは(韓国に)帰ってきてから差別を受けたり、後ろ指を差されたりした。今こうやって一緒にバスに乗れるようになって良いことだと思います」

2人とも少女像がバスに設置されたことは好意的に受け止めていた。

お寺に行くためよく「151番」バスに乗るという女性(79)は、「(バスに載った少女像を見るたびに)申し訳ないという気持ちになる」と話した。「すでに亡くなった元慰安婦の人たちには、天国で安らかに暮らしてほしい」

     ◇

少女像が置かれた座席の窓ガラスには「少女像は目で見るだけにして下さい」と記したステッカーが張られていた。手に触れる乗客がいるからだろうか。その下には韓英中日の4カ国語でこんな説明書きが添えられていた。

《日本政府は、現在まで“慰安婦”被害女性らにしっかりとした謝罪をせず、韓国政府に在韓日本大使館前の少女像を撤去し“慰安婦”問題を国際社会で取り上げないことを要求しています》

《バスに一緒に載った少女像を見て、苦難の韓国の歴史をもう一度考えて、次の世代が正しい歴史意識を持つ契機になることを望む気持ちで企画しました》

ここまで読んだ読者の中には「慰安婦問題を『最終的かつ不可逆的』に解決するとした日韓両政府の合意はどうなったのか」と言いたくなる人もいるかもしれない。

日韓両政府は2015年12月28日、元慰安婦らの心の傷をいやすため財団を設置し、そこに日本政府が10億円を拠出して事業をおこなう一方、韓国側は日本大使館前の少女像移転に努力するということで合意した。実際、財団が進める事業の柱である現金支給事業を、元慰安婦らの7割以上が受け入れている。

韓国でもそうした経緯は報道されていないわけではない。

http://digital.asahi.com/articles/ASK8Z5DS8K8ZUHBI00Z.html

>>2以降に続く)
0002ねこ名無し ★@無断転載は禁止
垢版 |
2017/09/02(土) 01:13:07.04ID:CAP_USER
>>1の続き)

しかし、特に文在寅(ムンジェイン)政権になって、日韓合意は「元慰安婦や国民の多数が反対している」側面が強調されるようになっている。

合意の内容を知っている人であっても、締結した朴槿恵(パククネ)前政権が国民によって弾劾(だんがい)、罷免(ひめん)されたことから「清算すべき遺物だ」と見なしたり、元慰安婦への直接謝罪がなかった点を問題視したり、手厳しい評価がふつうだ。中学生らの感想や説明書きの内容は、いまの韓国社会ではごく平均的なものだ。

話を元に戻そう。

「151番」バスは市中心部に近づくにつれて乗客が増え、座れない乗客も出てきた。少女像があるために乗客が座れる席が1人分減った形だが、不満を言う乗客はいない。乗客らは格別少女像に関心を示すそぶりを見せていない。一方、ちらっと視線を送る乗客もおり、無視しているわけでもなさそうだ。

バスが日本大使館近くの安国駅を通りかかると、急に車内放送で韓国の民謡「アリラン」が流れた。昨年公開された慰安婦問題をテーマにした韓国映画「鬼郷」の一場面の音声という。乗客は押し黙り、重い時間が流れた気がした。ただし、乗客の半数はイヤホンで音楽を聴いているため、聞こえていないはずだ。

「朝から気持ちが重くなりましたが、多くの人に慰安婦問題を知ってもらう方法の一つだと思います。早く問題が解決することを願っています」

IT関係に勤務しているという30代の文盛基(ムンソンギ)さんは取材にこう話し、バスを降りていった。

この日、私が話を聞いた乗客の中には、バスの座席に少女像が設置されたことに不満を漏らす人はいなかった。ただ、韓国社会では、慰安婦問題に取り組むことを「善」とする風潮が強いため、反対意見を表で口にできない空気があるのも事実だ。

このニュースを知った私の知人の40代の韓国人主婦が「妊婦にとって入り口に近い座席は命綱のような存在。いくら趣旨が正しくても、そこに少女像を座らせるなんて理解できない」と語っていたことは、あえて記しておきたい。

     ◇

このニュースが報じられると、日本では「また反日行為か」と反発が起きた。取り組みを考えた人は何を思うのか。

バスを運営する東亜運輸の林真U(イムジヌク)社長(50)が取材で強調したのは「日本への憎悪をかきたてることは本意ではない」ということと、「民間の試みを政府が外交問題として取り上げるのは、おかしい」ということだった。

社長によると、慰安婦問題に関心を持ったきっかけは、大学時代に「マッコリを酌み交わすほど親しかった」友人が、ソウルの日本大使館前に設置された少女像を制作した彫刻家だったこと。

最近、その友人と二十数年ぶりに再会し、折しも慰安婦問題をめぐる日韓合意の見直しを示唆する文政権が誕生したことから、市民への啓発として、2人でアイデアを温めたのだという。

社長はこれまで、妊婦専用席をソウル市の路線バスで先駆けて作るなど、アイデアマンとして知られる。社長はバスを「人々に情報を伝える機能を持った、メディアの一つ」と考えており、社会貢献の一つとしての取り組みなのだという。

一方で「もし朴槿恵(パククネ)政権が続いていれば、こんなことはしなかっただろう」とも話した。

菅官房長官の記者会見での批判には「当惑した」とし、「韓日の間で胸の痛む歴史があった。それが(被害者が納得する形で)解決すれば両国関係はもっと発展するというのが私の伝えたいメッセージだった」と語った。その上で、こう言った。

「過去のつらい出来事を知らせてはいけないというのはおかしい。日本は米国にハワイの真珠湾に沈んでいる軍艦(アリゾナ)の撤去を要求したことがあるのか」

     ◇

私自身が驚いたのは社長が「個人的には日本はとても好きで、何度も旅行し、技術力を尊敬している」と語ったことだ。「日本で反日主義者と見られていることに困惑している」とも語った。

そういえば、バスの車内で取材した中学1年生の女子生徒も、日本が韓国側に少女像の「適切な対応」を求めたことをとらえて「問題解決に努力すべき人たちが、何もするなと言うなんておかしい」と厳しく批判していたが、「日本のアニメが好きで、日本は好印象」と話していた。日本を見つめるまなざしは、二重的だ。

このギャップをどう見れば良いのか。

(続く)
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