【時代の正体取材班=石橋 学】市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」は2日、人種差別を禁止する条例の早期制定を求める集会決議を川崎市議会と同市に届けた。10回目を数えた9月30日の市民集会で採択したもの。

ヘイトデモやインターネット上の差別書き込みで在日コリアン市民の人権被害が拡大する中、「市の人権施策を応援しようという市民の思いを受け止めてほしい」と求めた。

後藤晶一副議長(公明)とともに面会した松原成文議長(自民)は条例制定を前提に「議員提案で進める方法も考えられる。皆さんの思いを受け止め、各会派に周知したい」と応じた。

市内ではヘイトデモが14回繰り返され、1日も「条例制定阻止」を公言する極右政治団体・日本第一党の瀬戸弘幸最高顧問が川崎駅前で街宣。ヘイトデモ主催者の公園使用を不許可にした市の判断を「卑劣極まりない」などと人権を度外視する批判を展開した。

面会に同席した神奈川県弁護士会の本田正男・川崎支部長は「人権尊重と対極の状況で耐えがたい。市内で200人を超える弁護士の力を使ってほしい」と協力を惜しまない姿勢を表明。

ヘイト被害を訴えている在日3世の崔(チェ)江以子(カンイヂャ)さん(44)は差別ツイートや脅迫の電話や手紙で攻撃を受け続けていることを明かし、「在日や外国人市民全体へ攻撃であり、市の人権施策へ挑戦。議会のリーダーシップで人種差別禁止条例を優先的にまとめてほしい」と訴えた。

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(右から)松原議長、後藤副議長と面会する市民ネットワークのメンバー