<共生を考える 第9部>

「何の教育をやっているかわからない」「反日教育をやっている」「スパイ養成学校だ」−−。ヘイトスピーチ以前からそんな疑問が投げかけられる。

「授業内容を見てほしい」。滋賀朝鮮初級学校(大津市木下町)の鄭想根(チョンサングン)校長(59)はそう願う。「日本にある外国人学校や海外の日本人学校はほぼ全てが本国のカリキュラムです。しかし、私どもは、本国が日本の植民地から解放されただけで、国家にもなっていない時期から始まりました。今は韓国の教科書も共和国(北朝鮮)の教科書も使っていません。在日朝鮮人の手で作った全国共通の教科書を使っています」

最初から日本語が正課という。「『朝鮮学校に行ったら、漢字書けへんのちゃうか』。大丈夫です。5人のうち、1、2人は高校在学程度の漢検準2級をとっていますね。非常に日本語を大事にしています」

日本の早期英語教育導入を受けて、今年から5年生に英語を教えるなど、日本の学習内容を意識したカリキュラムになっている。将来、日本の学校に進学する子もおり、大半が日本の社会で就職・生活するからだ。

校長によると、小5で朝鮮の地理、小6で朝鮮の歴史を週2時間学ぶ。なおかつ日本の社会も2学期間だけだが、小4で地理、小5で歴史、小6で公民を週2時間習う。日本国籍がないと選挙権はないが、衆院議員を選ぶ小選挙区比例代表制の仕組みも教える。「数多くある外国人学校の中で、これだけどっぷり日本の歴史、文化、風習、言語、音楽を教える学校があるでしょうか」と鄭校長。

北朝鮮の故金日成(キムイルソン)主席らの肖像画は見当たらない。全ての教室に軍事境界線のない朝鮮半島の地図が飾ってある。「正しく、あるがままを知っていただきたい」。約25年前から公開授業を始め、今年は10月1日を予定している。昨年は行事を含め、年に約2000人が訪れたという。

朝鮮学校には自治体から補助金が交付されているが、文部科学省が昨年3月に「透明性」などを求める通知を出したのを受け、和歌山など3県が昨年度に予算計上した補助金の交付をやめた。

滋賀県は、校内の見学や関係者への聞き取りなど5回ほど訪問調査をし、北朝鮮の現体制の権力者の崇拝などの教育はされていないとして、昨年度も例年通り補助金を交付した。児童1人当たり8万円の計144万円。県私学・大学振興課は「子どもの視点に立ち、受けている教育に問題がないと判断した」と話す。「民族学校に入った子どもの学ぶ権利は尊重されるべきだ」というのが県の基本姿勢としている。

プールがないため、取材日に高学年の児童は近くの滋賀大付属小へプール交流に出かけていた。低学年の教室では、男児と女児が掃除の合間に朝鮮将棋を床で始めた。チョスナさん(3年)は、「民族の誇りを持って生きてほしい」という父親の願いを受け、幼稚園から同校に通う。将来の夢を聞くと、「歌手になりたい」。小さな声だが、大きな夢。担任の女性教員と私に笑みが広がった。【エリア編集委員・大澤重人】=下は8日

※「ウリハッキョ」は私たちの学校の意味。

カリキュラム、60年代から変化

朝鮮学校の教育内容やその変遷について、世界人権問題研究センター(京都市)の呉永鎬(オヨンホ)専任研究員(32)に聞いた。呉さんは大学校まで朝鮮学校で学び、一橋大大学院の博士課程を修了。現在は1950、60年代の朝鮮学校の歴史を研究している。

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日本で生活し、日本語が第一言語の子たちをどう朝鮮人として育てるのか。本国(北朝鮮)の教育も、日本の教育もそのまま使うことができないため、両方を参照しながら、独自の教育を行っています。戦後からその基本構図は変わっていません。

日本の学習指導要領が変わると、それを踏まえて60年代からほぼ10年おきに朝鮮学校のカリキュラムも変わっています。小学校からの早期英語教育を今年から取り入れ、ICT(情報通信技術)教育も行っています。

https://mainichi.jp/articles/20170901/ddl/k25/040/511000c

>>2以降に続く)
※前スレ
【毎日新聞】朝鮮学校は日本の教育内容も反映している ヘイトスピーチにさらされているが、教育を受ける権利は保障されるべき[9/01]
http://lavender.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1504265278/
猫名無し★さん