北朝鮮が水爆実験をしたのではないかという報道が流れています。北朝鮮指導部の発表は、はったりまがいなので、ICBM登載可能な水爆の実験に成功と発表しているようですが、どこまで信用して良いのかはわかりません。

揺れの程度などから水爆ではないかと推測しているようですが、真偽はどうなのでしょうか。仮に北朝鮮指導部が発表した内容であれば、早晩、米国本土も直接の核攻撃の射程に入りますから、米国としてはこのまま黙認することはないでしょう。

もともと北朝鮮による挑発行為の目的は、@北朝鮮指導部の身の安全を図ること、A食料、重油を援助しろ、ということにあります。

しかし、そのために挑発行為を繰り返すものだから、安保理決議による経済制裁を受けるという悪循環に陥ってしまっています。あるいはかえってトランプ氏から恫喝を受けるものだから、なお危うい核実験にまで踏み込み、米国本土を射程に置いているんだと誇示しなければならなくなり、さらに米国の言動を危ういものにしてしまいました。

ところでトランプ氏は、以前、北朝鮮が核保有を放棄すれば、北朝鮮の指導体制そのものを転覆することはしないと言ったとも言われています。

要は、北朝鮮指導部の安全を保障する代わりに核保有を放棄せよということです。米国ならではの発想です。

北朝鮮での自国民に対する圧政は、かつての南アフリカと変わらないものですが、他国(例えば、中国、キューバ)の「人権問題」では口を出すのに、ここでは出さないというのは、米国が口にする「人権問題」は政治的取引のためでしかないことを物語っています。

もともと中国が重油の輸出禁止に踏み切れないのは、北朝鮮の体制の崩壊に伴い、北朝鮮から難民が押し寄せてくるからだとも言われています。

私たちにとって、北朝鮮人民は圧政による被害を受けている人たちであり、そういった人たちに対する救済こそ考えなければなりません。

もし仮に多くの難民が発生した場合、中国だけで抱え込むのは不可能でしょうし、韓国も然りです。日本への移住の希望もあるかもしれません。少なくとも日本はその費用を分担すべきものです。そうしたことがない限り、中国が石油禁輸に踏み切ることは困難でしょう。中国に対応を求めるばかりでは実現しません。

北朝鮮人民に対する受け入れを表明することも検討事項の1つです。

もっとも現状で石油禁輸に踏み切った場合、それこそ北朝鮮は、戦前の日本と同じような状態に置かれますから、それ自体、危うさはありますが、戦前の日本と違うのは、米朝感では明らかに軍事力の差が歴然としており、開戦になれば、金正恩氏をはじめ北朝鮮指導部の命の保証がないことくらい自覚しているからです。

既に軍事力による威嚇という方法が限界に達しているのですから、対話こそ必要だというのに、日本の安倍政権は、米軍の後ろ盾で遠吠えしかしないのですから話になりません。

軍事力による恫喝によって解決することはなく、経済制裁とともに対話の呼び掛け以外に方法はありません。

虎の威を借る狐というか、虎の後ろで騒ぐだけのキツネ

安倍政権はいつまでもかかる恫喝一辺倒になっているのは、国内政治に利用したいがためです。このような姿勢は断じて許されるものではありません。

「北朝鮮がミサイル発射 襟裳上空を越える 札幌に落下したら? 政権の煽りに要注意 オスプレイが飛行する方がよほど危険だ」

猪野 亨
弁護士

http://blogos.com/article/244098/

>>2以降に続く)