【ワシントン=黒瀬悦成】米CNNテレビは16日、北朝鮮当局者の話として、北朝鮮は米東海岸に到達可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発するまでは米国との外交交渉に応じる意思はないとする見解を伝えた。この当局者はまた、日本海などで始まった米韓合同海軍演習の期間中やトランプ米大統領によるアジア歴訪の期間中、北朝鮮が大気圏での核実験やICBM発射を行う可能性があると述べた。

 CNNによると、同当局者は米国との交渉の余地を否定しないとしつつ、「トランプ政権との外交交渉に入る前に、北朝鮮が米国からのあらゆる侵略に対抗できる、信頼性のある防衛・攻撃能力を保持していることを明確に伝えたいと考えている」と指摘し、核能力の確立が対話開始の前提であると強調した。

 この当局者はさらに、信頼性のあるICBM技術を確保するには「大気圏内での核実験」と「グアム以遠に到達可能なICBMの発射実験」の2つが必要であると主張した。

北朝鮮の李容浩外相は9月、国連総会の場で「太平洋での水爆実験」を行う可能性に言及している。

 一方、トランプ氏は16日、ホワイトハウスでの記者会見で、来月の韓国訪問中に南北の非武装中立地帯(DMZ)を訪れる予定と伝えられていることに関し、訪問が北朝鮮を挑発するとの指摘に否定的な見方を示した。


2017.10.17 08:33
http://www.sankei.com/world/news/171017/wor1710170013-n1.html