韓国大統領府高官と外国人記者との懇親会で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の“口”といえる朴洙賢(パク・スヒョン)報道官とビールを酌み交わした。朴氏が強調したのは、文政権がいかに海外メディアの報道を意識しているかということだ。

朴氏によると、担当官は毎朝午前4時半に出勤し、国内メディアだけでなく、韓国語に訳した日本の主要各紙など海外メディアの記事も逐一チェック。重要な記事をまとめて朝一番に文氏に提出するという。

重視するのが「コラムを含めた米国や日本、中国の報道」。国内報道とは違った視点が映し出されているからだ。朴氏は「大統領はあなた方の記事にも目を通していますよ」と言う。

文氏は、戦時中の徴用工問題で「個人の権利は残っている」と日本企業への個人請求権はあるとする韓国最高裁判断を支持する発言をし、日韓請求権協定で解決済みという両国間の“約束”を覆すのではないかと日本で懸念する声が強い。

対北政策でも、相次ぐ挑発に圧力を強める局面で、対話に前のめりになるあまり、日米との足並みに乱れが出るのではないかとの危惧が拭えないのも事実だ。

朴氏の話を聞いて、日本の読者だけでなく、文氏に送る“手紙”のつもりで、日本の立場から、書くべきことは遠慮なくどんどん書いていこう−と俄然やる気がわいた。(桜井紀雄)

http://www.sankei.com/world/news/170904/wor1709040009-n1.html
http://www.sankei.com/world/news/170904/wor1709040009-n2.html

http://www.sankei.com/images/news/170904/wor1709040009-p1.jpg
ソウルの韓国大統領府で記者会見する文在寅大統領=17日(共同)