■14世紀以前の朝鮮半島の歴史は、正確には何もわかっていないのが現実■

▲長時間討論の中で、聞いていてえっと驚くような主題や、あぁそうだったのかとあらため
て納得するような内容が幾つかあった。1392年に高麗が滅亡して李氏朝鮮が成立した。それ
以後の李王朝の実在は動かない。そして、歴史的に現在の韓国人とつながっているのが李王
朝の国家と国民であることは疑いを容れない。

しかしそれ以前の半島の歴史は正確にはなにも全くわかっていないのだ、と金完燮氏は
言うのである。韓国人は、だから自らの民族のアイデンティティに大きな不安を抱いている、
と。

▲通説としては、676年に新羅が半島を統一したというような話になっているが、そういう
歴史的展開はぜんぶ現在の大陸東北部で起こった出来事であって、半島の歴史ではない、と
いうのである。

古代史に関する彼の大胆な「仮説」は、27日にあらためて聴くことになっている。
ともかく、半島における高句麗、新羅、百済の三韓の葛藤劇もことごとく歴史的実在が疑わしい。

要するに1392年より以前の半島の歴史で確実なことは何もわからないので、韓国人の歴史への
自信喪失は根が深いのだという話である。

▲17世紀初頭、日本列島には3000万人の人口があった。同じ時期、あの広大な中国の人口
はわずか6000万人であった。(確かに、中国の人口が一億を越えたのは17世紀後半の清王
朝の成立より後のことである。)
朝鮮半島の人口は、当時300万人程度であった。

朝鮮人からみて日本列島はすでに当時から人口の多い「大陸」であり、一つの大きな「文明」
であった。

今のように島国の日本というイメージではなかった。朝鮮半島は二つの「大陸」にはさまれ
ているという自己認識であった、と。


■17世紀でさえ朝鮮半島の人口は300万人程度だそうだ。要するに食料生産性が
低いということです。こんな程度の人口では古代中国の帝国と戦争などできなかった
だろうね。