オーストラリア、北朝鮮U19サッカー代表の入国を認めず
日本開催の東アジア杯、日本の対応に注目

核・ミサイルによる挑発を続ける北朝鮮に対して世界的な制裁・圧力が強まる中、国際スポーツ界でも「北朝鮮外し」のムードが高まっている。

オーストラリアの「シドニー・モーニング・ヘラルド」など現地メディアは11日「オーストラリア政府が、来月オーストラリアでの試合に出場予定の北朝鮮のサッカーU19(19歳以下)代表メンバーに対し、入国ビザを発給しないことを決めた」と一斉に報じた。

大会まで1か月を切った状況で、北朝鮮のU19代表チームの入国を電撃的に拒否したわけだ。北朝鮮は来月4日から8日までオーストラリアのビクトリア州シェパートンで行われるU19アジア選手権予選に出場し、オーストラリア・香港・北マリアナ諸島と対戦する予定だった。本大会は来年10月にインドネシアで開催される。

オーストラリアのビショップ外相は、北朝鮮選手の入国を認めない方針を明らかにし「北朝鮮を招待することは、北朝鮮の違法な核・ミサイル開発に強く反対するオーストラリア政府の立場に背反する」として「国連安全保障理事会の決議に従って北朝鮮に対する外交的・経済的圧力のレベルを高めようとしている我々の努力とも一致しない」と述べた。

国連安保理は先月12日、北朝鮮への油類供給を30%カットし、北朝鮮製の繊維製品の輸入を禁じることを柱とする対北朝鮮制裁決議を満場一致で採択した。

オーストラリア政府の電撃的な決定によってオーストラリア代表がホームで北朝鮮と対戦できなくなったため、オーストラリア・サッカー協会はアジア・サッカー連盟(AFC)に対し、大会を第三国で開催するよう要請。オーストラリア代表にとっては、第三国で試合が実施されれば貴重なホームゲームのアドバンテージを失うことになる。

大会が開催される予定だったシェパートンも突然の決定に当惑している。シェパートンのディニ・アダム市長は「今大会はシェパートンで開催される初のメジャーなスポーツイベントで、10億ウォン(約1億円)以上の経済効果を見込んでいた。残念だが理解しなければならない」との立場を表明した。

AFCはオーストラリア・サッカー協会の要請を受け入れ、試合が開催できそうな第三国を探しているという。大韓サッカー協会によると、AFCはオーストラリアに対するペナルティーは科さない方針だ。国際サッカー連盟(FIFA)はサッカーへの政治介入を強く禁じているため、AFCの今回の決定は極めて異例だ。

FIFAは2015年「クウェート政府がスポーツ関連団体の行政に介入できるよう法律を改正した」として、国際サッカー大会への出場停止という非常に強力な制裁措置を下している。しかし今回はFIFAとAFCが北朝鮮の核・ミサイル問題に対する国際社会のムードを意識し、オーストラリアの決定を受け入れたといわれている。

北朝鮮がスポーツ界で孤立する現象は他国でも起きている。マレーシアは先月末、北朝鮮核問題による緊張の高まりを理由に自国民の北朝鮮旅行を全面的に禁じ、これに伴いマレーシア・サッカー協会は10月5日に平壌で予定されていたアジア・カップ予選の北朝鮮との試合を無期限で延期すると発表した。

この試合は本来、今年3月に予定されていたが、金正男(キム・ジョンナム)氏の暗殺事件をきっかけにマレーシアと北朝鮮との関係が悪化したため、これまでに何度も延期されている。今回は試合の新たな日程も話し合われていない状況だ。

今年12月に東京で開催されるEAFF E-1サッカー選手権 2017(旧・東アジア・カップ)にも不安要素が残る。同大会には韓国代表をはじめ北朝鮮、日本、中国が出場する。北朝鮮による挑発が続く中、大会を主催する日本がどのような対応を取るのかが注目される。

日本の一部メディアは「国際情勢を踏まえ、日本が北朝鮮代表の入国を認めない可能性もある」との見方を示している。大韓サッカー協会の関係者は「現時点では大会開催に関して特別な内容はないが、デリケートな問題であるだけに状況を見守りたい」と述べた。

国際スポーツ界で北朝鮮を排除するムードが広がる中、韓国政府は北朝鮮を何としてでも来年2月の平昌五輪に参加させたい構えだ。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/10/11/2017101103147.html