まあ確かにこの本がネトウヨに与えた影響は大きいし、それだけに罪作りな本でもある。

特に「日本だけが戦えた」という下りは、その辺の量産型ネトウヨの決まり文句になってしまい、
未だに第二次大戦で日本が立ち上がらなければ地球上全てが欧米の植民地となっていたという
認識の奴が多い。

実際は、第一次世界大戦の後、武力による新規領土獲得を禁止するパリ不戦条約が成立して
新たな植民地獲得は国際的に違法になったにもかかわらず、それに逆行するように満州事変、北支分離工作、
日中戦争と領土拡大に勤しんだのは日本のほう。この辺りもアホ保守やネトウヨにかかると、日中戦争は
コミンテルンが仕掛けてきた陰謀で日本はむしろ被害者という話になり、北支分離工作という明らかに
日本側からの中国侵略計画であったことを無視する。

海外から見れば、日本は満州、そして北支と、明らかに軍事力を背景に領土を拡大しているのは明らかであり、
その動きに対して欧米が経済制裁をしたのに対して日本側が逆ギレして欧州大戦に便乗する形で始めたのが
太平洋戦争なのに、欧米人の有色人種差別に対して決起した聖戦だと言い出す。

どう見てもぶっ壊れてるのは日本の右翼とネトウヨの歴史観だよ。