北朝鮮の核実験を受け、各国の首脳や国際機関は声明を出したほか、メディアも相次いで速報した。フランスのマクロン大統領は「核開発を完全に廃棄させたり対話路線に戻したりするため、北朝鮮の新たな挑発に断固対応しなければいけない」と述べ、国連安全保障理事会を含む国際社会の速やかな行動を求めた。

包括的核実験禁止条約機構(CTBTO)準備委員会のゼルボ事務局長は声明で「北朝鮮の核開発は急速に進展している」との認識を示した。同委員会の専門家は今回の実験の分析に着手した。3日中にもウィーンで加盟国に状況を説明する予定だ。

国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は声明で「極めて遺憾な行為」と指摘。北朝鮮に国連安保理決議に従うよう求めたうえで「平和的な解決に向けて協力する準備がある」とした。

各国メディアも相次いで速報した。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は北朝鮮問題のカギを握る中国に触れたうえで「ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ(BRICS)首脳会議のホスト役を務めている習近平国家主席にとって極めて不愉快なタイミングだ」と指摘した。

仏紙ルモンドは「核弾頭を搭載する能力を持っているなら、国際社会にとっての懸念が大きく増す」と指摘。北朝鮮問題は米国やアジアにとどまらないと論じた。仏紙フィガロは「国際社会からの圧力は既に高まっているが、さらに強まるだろう」と予想した。

仏経済紙レゼコーは「トランプ米大統領の警告や国際社会の経済制裁をバカにしたかのような核実験だ」と指摘した。

ドイツの大衆紙ビルトは電子版のトップで「金(正恩委員長)が水爆をテストしたもよう」と報じた。公共放送のARDは北朝鮮の報道を引用する形で「爆弾は過去のものより強い威力があった」と伝え、南ドイツ新聞は「地域の緊張が高まっている」と指摘した。

東南アジアやオーストラリアでも関心が高い。シンガポールの国営ニュース専門テレビ局、チャンネル・ニュース・アジアは8月下旬に北朝鮮のミサイルが日本上空を通過したことで国民が神経質になっていることや、今回の核実験が秋篠宮家の長女、眞子さまの婚約内定の記者会見と同じ日に実施されたことなどを報じた。

「中国も非常にいらだっているはずだ」などと分析する専門家の見方も伝えた。

インドネシアの有力紙コンパスはソウル発の一報を流した後、東京発で安倍晋三首相や河野太郎外相の発言を引用し、日本政府が強く反発していることを報じた。

オーストラリア紙のシドニー・モーニング・ヘラルドも「もし実験が成功したのなら(北朝鮮の核・ミサイル開発にとっては)飛躍的な進歩と言えるだろう」との見方を紹介した。

https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM03H49_T00C17A9EA3000/


【北朝鮮核実験】インドも非難「深く懸念」

インド政府は3日、北朝鮮の核実験を非難する声明を発表した。

「北朝鮮が再び、朝鮮半島の非核化という北朝鮮自体によって承認された目標に反し、自らの国際的な約束に違反する行為をしたことは深く懸念すべき問題だ」とし、「北朝鮮に対し、平和と安定に地域を越えて有害な影響を与えるような行動を取ることを慎むよう求める」などと主張した。

(ニューデリー 岩田智雄)

http://www.sankei.com/world/news/170903/wor1709030111-n1.html


【北朝鮮核実験】EU、外相理事会で対応協議へ 独仏首脳は制裁強化支持

欧州連合(EU)のモゲリーニ安全保障上級代表は3日、北朝鮮の核実験を受けた声明で、「国際的な義務に対する受け入れがたい違反」と批判した。週内に予定されるEUの非公式外相理事会で北朝鮮問題を議論する考えも示した。

また、ドイツのメルケル首相とフランスのマクロン大統領は3日、電話会談し、「(北朝鮮の)挑発は新たな次元に達した」との認識で一致。北朝鮮に対するEUの制裁強化を支持する意向を表明した。(ベルリン 宮下日出男)

http://www.sankei.com/world/news/170903/wor1709030109-n1.html