【ウラジオストク=黒川信雄】北朝鮮とロシア極東を結ぶ貨客船「万景峰(マンギョンボン)」が港湾使用料未払いを理由に運航停止となったことについて、運営会社の露インベスト・ストロイ・トレスト社のウラジーミル・バラノフ社長(68)は6日までに産経新聞の電話インタビューに応じ、運航打ち切りの可能性を否定した。

ただ北朝鮮への国連制裁で経営は厳しく、再開が実現しても難航は必至だ。

バラノフ氏によると、インベスト社は9、10月分の露国内の港湾使用代金をめぐり代理店と合意ができておらず、万景峰は北朝鮮北東部の羅津港に停泊したままという。代理店側は100万ルーブル(約190万円)の支払いを要求したが、インベスト社は本来の10倍にあたる金額だとし、支払いを拒否した。

そのため万景峰は5月の就航から3カ月で運航が終了する可能性も指摘されたが、バラノフ氏は「9月中旬には問題が解決し、運航も再開される」との見通しを示した。

万景峰は週1回、露朝間を往復していたが、当初100人を見込んでいた1回あたりの乗船者数は20人程度にとどまっているという。露極東を訪問する中国人観光客の利用も見込んでいたが「対北制裁の影響」(同氏)でほぼ利用者がいないもようだ。

制裁で北朝鮮産の海産物輸入が禁じられ貨物の需要が減っていることも打撃となっている。

バラノフ氏は3日に北朝鮮が強行した6回目の核実験については「影響はない」と強調した。

http://www.sankei.com/world/news/170906/wor1709060049-n1.html
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ロシア・ウラジオストク港に入港する北朝鮮の貨客船「万景峰」=8月17日(共同)