中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は3日、新興5カ国(BRICS)首脳会議に出席するため訪問中の中国福建省アモイで会談した。

中国国営・新華社通信によると、両首脳は「朝鮮半島の非核化の目標を堅持し、新たな事態に対応するため緊密に連携」することで一致した。米国や韓国内で在韓米軍への核再配備論が浮上する中で、韓国も含む「朝鮮半島の非核化」を再確認し、米韓をけん制したものだ。

モスクワ放送によると、両首脳は、7月に習氏がロシアを訪問した際にプーチン氏と合意した「段階的な解決」の実現について協議した。合意は「北朝鮮の核・ミサイル開発と、米韓の合同演習の同時凍結」を行うロードマップだ。

両首脳は、BRICS参加国の首脳との個別会談を通じて、北朝鮮と米韓の双方が努力する「段階的解決」の必要性を訴えるとみられる。

核実験は、BRICS首脳会議の開幕式が始まる約4時間前に一報が入った。習氏はかつて副市長を務めたアモイにゲストを含め9カ国首脳を招き、10月の中国共産党大会を前に、大国外交の成果を示す場にするはずだった。

北朝鮮は昨年9月と今年5月にも中国がホスト国を務めた国際会議の当日にミサイルを発射しており、中国はまたもやメンツをつぶされた形だ。

過去2度のミサイル発射でも、中国は粛々と会議を続けたが、今回の開幕式のスピーチでも習氏は核実験に直接言及しなかった。

一方、中国外務省は3日、「中国政府は断固反対し、強く非難する」との声明を発表。ロシア外務省も声明で「このような行動を続ければ、北朝鮮自身が深刻な結果を受けることになる」とこれまでになく強い表現で北朝鮮指導層を批判した。【アモイ河津啓介、ユジノサハリンスク杉尾直哉】

https://mainichi.jp/articles/20170904/k00/00m/030/079000c

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中国の習近平国家主席=AP